深田久弥が最後に目指した頂へ「茅ヶ岳」

2012年11月29日(木) 茅ヶ岳 深田公園駐車場7:50→深田公園7:54→女岩9:29→深田久弥記念碑10:03→山頂10:24(昼食休憩)→千本桜分岐11:14→林道出合12:21→深田公園駐車場12:36
累積標高差+-759m

いよいよ仕事の方は師走モードに突入し、土日は現場第一線での勤務との指示が出て平日が休みとなった。現場大好きの私にとっては願ったり叶ったりの話で早速今週は木曜日に休みを取らせて頂いた。
山の紅葉もほぼ終了し、冬枯れの中どこに行こうかと思案する。2000mを超える山では既に雪山へと様相を変えていると聞き、魅力は感じるものの私の技量では不安が先に立ち踏み出す勇気は無い。
そしてこの時期懸案の年賀状用の写真を撮影すべく富士山が綺麗に見える山への山行も計画しないといけないがこちらは天気が問題である。昨年は丁度この時期に富士山展望の山として有名な三ツ峠山へ登り年賀状用の写真を撮影したのだが、その時は青空ではなく富士山も雪が少なく納得できる写真は撮影できなかった。
そしてこの日の天気予報であるが、午前中は晴れるが午後から下り坂で夕方には雨が降る予報である。年賀状用の写真撮影山行は別の日がよさそうであるが、あわよくば富士山の見える山と言う事で展望の良い山を探した。
そこで候補に挙がったのがこの茅ヶ岳である。「日本百名山」の著書で余りにも有名な深田久弥が登山中に脳卒中で急逝した事で、深田久弥終焉の地として知られている。この事を日本百名山を数多く抱える山梨県が放って置く筈が無く、登山口に深田公園を整備し無料の駐車場も完備している。
それにしても深田久弥が最後に目指した頂とはどんな所なのか?展望の良さと共に大いに興味のあるところである。
天気は午前中勝負と言うことであり、前夜よりの車中泊で行こうと思っていたが朝はこの冬一番の冷え込みと聞くと思わず尻込みをしてしまい早朝出発とした。
朝5時前に自宅を出発し、首都高・中央道と順調に進んでいく。さすがに平日の早朝なので道路は空いていて走りやすい。夜が明けて来て景色も良くなり途中で真っ白に冠雪した富士山も見えてテンションが上がる。更に山梨県に入って車を走らせて行くと目の前に南アルプスの絶景が出てきた。この道を走るのは初めてではないが夜に走っていたのでこんなに素晴らしい景色とは知らなかった。近くのPAに車を停めて写真を一枚撮影する。
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ここから韮崎IC迄はすぐだった、そして茅ヶ岳登山口の深田公園駐車場も韮崎ICからは10分程で到着した。駐車場は砂利の未舗装であるが、広くて整備された立派な駐車場である。
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トイレも設置されていて簡易式の建物だが大変綺麗で水洗である。
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軽くストレッチをして準備を整えて歩き出す。
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まずは深田公園に立ち寄る。
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ここは登山口とは逆方向なので少しだけの寄り道になるが、せっかく来たのだから外す訳にはいかない。「百の頂に百の喜びあり」今は猫も杓子も百名山のブームであるが、本来どんな山でも山頂に登ればその山の素晴らしさがあり登った喜びがある。その事を深田久弥は言いたかったのだと思うが、本人の意図しない方向へ向かってしまったのが現在の異常とも言える百名山ブームなのではないだろうか?私は元々一人で始めた山歩きであるし、日帰り登山限定でもあるので低山をのんびり歩くのが好きである。なので百名山信奉者ではなく現在のブームにはどちらかと言うと否定的な方であるが、この記念碑を見て改めて名言だなぁと思った。
そんな事を考えながら来た道を少し戻って登山口から登山道に入る。最初は林道の様ななだらかな道であるが、昨晩の冷え込みで両側にはビッシリと霜柱が立っている。
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この山は紅葉の時期も美しいと聞いているが、今はすっかり落葉しており陽が差し込んで明るい登山道になっている。
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落葉が堆積した道をガサコサと踏み分けて20分ほど歩くと舗装林道が出てくるのでここを横切って進む。
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ここからも広くなだらかな登山道であるが、ゴロタ石が一杯で決して歩きやすい道とは言えない。
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歩き始めて1時間ほどで女岩に到着。ここは唯一の水場と言う事だが落石が多く立ち入り禁止となっている。
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しかし落石注意と言う事であれば、元々自己責任の山歩きなのでザックを降ろして空身で女岩まで行って見る。荒れていてちょっと歩きにくかったが女岩まで3分ほどで到着。
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設置された樋からチョロチョロと水が流れているが、ちょっと飲めそうには無い。
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見上げると確かに岩は脆くなっていて安全性を考えると立ち入り禁止も止むを得ない措置か。
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ザックを降ろした所まで戻って山頂を目指す。ここからは急登になり大きな岩を越えていく。
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ちょっとした危険箇所を越えると先程の女岩の上に出るが、ここから振り返ると木々の間から南アルプスの山が姿を現す。
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ここからも稜線に出るまで急登になるが、落ち葉が10cm以上も堆積しており登山道が判り難い。
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足首まで完全に埋まってしまい、さながら落葉ラッセルだ。
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ピンク色のテープ目印も所々にあるものの、本当に登山道が判り難い。ジグザクに道は付けられているのだが間違って登山道を外すと、フカフカで更に足が沈み込んでしまうのですぐに判る。
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後から来る人のためにと思って出来るだけストックと足を使って落ち葉を掻き分けて踏み後をつけて進み女岩から40分ほどで稜線に出る。
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稜線に出てから5分程で深田久弥終焉の碑に到着する。
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この場所は奥秩父の金峰山や瑞牆山が一望できる見晴らしの良い所だった。金峰山はこちら側からは「きんぷさん」長野県側では「きんぽうさん」と呼ぶが、ここからは山頂の五丈岩まで見える位の展望場所だった。
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そして先日登った瑞牆山も美しい岩峰を見せていた。
