2011年1月17日(月)六甲山 自宅8:04→赤鳥居8:34→魚屋道登山口8:52→風吹岩10:01→雨ヶ峠10:44→一軒茶屋11:53→六甲最高峰12:08(昼食休憩)12:46→極楽茶屋跡13:22→百間滝分岐13:43→百間滝13:53→似位滝14:00→白石滝14:18→七曲滝分岐14:33→七曲滝14:41→ロープウェイ有馬温泉駅15:30→有馬温泉「金の湯」15:39
累積標高差+1210m-795m 今日は久し振りに六甲山を歩いてきた。09年3月に福岡より近畿に戻ってきて神戸に住む事になり、最初に登ったのが六甲山である。それと言うのも単身先の住まいから歩いて登れてしまう一番身近な山なのである。しかしながら途中から毎週奈良の自宅に帰るようになり必然的に金剛山に登る事が多くなり最近はとんとご無沙汰である。特に冬シーズンは金剛山や高見山・三峰山の霧氷に忙しく冬シーズンの六甲山は未体験なのである。六甲山は標高931mと高い山ではないが、海側の表六甲と有馬側の裏六甲で大きく気候が変化し裏六甲の方では日が当たらない事と風向きの加減で霧氷も見られる。特に有名なのは有馬四十八滝の氷瀑で、有馬側は一日中日陰になる為、大寒波による氷点下の気温が続くと見事な氷瀑が見られるのである。先週半ばには氷瀑のニュースも流れた上、週末の大寒波で見事に凍った滝が見られるだろうと思っていた。幸か不幸か日曜日の夜は雪と道路凍結の恐れもあり、自宅に帰らないと言う大義名分まで出来たので久し振りの六甲山歩きが楽しめたと言う訳である。(休みの度に奈良の自宅に帰る事が習慣化しており、帰らない為には何らかの理由がないと変に勘繰られても困るのである。やましい事は何一つ無いのだが・・・笑) 今日のルートはどうしようかと考えたが、最大の目的は有馬の氷瀑なので六甲最高峰まではあまり寄り道はしないルートで尚且つ自宅から歩いて行けるルートを考える。自宅から歩いて行けるルートとなると岡本から保久良神社を経由し金鳥山・風吹岩から最高峰に到るメジャールートか、同じく岡本から八幡谷を登り打越山経由のルートになる。いずれも途中から魚屋道(トトヤミチ)と合流するのであるが、この伝統ある魚屋道を最初から歩いた事がなかった。そこで今日は魚屋道を歩いて最高峰を目指す事にした。 朝から炊き立てのご飯でおにぎりを3つ握って、その他もろもろ準備を整えて青木の自宅を8:04に出発。今日はここから時計の高度計レコードを開始する。標高はマイナス5mを表示するがこれは誤差として青木は海の近くなので実際ほぼ海抜0mからの山歩きとなる。まずは国道2号線まで歩く。マンションの間隙から六甲山が覗いている。山頂付近は雲が掛かっているが、白くなっているのが分かる。マンションのすぐ右側後方に見えているのが六甲山頂付近である。手前の山裾は前衛峰の打越山の裾野である。(六甲山頂とはロープウェイ六甲山上駅付近で、最高峰とは別物である) 魚屋道は阪神深江駅を基点とするので2号線沿いを1駅分歩く事になる。そして稲荷神社の赤鳥居の所を山側に歩いて行く。 JR神戸線・阪急神戸線の高架を潜り歩いていくと稲荷神社がある。 素通りするのも勿体無いので今日の安全やその他諸々を祈願し詣でて行く事にした。 住宅街の中を歩くが、案内はちゃんと出ている。 六甲登山では登山口に辿り着ければ8割方成功と言われる位に住宅地の中に登山口があるので迷いやすいが、案内表示を見落とさず地図を良く確認すれば大丈夫である。しかし今日は時間帯も通勤通学時間と重なり登山姿で歩いていると気恥ずかしい感じであった。特にこの道は甲南女子大学の前を通るのでちょっと恥ずかしい。 漸く登山口に到着するが、その上にも住宅は並んでいる。途中買い物もしたがここまで自宅から歩いて丁度50分掛かった。 登って行くと堰堤に突き当たる。六甲山は大雨が降ると水害が起き易い地形で普段水の流れのない谷でも大きな堰堤がいくつも作られている。 堰堤を越えても又すぐに堰堤である。 2つ堰堤を越えると尾根道と谷道の分岐があるが、今日は魚屋道を忠実に辿るため谷道を選ぶ。 水の流れは全く無いが、土石流を警戒するワイヤーが張られている。ワイヤーが切れるとサイレンが鳴り響く仕組みだ。これは六甲のあちらこちらで見られる。ロックガーデンの地獄谷ルートでは取り付きにこれが張られている為、一瞬立ち入るのを躊躇ってしまう場所である。 登山道にはパウダーの様な雪が薄っすらと残っている程度で気持ちよく登れる。 