3/29(月) 大和葛城山 水越川公共駐車場9:51(自転車移動)→祈りの滝10:08→九品寺10:25→櫛羅交差点10:34(ここから自転車を押して実質山歩きスタート)→ロープウェイ前11:04→新登山口(北尾根ルート)11:10→ダイトレ経由山頂・自然研究路経由山頂分岐11:59→自然研究路出合12:06→ロープウェイ道出合12:36→山頂12:44→ツツジ園12:56→白樺食堂裏ベンチ13:04(昼食休憩)→天狗谷→水場14:17→水越トンネル跨道橋14:45→水越川公共駐車場14:55→ロープウェイ前自転車回収15:24
累計標高差+950m-630m(自転車移動は含まず櫛羅交差点から計測) 大和葛城山の深谷道(くじらの滝ルート)は昨年10月の台風18号により壊滅的な打撃を受けて通行止めが続いている。大和葛城山はロープウェイで手軽に登れる事もあり山ツツジの咲く5月上旬はもの凄い人出となる。ロープウェイは何時間待ちの行列が出来、駐車場も臨時を含めて満車になり山麓線の櫛羅交差点には臨時の警備員が立つほどの賑わいである。ロープウェイの混雑を避けての俄か登山者も含めてくじらの滝ルート(深谷道)も人で溢れ返る。その人気の登山ルートが通行止めではツツジ祭りの頃は大変な状況になる事は容易に想像がつき心配していた。(水越側からのルートは周辺の駐車スペースがほんの僅かでとても代替にはなり得ない)カタクリの季節も近づき気になって御所市のHPを覗いて見たら、3/27に代替の新ルート開通式の案内が出ていた。(御所市HP:御所市観光課の方の熱意の伝わってくるいい内容であり、コースの詳細も記載されている。台風翌日に倒木処理の軽い気持ちでチェーンソーひとつ持って山に入ると想像を絶する崩落に遭難しかけた話などは当時の事が良く分かるエピソードであり、御所市観光課の方々の苦労も良く分かった。)良く見てみると北尾根コース(秋津洲展望コース)と名付けられたコースは以前にもくじらの滝ルートが崩落した時に新登山道として使われていたルートを再整備したものだ。しかしこのルートは廃道化しており整備には時間とかなりの労力を要した様だ。実は昨年の台風18号が通過した翌日の10/9にダイトレから天狗谷への周回ルートで登っている。その時は通行止めと言ってもすぐに再開すると思っていたが、その後被害は甚大で現ルートは復旧不能と聞き、つつじ祭りまでには代替ルートが必要で廃道化しているこのルートを再整備すれば良いのにと考えていた。(その事は当ブログ11/2にも記している。)なのでこの案内を見た時には何か自分の考えていた事が実現したような嬉しさを覚えて逸早く新ルートを歩いてみたいと思ったのである。(実際は誰でも考え付く事なのだろうが予想が当たって嬉しいのである)しかしこのルートを歩く為には1,000円という法外な駐車料金(ちょっと言いすぎか・・)を払って駐車しなければならない。1,000円あれば大好きなかもきみの湯に2回も行けるではないか!そもそも平日しか登らない私にとって平日はいつも数台しか利用していないあの駐車場に1,000円を払うというのがどうも納得がいかないのである。そこで一計を案じ、福岡の山でたまに使っていた自転車を活用する方法を思いついた。車を利用して登山を計画する場合、同じルートをピストンするか、周回コースをとるかは別として始点と終点は必ず同じになる様にしなければならない。複数のグループの場合は下山口に別の車をデポしておく方法や、別々の登山口から登って山頂で車の鍵を交換する交差登山と言った方法があるが、私の様に単独の場合は無理である。ある一定の条件付では有るがこれを解決できる方法として車に自転車を積み込んで自転車を利用して登山口まで移動する方法がある。一定の条件とは、高低差を利用して楽に移動出来るルート限定という事である。(車に積めるサイズの自転車と言うのが前提であるが)自転車は手段であって目的ではないので自転車移動で体力を消耗してしまい登山中に足が攣ったら洒落にもならない。従って移動する区間の道路状況などが良く分かっていないと痛い目に遭う。福岡の脊振山脈で良く自転車移動を使って縦走ルートを計画したが、椎原登山口から金山までの縦走をした時に、金山花乱の滝から椎原まで前半は高低差を利用して楽勝だったが、後半は厳しい登りと長い距離で1時間を要して体力を消耗してしまった事があった。では今回の計画であるが、水越川公共駐車場に車を停めて、自転車で水越峠を一気に下って山麓線に出て櫛羅まで移動する計画である。水越トンネルは怖いので旧道を走る。駐車場から水越峠までの登りはキツイがあとは下るのみである。