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白神山地 高倉森

2015年6月8日(月) 白神山地 高倉森
アクアビレッジANMON9:18→白神ライン歩き(登山口探し間違い)→登山口9:59→ミズナラ巨木10:56→小沢11:12→岩木山展望場所11:53→柴倉ヶ岳12:06→ファザーツリー12:10→高倉森山頂12:31→津軽峠方面途中引き返し地点12:49→高倉森山頂13:05→ファザーツリー13:26(昼食休憩)→柴倉ヶ岳13:45→ミズナラ巨木14:36→アクアビレッジANMON15:15
累積標高差+-710m 歩行距離8.9km(登山口間違い含む)

金曜日に白神山地の崩山に登ったばかりで、中2日しか空いていないが、またしても白神山地に訪れてきた。3日前は、日本海側の深浦町からの白神山地であったが、今度は東側の西目屋村側から登る山に行ってきた。前回のブログにも記したが、世界自然遺産の中で一般登山者が自由に入山できる緩衝地域の中でも登山道が整備されている山域は少なく、高倉森は現在登る事が出来る数少ない山である。現在とは登山口までのアクセスの問題で、通常6月からは通行出来る道が崩落等によって通行不能になっているのでこの高倉森も一般的に紹介されている登山ルートでは登山口には行けないので現在も通行不能となっている。(白神ラインは現在も通行止めで津軽峠まで行くことが出来ないので要注意)白神山地で有名な樹齢400年を超えるブナのマザーツリーは津軽峠から10分で行ける場所なので、観光スポットとなっているのだがここには現在行く事は出来ない。そこでひと山越えて行ってみようと思ったわけだが、もうひとつ興味を持ったのは山の名前である。山の名前には色々な由来が有り、難読漢字の山もあるが、だいたい○○山であったり○○岳であったり○○峰等の名前が付いているが○○森と言う森の名前がつく三角点の山は初めての様な気がする。そんな気になる山に行く事にしたのである。