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その場所からはごつごつした岩が出てきて急登になるが山頂まではもう少しだろうと登っていく。振り返ると富士山がお出ましだ。
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山頂直下はちょっとした岩場になる。
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標高が上がり岩場で木々も途切れてどんどんと見晴らしが良くなってきた。金峰山と瑞牆山も一望できる。
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富士山もハッキリとした雄姿が拝めるようになってきた。
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そして10:13茅ヶ岳山頂に到着する。山頂は360度の大展望でまずはすぐ目に入ったのは八ヶ岳である。
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そして南アルプスの山並みも遮るもののないすぐ目の前に迫っている。
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一際目を引くのは甲斐駒ケ岳である。カッコイイ山容に思わずウットリし自然と頬が緩む。
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その左側に鳳凰三山。オベリスクもクッキリと確認できるし、左奥には真っ白な北岳も控え目な姿を覗かせている。
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そしてその左側の奥に見える白い頂は間ノ岳だろうか?
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パノラマで見ると南アルプスから八ヶ岳までが一望の景色で、その間には遠く北アルプスまで見えているのだ。
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更に右側に振ると八ヶ岳から奥秩父の名峰の連なりまでの大展望である。
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瑞牆山と金峰山が見える方角の山梨百名山の山頂表示は2本立っている。
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これは悪戯により紛失し新しく建て直した後に、捨てられていた標識が見つかり元に戻したので2本あるのだそうだ。そう云えばこの事を戒める登山口に警告の案内が出ていた。
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そして振り返ると富士山と文字通り360度に百名山が見える何とも贅沢な山頂である。
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この景色こそが深田久弥が最後に目指した頂だったのだ・・・・。富士山はズームにすると剣が峰までハッキリと見える素晴らしさである。
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八ヶ岳と甲斐駒ケ岳の間に目を移し遠望すると北アルプスの真っ白な山並みも確認できる。
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北アルプスの左端は乗鞍岳だろうか?
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時間的には早いので昼食はどうしようかと思ったが、この景色をおかずにすればコンビニ弁当も豪華なランチに変わりそうで、八ヶ岳が目の前に見える場所に座るところを見つけて昼食にする。コンビニ弁当とお湯を沸かしてカップはるさめの簡単なお昼だが、この景色が一番のおかずになった。
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コーヒーも淹れてのんびりと過ごし、最後に富士山と南アルプスを写真に収めてから下山に掛かる事にした。
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鳳凰三山とチラリと見える北岳の頂も見納めである。
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下りは尾根道を選ぶ。5分程下ると千本桜ルートとの分岐に出るが今日はそのまま下ることにする。
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下っていく途中、冬枯れの季節だから見える景色だろうと思うが落葉した木々の間からも南アルプスや富士山が見えていた。
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途中からは自然林と植林の間の防火帯を歩く事になる。
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真っ白な頂は間ノ岳か?
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途中岩場の急な下りもあったが、12:19に林道まで降りてきた。
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林道を左に曲がってすぐに朝横切った場所に出てきてここを右に入って深田公園まではなだらかな道を下っていく。
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そして12:36駐車場に戻ってきた。天気予報通りお昼までは何とか天気も持ってくれて、澄んだ空気のお陰で素晴らしい景色を拝む事が出来て大満足の山行となった。
帰りのお楽しみの一つである温泉は、道の駅「にらさき」に併設された「ゆーぷる韮崎」に行く事にした。ここの素晴らしさは駐車場から甲斐駒ケ岳がこんなに綺麗に見える事。
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そして先程登った茅ヶ岳も綺麗に見える事であった。山容が八ヶ岳に似ている事から「ニセ八つ」と呼ばれるのも頷ける山容である。
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そして温泉であるが、市民350円で市外は700円と倍の金額はちょっと納得いかないが泉質はぬめりがあってスベスベになり湯温も丁度良くとても良かった。
そして帰り道も富士山がずっと姿を見せてくれて今日も遠出をしてきた甲斐があった。
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この日は時間も早く平日だった事もあり渋滞も殆どなく早い時間に帰って来ることが出来た。しかしこの3日後にこの日通った笹子トンネルで大惨事があろうとは思ってもない事で、ニュースを見て本当に驚いた。全く不幸にもこの事故の被害に遭われた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
by hawks-oh-muku | 2012-12-03 22:40 | 山梨の山 | Trackback | Comments(4)
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Commented by 産六 at 2012-12-04 09:27 x
平日が休みてなって水を得たhawksさん、ですね。(^^

