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列車で行く富嶽十二景7番「百蔵山」

2013年1月19日(土) 百蔵山 JR猿橋駅8:00→名勝猿橋8:18(散策)→諏訪春日神社8:38→(道迷い)→百蔵山登山口9:51→富士山展望ポイント10:28(小休憩)→稜線分岐10:55→百蔵山頂11:14(昼食休憩)11:48→稜線分岐11:58→三角点(800.1m)12:22→金毘羅宮12:38→福泉寺13:16→岩殿山登山口13:37→大月駅13:58
累積標高差+835m-765m(時計の高度計による記録)

この週は、月曜日の成人の日に思わぬ降雪があり関東地方一帯を混乱に陥れた。
この日は朝から雨脚が強く、足元を濡らせながらの出勤となったが、10時半頃に雨からボタ雪に変わったと思ったら、
ものの1時間足らずで真っ白な銀世界となり、その後も深々と降り続きその後の状態はニュースで報道された通りである。
困ったのは翌日である。前日の帰りに革靴で往生したので、まさかのゴアテックスのトレッキングシューズでの出勤となった。
どのような状態だったかと言うと駅に向かう通勤路は見事なアイスバーン!
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大通りに出て青信号を渡るのもゆっくり慎重に歩かねばならず、横断歩道はこんな感じである。山歩きをしていてこの路面状態なら躊躇無くアイゼンをするだろう。
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※この雪は1週間たった今現在でも日陰には残っている程なのである。

都心部でもこの状態であるのだから、私の得意とする(技量に合わせたとも言う)低山でもたっぷりと雪山気分が味わえるはずである。
こう考えると休みの日が待ち遠しく、天気予報を何度も確認するが土曜日は絶好の山歩き日和となりそうであり、あとはどこへ行くかである。
冷静に考えるまでも無く、この状況で登山口まで車で無事に辿り着けるかと言うと、ノーマルタイヤではまずは不可能であろう。
そうなると列車で行く大月秀麗富嶽十二景シリーズしかあるまい(いつからシリーズになったのか・・・?)。
と言う訳で今回はJR猿橋駅から歩く百蔵山(ももくらさん)を歩く事にする。百蔵山と隣の扇山を縦走される事が多いようだが、色々考えた結果今回は逆に大月駅の方へ周回する事にした。