今日の天気予報では曇りとなっていたが、抜けるような青空が広がっており気分も高揚する。 登山口よりゆっくり登って約30分で蛙岩に到着。 蛙岩から5分ほどで尾根道と合流する。 六甲山は金剛山同様に枝道が多いが、殆どに案内表示があり迷う事はない。しかし案内表示の無い分岐が出てくる。ここは多分右だろうと右に進む。 少し進んだら木の所に私製の案内が付いていて右で正しかった事を確認。 右側に木の間からロックガーデンの名所である万物相が見えている。 ズームするとこんな感じである。 少し歩いた所でベンチが在ったのでここで一服する。思えばかなり遠回りをして来たので自宅出発から既に1時間40分歩いてきており10分程の小休憩とした。本来風吹岩が休憩ポイントであるが、風が吹くと寒いだろうしヤンチャな猪にも遭遇したくないのでここが丁度良かったのである。 岡本・保久良・金鳥山からの道と合流し、風吹岩を目指す。まだ標高500mにも満たないが日陰には結構雪が積もっていた。 風吹岩には10:01に到着。遠回りをしたので自宅から約2時間掛かっている。(この写真の右下に写っている若者2名とはこの先何度と無く遭遇し、下山後の金の湯まで一緒だった。中々の好青年2名であった) 風吹岩から芦屋カンツリークラブまでは下りになるが、普段でも滑りやすい地質に積雪しており慎重に下る。 ゴルフ場(芦屋カンツリー)を横切るが、イノシシ除けの扉があるので開閉して進む。 ゴルフ場を過ぎると唯一の水場があるが、冬季は凍結し水は出ないので要注意。 ここから雨ヶ峠までの登りがいつもキツク感じる所である。 雨ヶ峠には10:44到着。ここでも小休憩を摂っていると風吹岩で休憩していた青年2人もやってきて少し会話をする。一人は尼崎でもう一人は大阪から来たらしい。有馬温泉へ行くと言っていたが、氷瀑の事は知らない様子で教えてあげると計画を変更し行って見ると話していた。 雨ヶ峠から本庄橋跡までは下りになるが、日陰になる北面はやはり積雪量も多く滑らないように慎重に下っていく。 普段何の心配も無い渡渉ポイントだが、飛び石の上に積雪しており慎重さが要求された。 もう一箇所の渡渉ポイントは陽が当たり何の問題も無く通過。 本庄橋跡を過ぎると広い場所に出るが、何気なく真っ直ぐに進むと土樋割峠の方に進んでしまうので少しだけ注意が必要。やや左側に進むと案内が出ている。 七曲の道に取り付く手前でまたまた緊張する積雪した渡渉。 ここから一軒茶屋までの七曲は結構な急登で標高差300m程を一気に登る。 左側に西おたふく山の鉄塔が見える。霧氷が着いて白くなっているのが分かり疲れた足取りも少し軽くなる。 日陰ではアイスバーンの上に積雪しており滑りやすいが登りなのでアイゼンは着けずに進む。 標高800mを超えると霧氷が着き出した。松の木の霧氷も六甲山ならではの光景だ。 この先霧氷が綺麗で中々進まない。 一軒茶屋には11:53に到着。かなりの積雪だ。 最高峰へのコンクリート道。如何にも滑りそうなのでトイレ上の東屋でアイゼンを装着した。 少し雲が出てきたが、見通しも良く金剛山も薄っすらだが見えていた。いつも金剛山から六甲山を眺める事が多いが今日は反対に金剛山を眺めている。 ススキにも小さい霧氷が着いていた。鉄塔が立ち並ぶのが六甲山頂と呼ばれる場所。北側の霧氷が綺麗である。 六甲山最高峰に12:08到着。自宅から4時間の道のりだった。 雪に埋もれた一等三角点 少し降りた場所にある東屋で昼食を摂る。今日は肉うどんと手造りおにぎりである。 40分程の大休憩を摂っていよいよお楽しみの氷瀑巡りである。最短ルートは多分白石谷を下るルートだと思うが、ここは熟練者向けとなっており特に下りは分かり難いとの事で、積雪・凍結を考えると危険である。当初は魚屋道を下って射場山から炭屋道で紅葉谷取り付きに下りて再度登り返しを考えていたが、昼食を摂っている時に紅葉谷から氷瀑巡りをして登って来られたグループから、道中の霧氷が綺麗だったとの話を聞いて紅葉谷から下る事にした。食事を摂った東屋のすぐ下から六甲全山縦走路を通って紅葉谷分岐である極楽茶屋跡を目指す。 縦走路を下っていくと北側斜面の霧氷が綺麗である。 積雪も多くちょっとした霧氷のトンネルを潜って進む。 振り返ると最高峰北面の霧氷が綺麗だ。 六甲全山縦走路を何度も道路が横切る。まず1回目。 そして2回目。道路を歩いた方が絶対に楽なのだが趣は全然違うので忠実に縦走路を歩く。 3回目の横断。 道路を渡ると西おたふく山の手前に出る。可愛い雪だるまが作られていた。 