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オオヤマレンゲの弥山・八経ヶ岳

7/13(月)
行者還トンネル西口8:23→奥駈道出合9:15→石休ノ宿跡9:37→弁天の森9:48→理源大師像10:26→弥山小屋11:13→オオヤマレンゲ群生地11:35→八経ヶ岳12:00→弥山小屋12:30(昼食)→弥山山頂13:07→ピストンで折り返し、行者還トンネル西口15:38
累計標高差+-1020m
地図
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「掲載した地図は、測量法第30条に基づく使用承認を得て、国土地理院発行の数値地図25000(地図画像)を使用したものの一部を転載したものである。」


梅雨の晴れ間のチャンスを活かしてオオヤマレンゲを観に大峯弥山・八経ヶ岳に行ってきました。今年の3月に九州より近畿に帰って来て是非登って見たいと思っていた近畿最高峰である。折角登るのであれば一番いい時期をと思っておりオオヤマレンゲの咲く7月上旬を狙っていた。日曜日の夜に奈良の香芝にある家に戻り嫁さんも一緒に登る計画だ。朝4時半に起きて準備をする。お昼には素麺を食べようと素麺を湯がき水に晒して冷やした後水をしっかりと切ってタッパに詰める。テルモスには氷たっぷりの水を詰める。しかし出発前に問題発生!地図を神戸の家から持って来るのを忘れてしまった。一応情報収集は万全にしてありコースも何度も頭に入れてはいるが初めての山でしかもロングコース、地図なしで入山するのは如何にも危険な行為である。神戸まで取りに帰ると往復で約2時間を要する、思案の後息子のパソコンで地形図のダウンロードを思いつく。早速国土地理院のウォッチ図のhpを開けて目的の弥山の地形図を取り出しエクセルに貼り付けてプリントアウトする。縮尺は出鱈目だがこれとコンパスがあれば何とかなるだろうと一安心したが結局家を出たのは6時を過ぎていた。バイパスを通って当麻・新庄・葛城と過ぎて左に入って169号線に入る。下市口から309号線に入って黒滝村道の駅でトイレ休憩を取った後、ミタライ渓谷を経由し行者還トンネル西口を目指す。ミタライ渓谷辺りから国道とは思えない狭い道をゆっくりと進みトンネル西口には8時過ぎに到着した。準備を整えて出発だ。嫁さんは今日に備えて購入した新品のメレルのシューズでの初歩きだ。8:23登山口を出発した。
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登山口の木の階段を登るといきなり小鳥が出迎えてくれる。近くに寄っても逃げずにさえずっているので写真を撮るが、前の枝にピントが合ってしまってピンボケしか撮れなかった。
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少し進むと木の橋が出てきた。これを渡ると急斜面の尾根が待っている。
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いよいよ急登の尾根に取り付く木の階段のある所はまだ良い。
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木の根っ子が剥き出しの急登が続く。
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この辺りは石楠花の木が非常に多く石楠花の季節は見応えがありそうだ。この急登は奥駈道出合まで約50分程続く。今日の一番の不安は嫁さんが最後まで持つかどうかだ。今まで金剛山や葛城山等には数回一緒に登っているが、標高差1000m以上で行動時間が7時間を超える山行は初めてだ。嫁さんの様子を窺いながら声を掛けて登る。今のところは調子良く登っており大丈夫のようだ。樹林帯の尾根道から明るくなって綺麗な緑が見えてきたもう少しで奥駈道出合だと声を掛けて登り9:15に出合に到着した。
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ここでザックを下ろして休憩する。単独の男性とご夫婦の登山者が休憩を摂られていた。挨拶を交わし少しお話をする。約10分程休憩後歩きやすい奥駈道を進む。展望が得られる場所があり
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更に進むと石休ノ宿跡に出た。(9:37)
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天気も心配したが、青空も広がって来た。
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やがて如何にも世界遺産に相応しい雰囲気の苔むした風景に変わる。
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この雰囲気の良い道を登っていく。出合で一緒だった単独登山者が先行する。
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この登りを終えた所で弁天の森に出る。ここはピークという感じはしないが、れっきとした三角点が設置されている。地形図の1600.1mの所だ。(9:48)
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この先で今から向かう弥山・八経ヶ岳が望めるが、山頂付近はガスに覆われている。
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一旦少し下ってアップダウンを繰り返す。ふと右を見るとショウキランを発見!カメラに収める。
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やがて理源大師像に到着。(10:26)
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ここから弥山まで急登が続く、嫁さんは少しテンションが下がって来たが頑張って元気に登っているので一安心。ジグザクに付けられた登山道を登る。
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バイケイソウの群生が見られる。奥駈道に入ってからバイケイソウは非常に多いがここがとりわけ綺麗だ。
