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初めての山登り天孫降臨ルートで高千穂峰

10/30 高千穂峰
   天孫降臨登山口→第一展望台→第二展望台→皇子原分岐→高千穂峰→往復
※この記録は09年にデジカメの記録を元に当時を思い出しながら、書いたものです。

いよいよ初めての山登りである。何故急に山登りを始めたのか?様々な複合的要素はあるものの、書き出すと長くなるので別の機会に書くとして、簡潔に言うとどうしても高千穂峰に登りたかったのである。元来日本書紀のいわゆる神話の部分に非常に興味があった。仕事の都合で宮崎に住む事になり、神話の国宮崎には神話にまつわる様々な言い伝えや名所が沢山ある。休みの日に観光がてらあちらこちらへ出かけてはデジカメで写真を撮ったりして楽しんでいた。色々調べて探索するのは非常に楽しく、鵜戸神宮や霧島神宮等へも行ったりしていた。その霧島神宮に向かう道の途中で目の前に聳える高く美しい山があった。その時は何と言う山なのか名前も知らなかったが、神々しいまでの美しい山容に思わず見とれてしまった。帰って調べてみると霧島連山の高千穂峰である事が判った。天孫降臨伝説の山頂には天の逆鉾があり大いに興味をそそられた。天孫降臨伝説の場所は諸説あるが、「神々しさを漂わせるあの美しい山に登りたい」ただその一心であった。簡潔にと言いながらもかなり長くなってしまったが、複合的要素の中で一番の強い思い入れがこの気持ちであった。元々アウトドアは大好きで、奈良の実家には山でも使えそうな道具は幾つかあったが単身赴任先には一切持ってきていないので、まずは最低必要な道具から揃える事になったが、靴だけはちゃんとした物を買って(この靴は現在も現役で活躍している)リュックはいわゆるDパックと言われる簡単なものの少し大き目を買った。色々情報も集めたがガイド本として山と渓谷社の「新分県ガイド宮崎県の山」を買った。(今から考えると地図もなくガイド本だけで初めて山に登ったと言う非常に危なっかしい事をしたものである。しかもこの時は高千穂峰の山頂が宮崎県にあるし宮崎に住んでいたので何の躊躇も無く宮崎県の山を買ったが、実際のメインルートは鹿児島県側にある高千穂河原から登るルートでそのルートは当然鹿児島県の山に掲載されていたのである。しかしその当時はそんな事は知る由も無く、本に紹介されていたある意味マイナーで玄人好みの宮崎県高原側から登る天孫降臨ルートを何の疑いも無く登ったのである。)登山前日早めに寝ようと布団に潜り込む直前に携帯が鳴り、出てみると会社の仲間が近くで飲んでいるので出てきませんか?との誘いであった。明日は山に登るからと一旦は断ったものの、是非にとの誘惑に負けて出かける羽目に。12時過ぎまで楽しく飲んで帰宅し、翌朝は何とか予定通りに起床するが当然ながら体調は万全ではない。しかし準備を整えて車で目的地に向けて走り出す。国道220号線を南に走り宮崎ICより宮崎自動車道に乗り高原ICで降りる。223号線で狭野神社の所を右折し皇子原公園へ進む。この皇子原公園までは以前にも来た事があった。9月頃だったと思うが、ここは彼岸花の大群生になり地元TVでも紹介されていたので見に行ったのである。ガイド本によると皇子原公園の横の道を更に奥まで進む様になっているのでそのまま進むと道は段々と細くなり舗装はされているものの林道と言う感じの山道を少々不安に感じながら進んで行った。途中分岐もあったが真っ直ぐに進むと山深くなり、更に進むと行き止まりの地点で広くなった所がありここが駐車スペースで簡易トイレもあった。既に2台ほど車が停まっていて、1台は2名の女性の登山者が準備中であった。無事に登山口まで辿り着いて一安心し直ぐに準備をして、まだ準備中の2名の方に挨拶をして先行し出発をした。何度も読んだガイド本通り、一旦砂防ダムまで下り、砂防ダムを横切ると鬱蒼とした樹林帯の中に入っていく登山口があった。ここから登っていくが、なにせ初めてでペース配分も何も分からず、急な登りを喘ぎながら上へ上へとひたすら登って行った。私の登山経験と言えば、小学校・中学校で毎年登った金剛山くらいのもので、その記憶も遠い昔で定かでない状態である。