列車で行く山梨富嶽十二景「高川山」

2012年12月19日(水) 高川山(初狩駅8:23→登山口トイレ8:45→玉子石ルート分岐8:55→男坂・女坂分岐9:13→女坂合流9:38→高川山頂9:52(まったり休憩)10:25→
天神峠11:34→峯山三角点11:45→むすび山12:29(休憩)12:39→大月駅13:02
累積標高差+625m-710m

新宿発松本行きの特急スーパーあずさ1号自由席3号車のシートに身を沈めたのは出発7分前の6時53分だった。

なんて、小説風に書き出すとこんな感じだろうか?
今日はどこに行こうかと、いつもの優柔不断さで色々と迷ったが結果的に出した結論が
電車で行く軽めの山歩きとなった。

最初に断っておくが、私は意志が弱く軟弱者である。
しかし人には様々な場面での立場もあり、人は強く生きなければやっていけない。
従って、精一杯の虚勢を張り、さまざまな意思決定を立場上してきているので他人からはそうは見えないかも知れない。

しかし本来の自分の姿は前述の通りなのである。
関東に来てから複数回登ったのは、高尾山と筑波山だけで
それ以外は初めての山ばかりであって2回として同じ山には登っていない。
従って一番気を遣うのは登山口までのアクセスで、秋口は前夜発の車中泊で遠出もしてみたが、
この季節になるとさすがに車中泊は厳しく、何より道路状況がさっぱり掴めない。
ちょっとした所でも道路の凍結などFF車ノーマルタイヤで行ける所となるとかなり限定されてくる。
そうなると行きたい山はあるのだが、色々迷って悩んだあげく踏み切れずに山歩きから遠ざかる事になる。

懸案の年賀状に使う写真を撮影しに富士山の眺望が綺麗な山に行きたいと思い描く。
この時期ダイヤモンド富士が見られる本栖湖にある竜ヶ岳が第一候補であるが、
この日の天気予報を見ると山梨の河口湖付近で最低気温-5℃を見ると早朝の道路状況は不安が一杯である。
ましてやダイヤモンド富士を観る為には、暗いうちからの山歩きとなり不安は増幅する。

そんな不安な気持の中、考え着いたのが電車で行く軽めの山歩きで富士山の眺望がすばらしい山。
そうそれが山梨富嶽十二景十一番「高川山」だったのである。

いつも単独行の私の場合、車であれば誰に気兼ねすることなく自由な時間に出発出来る反面
優柔不断さが出てしまって、グズグズしている内に時間が過ぎて山行きを中止してしまう事があるのだが、
電車となると時間が決まっている為、30数年のサラリーマン生活の習慣で
朝が早くてもピタリと時間を合わせられると言う特技が活かせるのである。

と言う訳で、5時前に起床し準備を整えて6時5分にいつもの通勤電車に乗り込む。
今日は平日の為、通勤時間帯であれば満員列車で大きなザックを背負った登山者は、
かなりの邪魔者であり、周りの冷たい視線もザックと共に背負わなくてはならないが、
この時間なので何とか回避出来た。
それでも早朝出勤者で結構な乗客であるが、ザックが迷惑になる程ではなく乗換駅の集中する、
日本橋・大手町を過ぎると空席も目立つようになりゆっくり座って高田馬場に到着。
山手線に乗り換えてホームで電車待ちをしている頃に薄っすらと明るくなり新宿駅に着く頃にはすっかりと明るくなった。
朝食用におにぎり弁当を買って、スーパーあずさ1号の自由席に乗り込むが、思ったより乗客は多い。
立川・八王子への通勤客が結構利用されている様で、2人掛けシートの片側は殆ど埋まっている。
大きなザックがあるので何とか一人で座れる席を確保したいところで自由席の6号車から3号車まで
車内を移動しながら席を探し歩いて、最後の3号車でようやく空席を見つけて席に着く。
(結局前述の通り、立川・八王子では降りる方が多く、隣の席が埋まることは無かった)
7時ちょうどに発車したスーパーあずさ1号は八王子までは、そんなにスピードは上がらないが、
平日なので中央線各駅の通勤客で一杯のホームをメロディホーンを鳴らせて通過いくのはチト申し訳ないが、快感である。