すぐ横に道路が走っているが、縦走路は別世界の様相である。 4回目の横断。現実に引き戻される感があるがこれが六甲山である。 再び別世界に入る。道路から少し入るだけでこうなっているのを知っているのは登山者だけの特権か? 水墨画の世界であるが、すぐ下のほうには住宅街も見えるのが六甲である。 5回目の道路で一気に興ざめである。(道路は平坦に作ってあるが、縦走路はかなりアップダウンがあり疲労が蓄積される。) ここからは道路に沿って縦走路を歩く。 最高峰から25分程で極楽茶屋跡の紅葉谷分岐に到着。ここから紅葉谷に入っていく。 ここにあった案内図。 軽装で安易に入って行かない様に神戸市からの注意書き。六甲は遭難救助が非常に多いのである。消防からレスキューに出るのも全部税金ですから・・・とまでは書いていないが、本音はそう言うことかもしれない。 さすがに有馬側は日が当たらない上、積雪も多いので海側から登って来た時と様相がまるで違う。完全に雪山である。 紅葉谷と言っても金剛山のそれとは趣が違い、谷らしいといえばここ位で、下流のほうは大きな堰堤だらけになる。 極楽茶屋跡から20分程で百間滝・似位滝分岐に到着。(公式の案内が出ているが難路あり通行注意とも書いてある。) ここを右に入っていくと、細い道でトラバースは結構怖い道である。ロープなどの設置は無く、転落したらタダでは済まない斜面である。 トラバースを過ぎても急な下りがあり百間滝の上部に出る。そのまま少し下ると右側に百間滝が姿を現す。例の好青年2人が先着していて休憩していた。 金剛山二の滝の倍以上のスケールと迫力を感じる見事な氷瀑である。凍りついた滝の下を水は流れている。 続いて少し戻った所から似位滝へ向かう。案内板が出ているので判り易い。 こちらは上の方が融けていてちょっと不完全な氷瀑である。2段になった感じは金剛山の腰折滝の様な感じである。 下部は見事に凍っている。 そこからは白石谷へ向かうバリエーションルートを取る。 下りに使うと結構怖い場所もありゴルジュの通過部分にはお助けロープがあり助かる。 続いて大きなゴルジュがあるが、ここはヘツル為のお助けロープが設置してある。 白石谷分岐に到着。白石滝は全く凍結していない。 大きな堰堤を越えて下っていく。 沢沿いを少し歩いて紅葉谷に合流しここから再び登り返しである。と言っても10分も掛からずに七曲滝分岐に到着する。 ここから少し入った所で分岐があり先行者が戻って来た。トラバースが凍り付いていて危険だから巻き道を行くとの事である。怖いもの見たさで行って見たい気もするが、安全策で巻き道を通るがここも結構難路である。登って下って谷に下りるとシャンデリアの様だと形容される七曲滝が出てくる。実際は高低差もありかなりの迫力である。 これで今日は充分満足である。あとはサッサと下って有馬温泉に直行するのみである。帰りは怖いもの見たさで先程巻いた道を通って見る。左側は落差のある谷で右側は湧き水が凍結し足元もガチガチである。ロープが設置してあった形跡があるのだが、何らかの意図を持って撤去されたのかロープも無く岩場に手を掛けて慎重にトラバースするがかなり危険である。 通過して振り返るとこんな感じだ。 紅葉谷に戻ってからはグングン下って雪が無くなった所でアイゼンを外す。大きな堰堤の上の水も凍りついていた。 15:30ロープウェイの有馬温泉駅に到着。 温泉街の雰囲気を味わいながら15:39金の湯に到着。本日の山歩きはここで終了、時計の高度計レコードを止める。累積標高差、登りは1230mもあった。大普賢岳周回ルートの累積標高差は1100mなので海抜0mからはやはり登り応えがある。 有馬温泉は最近中国人観光客が多いと聞いていたが、金の湯も中国人観光客が大勢押し寄せていてゆっくり出来なかった。しかし中国人の富裕層は流行のファッションに身を包んでいるので話し声を聞かないと日本人と見分けがつかない。 神鉄有馬温泉駅に行く途中にあるお洒落な立ち飲み屋さん。車では決して飲めないが今日は気兼ねなく立ち寄れる。 キリンビール工場直送の大きなタンクから注がれた生ビール。不味い訳が無い! ビール1杯とスジこんにゃくでサッと切り上げて駅に着くとすぐに電車の時間で慌てて乗り込んで帰路に着いた。 1駅で有馬口の乗り換えになるがそこから先は新開地まで熟睡であった。新開地から阪神電車に乗り換えて青木自宅に着いたのは18時半頃。今日は一日良く遊んだなぁと言うのが実感である。
by hawks-oh-muku