朝は5:34にいつもの通勤電車に乗り込む。土曜日のこの時間なので電車は空いていて余裕で座れて中央線直通で中野駅まで出て、ここで中央特快高尾行きに乗り換える。
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線路に雪が残っているのがお判りいただけるだろうか?
更に終点の高尾駅で7:11発大月行き普通列車に乗り換えて進んで行くと景色は長閑な風景へと変わっていく。
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大月駅の一つ手前の猿橋駅に7:45に降り立ち電車を見送る。
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駅のホームにも百蔵山・扇山登山下車駅の案内が出ていて、その奥に目指す百蔵山が見えている。見た目には雪は余り無いようだ。
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駅のトイレを拝借し身軽になったあと、準備運動をしたりして8時丁度に猿橋駅をスタートする。前回の初狩駅とは大違いの大きな立派な駅舎であった。
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今日の天気予報では大月市の最低気温はマイナス5度!滅茶苦茶寒くて防寒具を着たまま歩き出すが顔が差す様に痛い。路面も一部凍結しているが歩道はガチガチである。
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百蔵山へはこのコンビニのところを左折するのが最短ルートであるが、折角なのでちょっと寄り道をして行く。
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歩いている甲州街道(国道20号線)から見えている左側が百蔵山で右側が扇山である。
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甲州街道をゆっくり歩いて18分で名勝猿橋に到着。奥に見えている山が百蔵山である。
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山口の錦帯橋などと並んで日本三奇橋と呼ばれる猿橋を探索する。
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本当に不思議な構造である。
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真横にはバスも通るアーチ橋がありこの猿橋は観光用に残されているのみで日常的な役目は御免になっている様だ。
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反対側にも赤いアーチ橋と水路橋もあり僅かな距離に橋が4つも架かっている事になる。
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さて観光寄り道も終わり、本来の目的地を目指す事にする。猿橋を渡って進んで行く、このエリアの山と高原地図は「27」高尾・陣馬と「24」大菩薩嶺に跨っており、
猿橋から百蔵山のルートは「27」高尾・陣馬に収録されており、高尾山は別の地図を持っており「27」高尾・陣馬の地図は持っていないのである。
従って今日は地形図頼みであり地図を確認しながら進んで行くと分岐にはちゃんと案内が出ていて助かった。
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やがて中央道の脇にある諏訪春日神社,出世大神宮という何ともサラリーマンには有難い名前の赤鳥居を潜って階段を進む。
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神社に参拝後中央道の下を潜る。
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このトンネルを潜ったら道路にぶち当たるのだが、そこから道は無く地形図を確認しながら左に曲がって少し道路を歩くと階段の道が出てきたのでこれに間違いはなさそうだ。
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この先は雪が出てきそうなのでこの階段に腰掛けて靴紐をキツク締めて、スパッツも装着する。そして漸く身体も温まってきたのでアウターとフリースのベストも脱いで、いつもの薄着で十分である。
スパッツの取り付けは正解でやっぱり雪道となりザクザクと踏みしめて進む。踏み跡もあり安心して進んでいくが、途中で左に曲がっていく踏み跡と真っ直ぐ進む道があり、
地図を確認するもののよく分からず、一旦左に進むがどうも違うようで引き返して真っ直ぐの道に進んだのが大間違い。あとで気づいたが左が正解であった。
真っ直ぐに進んで植林の中を歩いていくと目の前に壁が立ちふさがり間違いに気付く。
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右に曲がって登れそうな場所を探す。出てきたのはこんな場所で、何度か太腿まで踏み抜きながら進む。
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何とか這い上がったのはこの場所で、とんでもない所を歩いてしまったようだ。
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後でGPSログを確認すると市民グランド下の辺りでルートからズレているのがはっきりと判った。
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結局大きな寄り道をしてしまいここから左に曲がって市民グランドまで出て右に曲がって舗装路を歩いて登山口に向かう。坂道を登って行き振り返ると富士山の頭がチラリと姿を現す。
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住宅地の所で分岐になり案内にしたがって左に入る。
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富士山が気になって何度か振り返りながら歩いていくと次第に姿が大きくなってくるが、自販機とのコントラストが何ともアンマッチで・・・
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その先も分岐の度に親切な案内がありもう迷う事はない。
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まだまだ登山口には着かないが、結構な坂道を登ってきたので富士山はもうこの通り!
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民宿の看板が出てくるが、駐車場有りと書いてあるのかと思うと「卓球場有り」と書いてありました。
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ようやく登山口にある山ノ神に着いて見ると登山道には結構積雪しているので横のベンチでアイゼンを装着し登っていく。少し登った所に登山ポストが設置してある。
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最初は植林の中をジグザグに登って行き30分ほどで植林が切れて明るくなる。
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そして程なく富士山の展望ポイントに到着。ここで富士山を眺めて小休憩とした。
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そこからは冬枯れの明るい登山道となり稜線が近いようだ。
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振り返って松の木の額縁に富士山を入れて・・・・。
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そして10:55にようやく稜線分岐に到着。百蔵山は右で帰りは左に行く予定。
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稜線の雪は結構深いが柔らかい雪質で歩き易かった。
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広くて明るい山頂は11:13に到着。
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富士山はもちろんバーンと見えているが、丹沢の山並みもクッキリと見渡せた。
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富士山が目の前に見える丸太で作った簡易ベンチの乾いたところを見つけてここで昼食にする。目の前にはもちろんこの景色である。最高の眺めです。
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ここで30分ばかり贅沢なランチタイムを過ごして下山にかかる。フカフカの雪の中をサクサクと下って10分で稜線分岐に到着。このまま真っ直ぐに進むのだが先行者の踏み跡は少なく少々不安である。
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先行者の足跡は下りに一人分と登りに一人分の合わせて二人分しか着いていない。地図上の標高点907mはすぐにあり、大間山とマジックで書いてある。
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そこから先は本当に雪が深く、先行者の足跡がなければルートファイディングにかなり苦労したと思う。
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所々にあるピンクのテープが本当に助かる。
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そして地図上の三角点800.1mを12:22に通過。名前は無い。
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地形図ではこの尾根をもう少し真っ直ぐ進むはずであるが指導標と踏み跡はすぐに左を差している。
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これは地形図には登山道として記載されていない隣の尾根であるが、踏み跡もあるのでこちらを進む。この尾根は南向きで日当たりがいいので所々雪が消えていてちょっと歩き難い。
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急な下りをこなして山ノ神に12:35に到着。
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さて今日も足元は10本爪の軽アイゼンであるが、やはり足裏全面に爪があると安心感が違い急な下りでも不安は無かった。しかしこれでも分類は軽アイゼンで本格的な雪山では使用できない。中途半端と言えば中途半端であるが、低山歩き専門家としてはこれぐらいがいいのかも?と思って2年前に購入した。
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更に少し下ったところに金毘羅宮があった。
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ここには小さい釣鐘もあり、何かの時には突くのであろう。
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しかしここから先の登山道は倒木が酷くかなり難儀した。
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ようやく倒木ゾーンを抜け出して麓が見えてきた。
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しかし余り人が通っていないルートなので最後まで気は抜けない。
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13:04に何とか登山道を抜け出して林道に出る。
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福泉寺まで降りてくると岩殿山が大きく見えてきた。
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今日はもう一つここにも登る予定だったが、結構疲れてしまったのでそのまま横目で見て大月駅まで歩く事にした。
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そうなると大月駅14:04の特急かいじに乗って帰りたい。何とか間に合わせようと急ぎ足で歩くが、上り坂が結構堪えるのと、足元がバリバリに凍っていて微妙な感じである。
それでも何とか13:58に大月駅に到着し、新宿までの特急券900円を購入。そして売店で缶ビールを買い間もなくやって来た特急に乗り込む。
900円の贅沢であるが、首都高の料金と同じであるし、なにより登山靴を脱いで寛ぐ事ができるのは特急列車ならではである。そしてビールをプッシュといけるのだから・・・・。
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by hawks-oh-muku | 2013-01-22 22:45 | 山梨の山 | Comments(0)
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