朝はいつもと同じ5時に起床しているのだが、休みの日はついついゆっくりとしてしまい、朝食を食べてたりおにぎりを作ったりしているうちに家を出るのは8時前になってしまった。弘前方面に車を走らせ、西目屋村に入り建設中の津軽ダムを過ぎると急に道は狭くなる。そして現在通行止めになっている白神ラインのダート区間入口の手前にアクアビレッジANMONがある。白神山地の観光スポットである暗門の滝は現在まだ解放されていないので駐車場に車は2台しか停まっていない。現在散策できるのは、暗門の滝の入口周辺のブナ林散策道コース(約1時間)だけなのでそこに行かれているのか、高倉森に登っているのかは分からないが静かな山歩きになりそうだ。準備を整えて歩きだすがここで大きな勘違いをして登山口を間違える。高倉森は山と高原の地図の白神エリアにもカバーされていないので、地形図を持って来たのだが、思い込みによる初期段階での勘違いで白神ラインを入って行ってしまった。この通行止めの鉄扉の横をすり抜けて・・・
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思い込みではこのゲートを過ぎてすぐに左に登山口があると思ったのだが、どうも様子が変である。改めて地形図を確認し、もう少し先へ進んで見る事にする。
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10分少し歩くと路肩が崩落している箇所に出た。この先この様な場所がいくつも有るのかも知れないが、ガードレールがそのまま下まで崩落してしまっている。
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この場所から2分程歩いて所で漸く左側に川に降りる道が出てきたが、何の案内もないのでおかしいなと思いながら降りてみる。
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降りてみると治山ダムの表記が有り、堰堤があっただけで渡渉ポイントも登山口の案内もない。これはやっぱり違う。
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そんな感じで更にうろうろして時間だけが過ぎていく。今一度地形図を確認すると、暗門の滝入口を過ぎて橋を渡ってすぐの所に左に入って行く登山口がある。これは引き返すしかないと元来た道を戻る。駐車場まで戻って暗門の滝入口方向に歩くとすぐに登山口はあった。40分も無駄な時間を費やしたが、結局は駐車場のすぐ横に登山口が有った訳で、思い込みによる勘違いが最大の失敗だった。
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このルートは白神山地自然観察歩道となっているが、整備されるまではマタギやキコリの通る道だったそうだ。自然観察歩道と言えば平坦で歩き易そうな感じに思ってしまうが、急登のやせ尾根のある結構な難路である。登山口からいきなりの急登で始まるが、少し入った所にハクサンチドリが咲いているのを発見。
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3日前に登った崩山同様に登山者カウンターが設置してある。
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いきなりの急登に息を弾ませるが、この急登は長くは続かずに細い尾根の稜線に一旦乗る。
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この辺りでヨウラクツツジを見つける。紅葉の時期にはきれいだろう。
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そして真っ赤なヤマツツジも咲いていた。
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大きなミズナラの根元にギンリョウソウが沢山固まっているのを見つける。
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今度はドウダンツツジも出てきた。
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この先登山道は、一旦下りになって鞍部の様な所を左に曲がって行く。結構山深く、今にも熊が出そうな所で少々不気味である。
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チゴユリやユキザサの咲く中を歩いて行くと登山道は右に曲がって再び登りに変わって行く。
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ひと際大きなミズナラの巨木が現れる。これで樹齢は何年ぐらいなのだろう?枝分かれした大きな幹が、十分大木と呼べる位の太さである。
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ゆっくりと登って約1時間で小沢を渡る。この登山道には水場はないのだが、万が一の不測の事態の時にはこの沢の水で何とかなりそうだ。但し飲用可かどうかは不明なので、あくまでも非常時に自己責任でという事で・・
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更に進んでいくとぬかるみの所に木の枝で足場が出来ている所を渡る。
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ここを過ぎると急登がありやせ尾根になる。そして一番恐れている熊のものと思われる糞が登山道に落ちていた。
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冒頭にも記したが、白神山地で森と名前がつく山はマタギの山との事で、熊が多く棲息していても不思議はない。そしてそこかしこに熊の存在を裏付けるような痕跡もあるのである。ここから先はザックに付けた鈴を大きく揺らして、ストックでも意識的に音を立てて進む事になる。チラリと右側に岩木山が覗くようになってきた。
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タムシバの白い花が目に飛び込んできた。この先には結構咲いていた。
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そしてここからは本当の急登になる。左右は切れ落ちたやせ尾根である。
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途中にある道標は熊の痕跡がハッキリと残っている。
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イワカガミの散った跡が沢山あると思っていたが、何とか咲き残ったイワカガミを見つける。
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そして右側がパッと開けて岩木山の好展望場所である。この山も山頂は殆ど眺望はないとの事で、ここが一番のポイントなのである。津軽富士の名に恥じない本当に秀麗な山容である。
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更にやせ尾根の急登は続く。
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一旦緩んでオオカメノキの向こうに岩木山が望めるポイントが有り疲れも吹き飛ぶ。
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そしてそこから少しの所が柴倉ヶ岳である。この名前は地形図にも記載はないし、三角点・標高点が有るわけでもないし、山頂表記が有るわけでもないが、白神山地のガイドなどにはこう記載されているのである。そしてここを通過して少し下った所にブナのファザーツリーがあった。津軽峠近くにある樹齢400年と言われるマザーツリーに対してこちらはファザーツリーと呼ばれているらしい。
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ここから高倉森へはあとわずかである。現在まだ一般的には通行できないとされている山だけに誰一人出あわないが、熊にボコボコにされた道標だけが非常に気になって何か落ち着かない。
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そしてひっそりとした場所に高倉森のピークが有った。
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ここはハエが多く急登でたっぷり掻いた加齢臭を含む汗に纏わりついてくる。まったくゆっくりも出来ずに、そのまま通過してマザーツリーを目指して津軽峠まで下る。津軽峠側は標高差200m足らずのなだらかな下りのはずで、往復2時間程度の計算だ。しかしこちら側は未だ残雪がある。800m程の標高でも残雪があるのは流石豪雪地帯である。
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しかし20分程下ってきた所で、雪による倒木がひどくなりこの先の状況が不安になり今日の所はマザーツリーは諦めて引き返すことにした。何となく不気味で熊に出会いそうな気がして怖かったのも事実である。
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高倉森まで登り返して歩いて行く。下りでは左側に展望が移るが、白神山地の秋田県側から登山口がある二つ森が見えた。
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纏わりつくハエが五月蠅くてまだ昼食もとっていない。ファザーツリーの所まで来るとハエが少なくなったので巨木の根っこに腰掛けて昼食休憩を摂る事にした。(この山にはベンチの類も一切なく、休憩する場所は殆どない)手作りのおにぎり2個を頬張って簡単な昼食とした。
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わずかな休憩時間で下りにかかる。柴倉ヶ岳からの展望で岩木山の左側に見えているのが高倉森である。
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登りではキツイだけだったが、下りは転がり落ちる様な感じで慎重に下る。
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急な下りだと周りの木々が目の高さになり、ここでもみじの花(プロペラ)を発見する。もみじの花を見るのは初めてである。
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何とか急なやせ尾根を無事下って、ミズナラの巨木まで戻ってきた。
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そしてあと少しの道標が出てきたら最後の急な下りである。ここが気を抜くと危ない所で、掴まる所もなく非常に不安定で慎重に降りて行き無事下山完了。

最後に途中で見た花。
ツクバネウツギ
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ツクバネソウ
チゴユリ
マイズルソウ
タニギキョウ
サワハコベ
ユキザサ
オニコバノガマズミ
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by hawks-oh-muku | 2015-06-10 19:22 | みちのくの山 | Comments(0)
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