| 2011-01-17 22:22
| 六甲山
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Comments(8)
青空ですねー。前回の高見山といい、これは運というより緻密な計算でしょうね。青空と霧氷も羨ましいですが、見事な氷瀑を堪能させて頂きました。百間滝は周りの岩との雰囲気もいいし、七曲滝はほんとにシャンデリアを見るような素晴らしいスケールですね。でもトラバース道の写真を見て足が竦みました。
一番いいなーと思ったのは、肉うどんと生ビール...(笑)
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hawks-oh-muku at 2011-01-19 22:15
産六様こんばんは。
いや~お天気だけは天任せの運だけです。今年は休みの4日間全てが山歩きに充てられて幸運が続いています。 これが負のスパイラルに陥ると休みの度に雨になり悶々としてしまいます。 今年はこの晴れ記録がいつまで続くチャレンジして見ます。(笑) 日帰りの山歩きでビールを飲んだのは初めてです。今まで六甲山の帰りでも飲んだ事は無かったのですが、この日は素晴らしい景色を堪能し気分が高揚していたのかも知れません。 余りの美味に癖になりそうです。
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肉まん
at 2011-01-20 06:44
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金剛山、高見山、六甲山とまとめて拝見しました。
金剛山は2度目でした。 もうその美しさに感動して、すぐにコメントを書くつもりが、今頃になってしまいました。 家から毎日遠くに見える三角の美しい姿の高見山の霧氷の素晴らしさに、ますますこの山が好きになりました。 金剛山の冬ならではの木々の美しさに感動の連続でした。 登った人にのみ与えられる冬山の美しさを追体験させていただく、贅沢な時間を頂くことができました。 六甲山の滝も綺麗ですね。 hawksさんのブログのお陰で、私にとっては未踏の世界に足を踏み入れさせていただけてとてもありがたいです。 年明けから素敵な山歩きができましたね。
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yas94086
at 2011-01-20 21:18
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昨年末から、青空には恵まれませんでしたが、高見山→三峰山→高見山と霧氷・樹氷を堪能出来ました。次は明神平に行きたいのですが、私にはハードルが高そうです。その第一ハードルが車です...
そこで次は氷瀑と思っていたところに...素晴らしいですね。 もう、行くしかないですよね。しばらくは時間が取れませんが、「もっと寒くなれ!」と祈る日々です。
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hawks-oh-muku at 2011-01-22 05:52
肉まんさん、おはようございます。
自宅から歩いたので結構長時間の歩きになりました。 公共交通機関を使っての山歩きは車とは違うルート選択肢が取れるところが魅力ですね。 福岡のときは、難所ヶ滝~大宰府でバス+電車を使っていました。
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hawks-oh-muku at 2011-01-22 05:55
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hawks-oh-muku at 2011-01-22 06:01
yas94086様おはようございます。
明神平は私も行きたいと思いながらまだ行った事がありません。 今年は大又林道が大雪による倒木の影響で通行止めになっている様で、とても行ける状況ではないみたいですね。 有馬四十八滝の氷瀑巡りは2月上旬くらいまでチャンスがあると思います。私が行った時の状況で8割位の出来だそうです。 今年は厳冬なので見事な氷瀑が見られるといいですね。
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