山麓線も一言さんから九品寺まで登りはあるが十分乗り切れる勾配である。水越峠に路駐すれば一番楽であるが、路駐も心配だし下山には天狗谷を使いたかったので水越川公共駐車場を起点とした。さてもう一つの問題は今日の冬型の気圧配置であるが、自転車移動の間はウィンドブレーカー等を着て防寒対策をすれば大丈夫だろうと香芝の自宅を9時前に出発した。水越川公共駐車場に到着し準備を整えて9:51に自転車のペダルを踏み出した。 まずバスの方向転換地までの登りで既に息が荒くなる。ここの駐車場に停めれば良かったと後悔するが時既に遅しである。そこから少し押して歩いて水越峠に到着である。 ここからは下りなのでペダルを漕ぐ必要は無い。逆に怖いくらいスピードが出るのでブレーキは掛けっぱなしである。日陰の路肩には雪が残っており慎重に下りる。 祈りの滝に少し寄り道する。4台ほど車が止まっていて大きなポリタンクを幾つも持って水を汲んでいる。順番待ちの行列まで出来ていて驚いた。私が知らないだけで有名なのか? 蕾の膨らんだ桜越しに金剛山を望む。山頂部は白くなっている。 ヘアピンカーブをクリアしながら国道に合流し、山麓線名柄交差点まで一気に下った。ここまでは計画通りペダルを踏む事無く楽勝であった。山麓線は車の通行量も多くダンプなど大型車が来たら怖いが、丁度この時間帯は心配するほどの事は無かった。一言神社までの下りで勢いをつけて九品寺までの登りをクリアする。一応自転車は7段変則付きなので苦労はなく登れた。九品寺手前の畑の土手にスミレやタンポポが綺麗に咲いている。 自転車の魅力は車では見られない風景が見えると言う事と、すぐに停まって寄り道が出来る事が大きい。これからの季節、葛城の道をサイクリングするだけでも楽しいかも知れない。ふと九品寺を見ると桜が綺麗に咲いている。ここへも寄り道である。私は知らなかったが大きな枝垂桜が綺麗で有名なのか、三脚を持った写真愛好家が数名写真を撮影されていた。寄り道は大正解である。これも自転車のお陰かな。 段々畑の向こうに目指す葛城山が見えている。 櫛羅交差点手前の鴨山口神社の桜はいつも車で通るときに綺麗だと思っても停まる事が出来ないので通り抜けるだけだったが、自転車だとゆっくりと見る事が出来る。でもまだ三分咲き位かな。 櫛羅交差点から登山口まではずっと登りなので最初から押して歩く計画だった。後で回収に来るのでこの辺りに自転車を停めることが出来れば一番いいが迷惑を掛けずに停めておける場所は無いので、上まで押していく事にする。腕時計の高度計レコードセットは櫛羅の交差点から開始した。ここで高度150m位である。 ここから車道は右の方へ行くが直進する。ついでに身体が暖まったのでウィンドブレーカーも脱いで歩いていく。 流不動明の町石は全国で三番目に古いものだそうである。こんな場所にあることを初めて知った。 11:04にロープウェイ前に到着し自転車を繋いで出発する。新登山道が楽しみである。 石碑を過ぎたところに新登山口の案内があった。いきなりの急登でスタートである。 階段を登りきると尾根に取り付く。 ここからでも十分な展望が得られる。 登山道からロープウェイが常に見えていて新鮮な感じがする。 くじらの滝ルートの崩落した部分の一部が見えている。大きな地滑りの様だ。 ロープウェイからはハッキリと見えるだろう。 真新しい登山道脇にスミレが咲いている。 登山道の整備はまだ続いている様で、作業員の方が木製の階段に防腐剤を塗布している。感謝の言葉を掛けて急登を登って行く。 所々展望が開ける場所にベンチが設置されている。ファミリー登山を意識した整備の工夫が窺える。今日は残念ながら展望は良くないが、天気がよければ秋津洲展望コースの別名に相応しい展望だろう。 階段が終わっても急登は続く。やがてベンチが何基か設置された見晴らしの良い場所に出る。ここから山頂まで2.6kmの表示がある。 くじらの滝ルートからロープウェイの尾根を挟んで北側の谷も大きく崩落している。 道は相変わらず急登である。ずっとNTTの電柱があり少し興醒めであるが、落葉が堆積しフカフカで足には優しい道である。 漸く道は平坦になり紅葉の季節が楽しみな自然林を眺めながら歩くと、ダイトレ経由山頂と自然研究路経由山頂の分岐に到着する。カタクリの発芽具合を確かめたいので左の自然研究路経由の道を選択する。 道は一旦下りになり、木橋の所からは再度沢沿いの登りに変わる。 この辺りはヤマネコノメソウが沢山咲いていた。 自然研究路の一番低い部分にある橋に出合う。 一旦下ったのでここから山頂まで高度差200m程の登りになる。冬枯れの自然林を眺めながらゆっくりと登って行く、新緑の季節が待ち遠しい。 