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急登は続くが登山道から展望が広がる様になり気分は上々だ。つるアジサイ越しに大普賢岳を撮影。
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急登は木段に変わる。この木段は絶妙の間隔で歩き易く疲れない。
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木段を一歩一歩進むと一気に高度感が出てきて、大普賢岳が同じ高さ位に見える。
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その先に展望が広がる場所があり最後の休憩場所に最適だ。
大台ケ原方面
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大日山方面
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ここから鉄階段等も出てくる最後の急登だが、発電機のエンジン音が聞こえてきて弥山小屋に到着する。(11:13)登山開始から約3時間弱で予定通りである。
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ここのベンチでバナナを食べて休憩し、本日の最大の目的であるオオヤマレンゲ群生地へ進む。そしてその先には近畿最高峰の八経ヶ岳が待っている。奥駈道を進み鞍部へと下る、八経ヶ岳はガスの中だ。
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鞍部から登りに変わる、雰囲気の良い風景だ。オオヤマレンゲまであと少し。
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鹿の侵入を防ぐネットと扉のある天然記念物オオヤマレンゲ群生地に到着。
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扉を開けて前へ進むとすぐに気高いオオヤマレンゲの白い花が目に飛び込む。
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甘酸っぱい香りが辺りにたちこめる、1年ぶりのオオヤマレンゲである。天女花・森の貴婦人などと形容されるこの花は今や希少価値のある天然記念物である。昨年は九州福岡県の英彦山に探しに行って初めて見た。英彦山も修験道の山である。九州でもオオヤマレンゲは数少なく、霧島韓国岳の麓付近や、祖母山、くじゅう連山、そして英彦山位で見られる程度だ。今この書き込みをしていて気がついたが英彦山以外は全て日本百名山である。そしてこの大峯八経ヶ岳もそうである。何か相関関係でもあるのかと不思議な気がした。
この付近は、他にも綺麗な花が咲いていたが特にカラマツソウが綺麗だった。
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振り返るとガスが流れて弥山が姿を現した。
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オオヤマレンゲを堪能し八経ヶ岳へ向け最後の登りである。
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息を弾ませ一登りで近畿最高峰八経ヶ岳山頂に到着。時間は丁度12:00だ。
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残念ながらガスの中で展望は全くない。
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本来なら360度の展望が得られる筈であったが、天候には勝てない。ここで昼食にしてガスが晴れるのを待っても良いが、山頂は狭く邪魔になる事と、なにより閉口する程の大量のハエが飛び回っているので早々に辞する事にする。来た道を下って鞍部に出て振り返ると八経ヶ岳が姿を現した。
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しかし又すぐにガスに覆われて一瞬のことだった。弥山に登り返すとトウヒの立ち枯れが多い。
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弥山小屋に戻って来てベンチとテーブルを確保し昼食タイムだ。朝用意してきた素麺を出す。タッパの中にテルモスから氷水を入れて素麺をほぐして薬味と麺汁を別の小さなタッパを小皿代わりに入れて食べる。あとはコンビニで調達した助六寿司。助六と素麺は非常に合いとても美味しい。休憩後弥山山頂へ向かう。
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さあ後は来た道を引き返すだけである。登ってきた急登を下るが下る方が危険であるし膝にも負担が掛かる。ゆっくりと下りよう。理源大師像を過ぎた辺りで前のほうから「六根清浄~」と大きな声が聞こえてきた。行者さんの団体だ。
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さすが世界遺産の大峯奥駈道である。「こんにちは」に対して「ようお参り」の応えが。気が引き締まった気がしてここからも注意しながら下っていく。出合を過ぎていよいよ最後の急斜面の尾根道を下る。木の根っ子がむき出しだったり、ごろた石が多く歩きにくい。ここで嫁さんが一気にペースダウン。膝・足の付け根から足全体が痛いと言い出した。でも下るしかないので声を掛けながらゆっくりと下りる。長く感じた急尾根の下りで川の流れる音が聞こえて来て川までもうすぐである。この辺りもいい雰囲気だ。
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やっと朝渡った木橋に到着し程なく駐車地に15:38に戻ってきた。嫁さんはバテバテだが良く頑張った。帰りの車で走り出すと同時に熟睡である。帰りの温泉はワンパターンであるが御所のかもきみの湯に浸かって疲れを癒して、途中買い物をして自宅に戻ったのは20時前だった。今日はオオヤマレンゲを堪能し近畿最高峰にも登頂出来て大変充実した一日になった。
by hawks-oh-muku | 2009-07-13 23:01 | 台高・大峯 | Comments(0)
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