コマクサ天国の岩手山

2015年7月10日岩手山
焼走り登山口8:05→第2噴出口9:54→第1噴出口10:10→コマクサ群生地10:25→ツルハシ別れ11:26(昼食休憩)→平笠不動避難小屋12:47→岩手山頂13:51→平笠不動避難小屋14:28(2回目昼食休憩)→ツルハシ別れ15:23→第1噴出口15:52→第2噴出口16:02(休憩)→焼け走登山口17:14
累積標高差+-1468m

今日は、青森県に来て初めて県外の山に登って来た。岩手県はお隣の県で、盛岡には月に2度ほど会議で出張しているが新幹線で新青森から1時間程の距離である。しかし自宅から新青森までは車で約50分なので新幹線利用でも2時間弱の距離なのだが、調べてみると車でも高速利用で登山口まで2時間強だったので今回行くことにしたのだ。
よくよく考えてみると千葉に住んでいる時にはこれぐらいの距離を走らなければ山には行けなかったし、車中泊で2県3県を跨って出かけていたものである。しかもどこに行くにしても首都高を経由するのでもれなく渋滞に巻き込まれ一番の悩みの種でもあった。
こちらではこの時期の渋滞は殆どないので首都圏と比べるずっと楽な筈である。
さて前置きが長くなったが、岩手山は盛岡から何度か眺めていて、いつかは登りたいと思っていたがこの時期はコマクサの群生がハンパないとの情報で行く事にしたのだ。
しかし岩手山はいくつかの登山口があるが、いずれも登りで4時間以上標高差は1400m以上と結構体力を要する山なのである。しかも今回の狙いであるコマクサの群生地が見られるのは距離の長い焼走り登山口からのルートであり、山と高原の地図の標準所要時間は登り5時間10分、下り3時間40分である。歩行時間だけで8時間50分、標高差1468mのハードなロングルートである。
従って前夜から車中泊で行くか早朝出発にするかで悩んだが、結局早朝出発にする事にした。4時起床で5時出発の計画にしたのだが、早朝3時半に突然岩手県沿岸北部を震源とした震度5強の地震が発生した。青森県も南部は震度4で私の住んでいる津軽でも震度3であった。今から行こうとしている盛岡は震度5強であり、どうしようかと情報を収集する。地震状況の会社への報告もあり出発予定時間が1時間近く遅れてしまった。それでも道路は順調で予定通り約2時間で登山口に到着し準備を整えて出発する。登山口には大きな無料駐車場が有りトイレもあるので車中泊も十分可能である。登山口駐車場から見上げる岩手山はまるで富士山の様で秀麗である。しかしここが登山口?と思ってしまう位はるか遠くに屹立しているのには少し怯んでしまった。
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特別天然記念物の焼走り溶岩流の散策コースの横に登山口はある。
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立派な登山ボックスがあり、登山届カードに記入し投函し溶岩流に沿ってつけられた登山道に入って行く。最初は殆ど傾斜のない中を延々と歩く事になる。
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10分少し歩いた所に指導標があり、ここの左側に溶岩流に入っていける場所が有り寄り道する。
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岩手山が見える場所まで進んで見るが、まだまだ遥か先に聳えている。
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1時間弱歩いて登山口から2.2kmの指導標がありここから傾斜が徐々にきつくなってくる。
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1時間20分程登って標高は1020m。登山口が570mなので距離は稼いだが標高はまだまだである。
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ここから登りは更にきつくなって来て少しすると左側に踏み跡が有る。ここまで全く景色の見えない樹林帯を歩いて来たので中々モチベーションが上がらなかったが、多分景色の開ける場所であろうと鼻が利いて踏み跡を辿る。
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そうすると何とハクサンシャクナゲが咲き残っていた。
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そして足元にミヤマハンショウヅルも
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やがて溶岩流が剥き出しの場所にでる。慎重に足元を確かめながら前に進む。
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火山独特のズリズリ滑る砂礫のザレ場を慎重に登って平らな場所にでる。思った通り景色の良い場所である。山頂はと言うとまだまだ遠い
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下側の景色も抜群である。
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そしてイワブクロも咲いていた。
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ヘリコプターの音がするので見てみると何かを下に吊り下げている。ズームで撮影してみる。何か不明。
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登山道に戻って先に進むとギンリョウソウを発見。
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そして程なく第2噴出口跡に到着。先ほどの場所はここから流れ出た溶岩流だったようだ。
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ここで小休憩。下を見ると焼走り溶岩流の黒い部分の左に登山口駐車場が見える。
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山頂も見えて、もう少しで樹林帯を抜けるかと思うとモチベーションも上がってくる。
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登山道に戻って登って行くが、火山独特の砂礫のザレ場になり滑らないように小幅で足を進める。
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そして第1噴出口跡に出る。ここで突然大きな爆発音が聞こえてビックリする。麓にある自衛隊演習場の訓練が始まったようだ。
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まだまだ遠い山頂を見上げる。山頂の右側に月が見えている。
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ここからの登山道は左側に山頂を見ながら登るので気分的には楽である。カラマツソウが沢山咲いている。
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ベニバナイチヤクソウも
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ハクサンチドリ
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そしてここからコマクサロードが始まる。右の斜面も左の斜面もコマクサの大群落である。
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写真では分かり難いがここまで間近に群生しているとは素晴らしいの一言である。
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そしてミヤマリンドウも咲いていた。
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ミヤマハンショウヅルも多く咲いているが、もう綿毛になっている花も多い。
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コマクサロードが終わると再び樹林帯に突入する。直登するのではなくトラバース気味にグルっと山腹を巻くように登って行くのである。
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ここからはブナ・ミズナラなどの自然林の中を歩いて行く。そして漸く上坊登山口からのルートとの合流点であるツルハシ別れに到着。登山口から3時間20分を要した。
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次の目標地点である平笠不動避難小屋まで1時間掛かるので、ここで大休憩を摂る事にした。と言うのも朝が早かったのでお腹も空いてパワーダウン気味だった。シャリバテになる前に今朝家で握って来た特大のおにぎり1個を頬張る。ここで少しゆっくりしたので体力も回復し先へ進む。気持ちの良い自然林の中を登って行く。
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ズダヤクシュが沢山目につきだした。
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山頂まで1.4kmの指導標があり小さな祠がある。何も書いていないので三十六童子と呼ばれる場所かどうか判らないが地図上では多分ここだと思う場所。