深田久弥が最後に目指した頂とは興趣をそそりますね。
四国八十八ヶ所を巡ったお遍路さんが最後に高野山にお参りするように
百名山を達成(?)された方はこのお山を目指すんでしょうか。
『百の頂に百の喜びあり』の記念碑を目の前にして何を感じられるのでしょうね。

中央道の事故も怖いですねぇ。
笹子トンネルの事故は3日後でしたか。
これからはトンネルを通るたびにスピードを上げそうです。
渋滞していると気が気でないでしょうね。

南アルプスから八ヶ岳、遠くは北アルプス、そして富士山と
贅沢な山行でしたね。
Commented by hawks-oh-muku at 2012-12-05 20:14
産六様こんばんは。
平日の休みのお陰で静かな山歩きが楽しめました。
やっぱり平日の方がいいですね。
深田久弥終焉の地の頂は本当に展望の良い山でした。
間近に見た八ヶ岳にも挑戦してみたいと思いますが、
今回の事故で当分中央道は通れそうにありません。
通れそうにありません。

中央道のトンネル事故は本当に吃驚しました。
瑞牆山と今回とで最近は2回ここを通りましたので、運が悪ければ
事故に巻き込まれていたかもと思うとゾッとしました。
Commented by 段平 at 2012-12-22 14:37 x
hawksさん こんにちは。
山頂からの景色、目に毒です(笑)
それにしても毎回良い山に登っていますね。
羨ましく拝見しています。。
Commented by hawks-oh-muku at 2012-12-22 21:19
段平様こんばんは。
深田久弥終焉の地に惹かれて行って参りましたが、360度の大展望で
贅沢な景色を堪能出来ました。

いよいよ本格的な冬山シーズン到来ですが、車で行ける範囲が限られて
これからは行動範囲がどんどん狭まりそうです。
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