カタクリの葉は少しだけ出て来ていた。あと半月位で綺麗な花が咲くだろう。 30分程掛かってロープウェイ山上駅からの道に合流し山頂を目指す。 山頂には12:44に到着。展望は利かないが、その代わりに白くなった金剛山と霧氷が出迎えてくれた。 岩湧山・和泉方面は雪が降っているようで真っ白だ。 金剛山も同様である。真っ白とは行かないが葛城荘の唐松にも霧氷が着いている。 ツツジ園の様子を見に行くと、突然の降雪に襲われる。風も吹き横殴りの吹雪に変わる。最近は雨男いや雪男になっている様だ。3回連続の「山は天候が急変します」である。 堪らず白樺食堂に逃げ込もうとしたが、今日は休みのようで裏側の庇の下のベンチで昼食にする。寒いので簡単な昼食で済ます。下山は天狗谷を使う。目的はショウジョウバカマの咲き具合のチェックである。その前にキャンプ場から下った所の大好きな場所にあるカタクリの群生地の状況を見に行く。ここは一杯葉が出て来ていた。 登山道に戻り次はショウジョウバカマのチェックである。まだ殆ど咲いていないが、開き掛けの花と、蕾を僅かに見る事が出来た。(写真は暗くてピンボケです・・・) あとはどんどんと下って鎖場を過ぎた辺りで小さな白い花が固まって咲いているのを見つけた。スズシロソウかな?自信なし。 ツルカノコソウ。 その後は一気に青崩まで降りてきて遊歩道を歩いて駐車場に戻ってきた。 今日はまだ自転車の回収が残っている。かもきみの湯とは反対方向になるので温泉に行った後に回収しようかとも思ったが、自転車を見て下山が遅いといらぬ心配を掛けても申し訳ないので先に回収に向かい無事車に積み込んでかもきみの湯に向かった。 今日は、近畿では初めてのサイクル&トレッキングであったがこのルートは十分に楽しむ事ができた。カタクリの咲く頃にもう一度このルートを使う事にしよう。このルートを使うと全く無駄なくカタクリを堪能できる。それは①自然研究路を通過点で利用できる。②婿洗いの池にもそのまま進む事が出来るので、そこから別のカタクリの咲く場所へも行ける。③そのままツツジ園に抜けられる。④帰りにショウジョウバカマを見る事が出来る。これらの事は駐車料金1,000円の節約以上に素晴らしい事かもしれない。また楽しみがひとつ増えた充実の一日であった。
by hawks-oh-muku
| 2010-03-29 22:41
| 金剛・葛城山
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Comments(2)
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産六
at 2010-03-31 09:58
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北尾根コースは展望のよさに加えて否応なく自然研究路に入れるのがミソですね。新緑、紅葉も素晴らしいし、ここのツツジも見事だったと思います。遠望からでも深谷道の崩壊の凄まじさが伝わってきました。こんなに酷かったのですね。
このコースで自転車を活用されるとは! 途中の道草という楽しみも増えますね。折りたたみ自転車が欲しくなりました。月曜日は晴れ間が見えたり麓でも小雪が散らついたりと安定しない寒い1日でしたが、今季最後の(本当に?)雪と霧氷を楽しまれたようですね。 ツツジの頃は水越峠、ロープウェイ前ともに駐車に困りますので、葛城山麓公園を利用して深谷道(これからは北尾根)〜ダイトレ〜公園という一周コースも節約&渋滞知らず、です。 ショウジョウバカマ、カタクリ、ツツジ...と、これから(も)楽しみが続きますねぇ。
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hawks-oh-muku at 2010-03-31 23:04
産六様、こんばんは。
深谷道の崩落は遠くから見ても想像以上の酷さで、自然の驚異を改めて感じました。 山麓公園からの周回コースもありでしたね。全く思いつきませんでした。大和葛城山はまだまだ未踏のコースが一杯あります。 実は前々から暖めているある計画がありまして、ツツジの頃に実行に移したいと考えています。 六甲山は有馬温泉を最終目的地にコース設計をすれば、温泉でさっぱりと汗を流して帰る事が出来ます。(私はいつもこのパターンです)もし宜しければ神戸での車の駐車場所にはご相談に乗れると思いますので、その時は非公開コメントでお気軽にご連絡下さいませ。
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