今から登る高千穂峰は標高1574mで、金剛山が1125mだから、「金剛山よりも500m強多く登らないといけないな」程度の認識であった。登山口からの標高差と言う意識は全く無かったのである。照葉樹林の中を登っていくと所々に案内板が設置されている。地元の大幡山登山会が設置されたもので、現在の標高と山頂までの標高、登山口からの標高差が記されている。途中何度か休憩しながら登って1000mを越えた辺りから展望が開けてきた。上のほうに山頂の様な物が見えたが、それが高千穂峰とも分からない無知さであるが、まだまだ遥か遠くに見えたので改めて気を引き締めて登っていく。所々で展望が開けるところで霧島連山が見通せる所もあった。
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登山道はいつしか樹林帯を抜けて岩場や砂礫に変わり景色を眺めながらの登りで気持ち的には少し不安感が無くなる。やがて皇子原分岐と呼ばれる登山道が交差している場所に飛び出る。九州自然歩道となっている。
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今から向かう高千穂峰の山頂が大きく聳えたっている。ここから目指す目標は見えたがまだまだ試練は続く。岩場・長い木製の階段、山頂と思っていたら実は偽山頂と呼ばれる小ピークだったりで、息も絶え絶えと言った状態で何とか山頂に辿り着いた。天気は少し曇っていて期待していた桜島は見えなかったが360度の大展望に大感激である。
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そして何と言っても見たかった天の逆矛も目の当たりに出来て疲れも吹っ飛んだ気分であった。(本当に気分だけで相当の疲労があり、鈍った足は悲鳴を上げていたのだが・・)山頂で展望を楽しみながらのおにぎりの味は格別で、来て良かった!と登って来た時の苦しみを全て忘れて本当に心が洗われる気分であった。さて景色も展望も目に焼き付けて下山する事にしよう。山登りの服装が良く分からず、綿シャツに綿パンで登ってきたので、のぼりで掻いた汗が乾かず身体が冷えてしまった。急な降りに足を進めると、太ももから膝にかけて筋肉痛が襲う。まるでロボットの様な歩き方になりながらゆっくりと降りていく。かなり不恰好な歩きだったと思うが、下りの階段の途中、朝駐車場で挨拶をした女性登山者2名が座って休憩中であった。私を見て「もう降りられるの?さすが若いから早いねえ」と声を掛けられた。確かにお二人から見るとかなり若いかもしれないが私も40代後半になり一般的には中高年登山者の分類であるのだが・・・。しかも初めての山登りで足が引き攣っている状態で・・・。それでも見栄とやせ我慢で「お先に失礼します」と軽快な足取りを装ってその場を足早に立ち去る。その後痛む足を騙し騙し何とか来た道を引き返し漸く登山口に辿り着いたときは正直ホッとした。今登った高千穂峰を振り返る。
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この写真の左側のピークが二子石、鞍部が皇子原分岐、右が山頂であるが少し下に偽山頂がある。
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帰りは皇子原公園も向かいにあるサンヨーフラワー温泉に寄って、足を良く揉んで疲れを癒した。このサンヨーフラワー温泉は、白濁した色と硫黄の匂いがして如何にも温泉!といった感じでとても良かった。露天風呂はぬるめで30分位浸かったままでものぼせないので疲労回復には持って来いの温泉でした。
こうして初めての登山が終わったが、これを契機にどっぷりと山に嵌って行くのであった。

※尚この後2日間程は階段の上り下りが筋肉痛でままならない状態であった事は言うまでも無い。
by hawks-oh-muku | 2006-10-30 22:44 | 九州の山歩き | Comments(0)
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