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両手を使う岩場も出てきて傾斜もキツクなって来た。
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サンカヨウが咲いていた。
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そしてまた祠が有る場所に出る。
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この後ろの岩場に青紫色の花が見えたので近付いてみる。ムシトリスミレの様だ。
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そしてこの先でヤマオダマキも見かける。
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そしてパッと左側が開けてハイマツの向こうに目指す山頂が見えてきた。ふぅーまだまだ遠い。
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漸く平笠不動避難小屋に近付き、あと少しという所でシラネアオイの群生があり、まだまだ健在であった。
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平笠不動避難小屋には12:47に到着。
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中の様子はこんな感じで結構広い
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少し休憩をした後いよいよ山頂を目指すが、これからでもまだ標高差で200m以上残っており急傾斜である。
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小屋の周りにはミヤマキンバイが綺麗に咲いていた。
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ここからハイマツ帯の中に入って行き、一旦山頂も見えなくなる。足元にツマトリソウが一輪だけ咲いていた。
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ハイマツ帯も終わりに近づき山頂が見えてきた。
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振り返ると平笠不動避難小屋も小さくなってきた。
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雪渓の残る乳頭山(烏帽子岳)が綺麗である。
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足元にはキバナノコマノツメが沢山咲いている。
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アカモノも群生している。
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登山道は砂礫に変わり小幅に歩を進める。ミヤマリンドウも目につきだした。
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そして砂礫帯の中にタカネスミレとコマクサも咲いている。
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標高が1900mを過ぎてもうひと踏ん張りだ。
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振り返ると御苗代湖が姿を見せている。
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ザレ場を一歩一歩ゆっくりと登って漸く火口縁が見えてきた。
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火口縁には13:45に到着。
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火口縁を歩けば山頂はあと少しだ。
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山頂直下の急斜面に張り付くようにタカネスミレが群生している。
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山頂の標識が見えてきたあと少しだ。
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13:51漸く岩手山に登頂。途中休憩もあったが、5時間46分も掛かってしまった。
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立派な一等三角点
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今日は絶好の天気で見晴らしも最高!360度の展望を楽しむ。
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早池峰山も近くに見える。この山も2時間半位で行けるのでその内登りたいなぁと思っている。
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しかし時間も時間なのでゆっくりも出来ない。山頂の景色を堪能しそそくさと山頂を後にする。火口縁を歩いて下山する。
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一気に下って平笠不動避難小屋に。今一度岩手山を振り返る。
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ここで2回目の食事休憩。特大おにぎりは2個握って来たので、残りの1個を食べる。ここでトイレに入ろうと扉を開けると夥しい数のハエが飛び交い思わずすぐに扉を閉めた。ここで小屋泊をするのであれば殺虫スプレーは必須である。結局トイレは使用せず外で小用を足す羽目になる。下山の時間が気になり余りゆっくりも出来ずに下山を急ぐ。やっぱり朝の地震で1時間遅れた事が響いている。小屋を後にして振り返るとやっぱり日蔭の谷には雪渓が残っている。
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ハイマツ帯の中、下界へ急ぐ。
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急傾斜のガラ場の下山道は、今朝の地震で岩が緩んでいるかも知れないので、大きめの石や岩もしっかりと確かめながら下った。
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ザレ場ではフラットフィッティングを心がけ滑らないようにスピードを上げて降りる。
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一気に下ってツルハシには15時23分に到着し小休憩。
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そしてコマクサロードに入るとやっぱり足が止まってしまう。
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しかしこの砂礫のザレ場が一番の曲者だった。Wストックで調子よく下っていたのだが太ももの裏に違和感を感じたらいきなり攣ってしまった。なんとか良くなり自分の影が長くなったコマクサロードを急いで下る。
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第1噴出口跡の横を通る。風化でザラザラと崩れているようだ。
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第2噴出口に16:02に到着。ここで最後の休憩を摂る。
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コマクサの間にヤマハハコは一杯あったが、やっと咲いているのに出会えた。
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山頂を振り返ると登りでは月が残っていたのに陽が大きく傾いて逆光になっている。
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何とか17時までに降りたがったが、登山口まで700mの溶岩流ポイントで17時を少し回ってしまった。
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そして登山口には17時14分に戻って来た。
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岩手山を振り返り、あの場所まで行っていたんだと達成感に浸る。
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このあとすぐそばにある温泉「焼走りの湯」に浸かって汗を流し帰途に就いた。帰りも順調でやっぱり渋滞なしはいいなぁ。





by hawks-oh-muku | 2015-07-13 21:31 | みちのくの山 | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from dezire_photo.. at 2015-07-14 12:48
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