特急列車は快適に進んで八王子に近づくと、山並みも見えてきて、その先に富士山も姿を現すが
晴れの天気予報に反して低い雲が垂れ込めている。
しかし明るくなって来ているので、天候の回復を祈るような気持ちで八王子を過ぎると特急のスピードが上がる。
新宿から数えて3つ目の停車駅である大月には7時55分に到着した。
ここから一つ先の初狩駅までは各駅停車に乗り換えであるが、各停は8時16分で約20分の待ち合わせである。
大月駅は、富士急線の乗換駅でもあり、立ち食いそば屋や売店もありここでの朝食でも良かったとも思った。
初狩駅には売店も無いと聞いていたのでここで菓子パンを2つ買い求めて各停電車を待つ。
この駅からはこれから登る高川山も良く見えていた。
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ブラブラしながら時間を潰している内に8時16分発の各停電車がホームに入ってきた。
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いそいそと乗り込むと、同じ様な登山者も2名居られたが次の初狩駅で降りた登山者は私一人であった。
初狩駅はこの時間では窓口のシャッターが降りている無人駅状態で、スイカをタッチして特急券は置いて改札を出る。
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駅前にも何の商店もないが、山への案内だけは親切で、地図を確認する必要もなかった。
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生活道路を歩いて大きな墓地の横を歩いていくと狩猟注意の看板と共に熊注意の看板もあり慌てて熊鈴をセットする。
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この先も迷うことなく矢印の方向へ進んで10分ほど歩くと未舗装林道となる。
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更に登山口の前には綺麗な簡易のトイレがあり、人気の山であることが分かる。
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トイレの場所から5分で玉子石ルートとの分岐となり玉子石を経由しない方を選ぶ。
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ここからが本当の登山道で植林の中の尾根道を登っていく。
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玉子石ルートとの分岐から15分程の登りで男坂・女坂の分岐点に出る。
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この山の下には、リニアモーターカー実験線のトンネルが通っておりその工事かどうか解らないが、発破作業が行われている様だ。
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今朝はかなり冷え込んでおり標高600m程の所でも霜柱が立っており小気味良い音を立てて踏みしめていく。
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冬枯れの自然林の登山道は陽が差し込んで明るい。
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高度を上げるに連れて麓の景色が望めるようになる。眼下に中央道が見えるが、例のトンネル事故で通行止めが続いており車は1台も通っていない。
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大きな岩が出てきて傾斜はキツクなって来る。
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ロープが掛かっている場所もあるが、別にロープが無くても登れる程度の傾斜である。
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やがて女坂との合流地点になり、振り返ると待望の富士山が姿を見せる。
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ズームで寄るとこんな感じで雲が邪魔をして全容は現さない。
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急登を登り切ると稜線に出て落葉の堆積した登山道は一旦ちょっと下ってから又登りになる。
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熊笹の中をジグザグに登山道はついている。
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すぐに分岐が現れて真っ直ぐに進むと羽根子山・大岩山を経由して初狩駅に出る道である。
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高川山へは左に曲がる。
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山頂はもうすぐの様である。
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ひと登りで高川山頂に到着。ゆっくり歩いて初狩駅から1時間半弱である。
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実物は・・・・
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ちょっと雲が邪魔であるがまずまずの眺めである。10倍ズームで切り取るとこんな感じで雲から上が雪の切れ目だと言う事がよく分かる。
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等倍の写真はこんな感じであるが、肉眼では富士山がもっと近く感じる。
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山頂は360度の大展望で、方位盤はこんな感じで山座同定を楽しめる。
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富士山に向かって右側には南アルプスが顔を覗かせているが、真っ白に冠雪しているのは間ノ岳で右端には甲斐駒ヶ岳が確認できる。
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頭だけを見せている甲斐駒ケ岳をズームイン。
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こちらは三ツ峠山。初狩駅から三ツ峠山へ縦走して河口湖まで出る健脚ルートもある様だ。
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今日は平日でここまで誰一人会わずに山頂も独り占めであり、この贅沢な景色を眺めながら菓子パン1個を頬張る。
チャイミルクティーを飲みながら丁度食べ終わった頃に2人組の登山者が登ってきたので挨拶を交わしながら富士山独り占めのポジションを譲る。
流れていく雲が富士山の景色を変えて行くのをのんびりと眺める。
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時間が早い事もあり、菓子パンを1個食べただけの休憩であるが、約30分ものんびりと景色を堪能した。
それでは予定通りむすび山コースで大月駅まで縦走する事にする。コースタイムは2時間40分とある。
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この先に続く縦走路も冬枯れで明るい雰囲気である。
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この山の人気の所以は駅から駅へのルートが豊富である事で、この分岐でも富士急線とJRを合わせて3つの駅名がある。
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むすび山(大月駅)方向に進むと登りになり小ピークの所で田野倉駅ルートとの分岐になる。
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そこからは下りになるのだが、落葉が堆積しており滑りやすいので注意しながら進む。
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今日は、電車での低山歩きなので靴はお蔵入りしていたミドルカットのトレッキングシューズを履いて来た。
このシューズは6年前に宮崎で山歩きを始めた時に購入したもので、
靴底がチビッて滑りやすいので先日駄目にした2代目のシューズにしたのだが、
この初代シューズは靴底の磨り減りを除けば健在で、ミドルカットで底が柔らかめなので舗装路歩きでも楽なのである。
これは電車でも歩きやすくて正解だったのだが、下りではやっぱり靴底が磨り減っていて滑りやすくて気をつけながらの足運びとなった。
縦走路は小刻みなアップダウンがあり結構歩き甲斐がある。どんどん進むと大月市の街並みが見えてきて
一番先の山がゴールのむすび山だろう。
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地図には表れないほどの小ピークが幾つもありアップダウンを繰り返して進むと急な長い下りになる。
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ここが滑りやすくてお助けロープを握り締めて慎重に下った。
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振り返ると高川山が綺麗に見えていた。
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更に下っていくと山ノ神の祠があった。
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そのすぐ下が天神峠で分岐になっており大月駅へは花咲経由とむすび山経由の2ルートあるがむすび山経由の道を進む。
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登りに転じた登山道を上がると今度は赤い屋根の祠があり、先程の祠と対になっているようでこの写真の奥に先程の祠が写っている。
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少し登ると展望が開けて、リニアモーターカー実験線が見えている。
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名も無きピークばかりだったが、峯山とプレートの架かるピークもあったが地図には表記されていない。
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そして三角点のあるピークに到着。地図上には512.9mの三角点があるので多分これだと思い写真を撮る。
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しかし先に進むとまたまた三角点が現れる。こっちが512.9mピーク?
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そこから先は標高もかなり下がって、里山歩きの感じになってきたが、振り返ると富士山が顔を出している。
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ズームで寄るとまだまだデカク見える富士山である。
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そして12:29に最後のピークむすび山に到着。ここは大月防空監視哨跡であった。
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ここでもう1個残っていた菓子パンを食べて最後の休憩とした。
大月駅からの特急かいじは13:04と14:04で、今からなら13:04に間に合いそうだが
大月市内を散策して見たかったので、14:04の列車に乗ることにしてのんびり過ごしたあと下っていく。
むすび山からの下りはあっという間で、住宅地のところに降りてくる。
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この先道路に出ても案内はしっかりと出ていて有り難かった。
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道路を歩いて橋を渡るところで高川山を振り返る。
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甲州街道を歩いて大月市内を散策する。
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駅前には13:02に戻ってきたが、あと1時間市内を散策し、13:50に大月駅に到着。
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そして14:04時刻通りに特急かいじがホームに入ってきた。
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こうして電車利用の山歩きは終了したが、今回は特急を使ったこともありすこぶる快適で
冬の山歩きは電車利用のルートを探して見ようと思う。

