2012年11月3日(土)荒船山 内山峠登山口7:07→鋏岩修験道場跡7:55→一杯水8:23→艫岩展望台8:46(小休憩)8:52→相沢分岐8:59→星尾・経塚山分岐9:24→経塚山頂9:35→艫岩展望台・避難小屋10:12(昼食休憩)10:50→内山峠登山口12:22
累積標高差+-470m 今日は最後の紅葉を求めて西上州の航空母艦・荒船山に行ってきた。荒船山は2009年のあの事故で一躍有名になり、今では変わった山容も相まって人気の山となっている様だ。 あの事故とはご存知クレヨンしんちゃんの原作者「臼井儀人」が滑落で亡くなったあの事故の事でありそれがこの山なのである。 故臼井氏が転落したのは艫岩と呼ばれる200mの絶壁の展望台であり、発見されたデジカメの最後の写真はここから下を覗き込んだ1枚だったらしい。 下から見上げた山容は絶壁が聳え立っている為、どこから登るのか?と思ってしまうが、実際は標高差も余り無く、艫岩から山頂のある経塚山まではテーブルマウンテンの平らな道を歩くため、距離の割には実質の歩行時間は4時間半程と結構楽な山歩きなのである。 この下の写真は登山口よりかなり下の林道から撮影したもので、写真の絶壁左側の端の方が艫岩展望台である。 さて、今回も車中泊で行ってきたのだが、登山口の内山峠にはトイレがないので上信越道路「下仁田IC」を降りてすぐのところにある下仁田道の駅で寝る事にした。 下仁田ICを降りてすぐに最大手のコンビニ711があるので、ここで弁当他を調達し、そこからすぐの下仁田道の駅に到着。 ここは大きな駐車場があり、広い駐車場の方は大型トラックが数台エンジンを掛けたまま寝ているので、そこは避けてトイレの近くの駐車場に車を停める。 結構な数の車が同じ様に車中泊をしているのでここは結構有名な場所なのかもしれない。今日は今シーズン一番の冷え込みが予報されていたので、暖かくして就寝。 翌朝は6時前に起きて、朝食・トイレ・歯磨きと済ませる。トイレで合う人たちも山登りの格好をしているので、皆さん荒船山に行くのか妙義山に行くのかいずれかと思われる。 ここから登山口の内山峠までは約30分強。国道254号線下仁田トンネルを過ぎて峠の茶屋を過ぎると右側に神津牧場・荒船山登山口の案内があるので見落とさずに右折する。 そこからは少し狭い道であるが、道路そのものは良い道である。道なりに進んで内山峠の無料駐車場に7時前に到着。この時点で空きは3台分しかなく危ないところだった。 準備をしている間にも続々と車がやってきて忽ち満車となりその後に来た車は路上駐車となっていた。早速準備を整えるが、非常に寒くアウターを着込んだままザックを背負って7:07に出発。 登山口にある案内板。 少し下ってからなだらかな登りを歩いていくと熊注意の看板であるが、ここの熊は茶髪で不良熊の様だ(笑) 紅葉の隙間から朝日とともに荒船山の絶壁が見えてきた。 登山道は落葉の絨毯でアップダウンを繰り返して進んでいく事になる。 ちょっと登りが厳しくなってくるが大したことはない。 振り返ると、朝日が当たって紅葉が綺麗である。 今日は寒い寒いと思ったが、枯れ枝が霜で真っ白になっている。 何度もアップダウンを繰り返しながら漸く明るい所に出てくる。この辺りの紅葉が綺麗である。 紅葉落ち葉の絨毯をガサゴソと音をさせながら快適に歩いていく。 鋏岩修験道場跡に7:55到着。 この岩は君が代の歌詞に出てくる所謂さざれ石だと思われる。湧き水が凍って小さなツララになっている。 ここから先も綺麗な紅葉が続く。 左側は切れ落ちた崖になっていて覗きこむと綺麗な紅葉が見られる。 足元は霜柱が出来て落ち葉も寒そうである。 上を見上げると見事な紅葉である。 艫岩の西端が見えてきた。ここから登山道は大きく回りこむ様に登って行く様だ。 一杯水に8:23に到着。水量は少なく一杯も飲めなさそうだった。 ここを過ぎると小さな梯子場がありちょっとした岩場の登山道になる。 