今日のルート図
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by hawks-oh-muku | 2012-12-22 22:23 | 山梨の山 | Trackback | Comments(4)
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Commented by 産六 at 2012-12-23 14:12 x
『新宿発松本行きの特急スーパーあずさ1号自由席3号車』
憧れのフレーズです。(笑)

まさに絵に描いたような富士のお山、
このくらいの雲があるほうがいい感じですね。
リアルタイムで富士山を見ることはないので、こちらのブログで
季節ごとの富士を楽しませていただけます。(^^

電車という選択肢を選ばれると行動範囲も広がりますね。
次は八ヶ岳あたりを視野に入れておられるのかな?
Commented by 段平 at 2012-12-23 16:00 x
東の人は殆ど新宿からの電車ですね。
案内板が至る所にあるのは人気がある山なんですねぇ。
富士がこれだけ綺麗に見えるので当然ですが。
富士山は何度も見ていますが五合目から上
この山」からは裾野まで見えるのですね!。
Commented by hawks-oh-muku at 2012-12-23 23:19
産六様こんばんは。
「特急あすさ」に乗ったときは、ずっと頭の中で「8時ちょうどの~♪」(7時や)
「あずさ2号で~」(スーパーあずさ1号やて)と鳴り響いていました(笑)

八ヶ岳!特別な響きを持つ山ですが、夏にも登った事のない奴が冬の
八ヶ岳にチャレンジするほど無謀な事は致しません。
軽く歩けて霧氷が見られる金剛山の様な山を必死で探しております。

金剛山・高見山の霧氷は羨まし過ぎます。
Commented by hawks-oh-muku at 2012-12-23 23:27
段平様こんばんは。
中央線利用のメジャーな山へは新宿からですね。
上州・栃木に行く場合は上野からですが、検索すると新幹線が出てきます。
新幹線を使って3回行けば、スタットレスが買えるかも・・・。

富士山の裾野の広さを見たときには本当に感激します。
それでも、やっぱり一番綺麗だったのは、三ツ峠山だったと思います。
金剛山から岩湧山を眺めるくらいの距離に無防備に姿を見せる富士山には感動します、
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