ここは登ってから振り返って撮影したが、岩場が凍っていて滑って危険だった。 岩場をこなすと斜面が緩み艫岩の上部に到達したようだ。レトロな看板がその事を知らせてくれた。 西端の覗きに寄っていく。何が書いてあるか判別不能な看板の横が展望ポイント。 下から見上げたときに200mの断崖絶壁だった場所の西端に来たわけだが柵も何も無いのでバランスを崩せば一巻の終わりである。故臼井氏はここを覗き込んだのだろうか? 浅間山が正面に見えるが山頂付近は雲が掛かって見えない。 遠くには真っ白に冠雪した北アルプスの山々も遠望出来た。 艫岩展望台はここ西端から3分ほどのところにあり、避難小屋とトイレもある(但し女子トイレは閉鎖されていた。男子用もちょっと勇気が要るほど荒れている。あくまでも緊急避難的でしか使えそうに無い状態) さすがに展望台と言うだけあって艫岩展望台からの眺望は素晴らしい。 妙義山とその奥には榛名山と特徴的な山容の山並みが重なる。 断崖絶壁の下には登山口の紅葉が綺麗であるが、これ以上は覗き込めない。 展望台にある方位盤。北側は見えるが、南側と東側は見えない。 この様な場所であるが、先端が200mの断崖絶壁!ロープも何も無いので、悪ふざけは厳禁です。ある意味大蛇嵓より危険である。 頑張って写真を何枚か撮影したが、今日この場所は風が強く非常に寒い。帽子もここでハットからフリースのニットキャップに替えて耳まで深々と被って首にはタオルを巻きつける。モンベルのネックウォーマーも持っているのだが今日は忘れてしまったのだ。寒い時は格好に拘っている場合ではないので、白い温泉のプリントの入った実用一辺倒のタオルを恥じも外聞も無く巻きつける。寒さ対策には首を暖めるのが一番効果的だ。マフラー1枚でセーター1枚以上の暖かさと言われるが、首には太い血管が集中しているのでここを冷やさない・暖めると身体全体が温まるのである。もう少しゆっくりしたい所だったが、強風と寒さで5分少しで退散しピークのある経塚山に向かう。少し歩いた場所に相沢登山口への分岐があった。 航空母艦・荒船山の甲板部分は広くて平ら。所謂テーブルマウンテンである。稜線漫歩と言うよりも公園の散歩と言った感じである。 何やら石碑の案内が出ていてとても興味があり是非とも立ち寄りたい所である。 しかしその場所に行くまでには真っ白に霜の降りた熊笹の中を掻き分けて行かねばならない。 レインウェアを履くのも面倒で残念ながら断念し、せめてズームで撮影し行ったつもりにする(笑) 日陰では登山道さえも霜で真っ白である。 本当に公園の様な快適な登山道で、この写真が1400mの山の上とは思えない雰囲気だ。 そして艫岩から30分弱で経塚山・星尾分岐に到着。 早速経塚山に取り付く。 登山道は西面なので日陰になっていて登山道が所々凍っていて滑りやすい。そして平坦な行程を30分ほど歩いてきたので、ちょっとした距離の急登がキツク感じる。 9:35三角点のある経塚山に到着。 山頂から南西に八ヶ岳が望めた。八ヶ岳の雪はまだほんの少しですね。 兜岩山方向にロウソク岩も見える。時間が許せば行って見ようと思っていたが、結構手強そうなので今日は止めておこう。 10:12に再び艫岩避難小屋に戻ってきて時間は早いが昼食?休憩にする。 展望台(といっても設備もない絶壁の上)からは浅間山の雲が取れて山頂が望めた。 紅葉に誘われてちょっと身を乗り出して下を覗く。 写真ではイマイチ高度感が伝わらないが、グーグルアースの別角度からGPSログを見て見たら何と危険な崖の所まで出ていたのが判る。ちょうど「く」の字の鋭角の部分が艫岩展望台でその右側が西端である。 ちなみにこのグーグルアース画像はアンドロイドスマホの物で、山旅ロガーとグーグルアースの組み合わせは最強で、山から下りた後にグーグルアースを指先でグルグル角度を変えてみるのが楽しみで、何度も何度も見てしまう。かなりリアルで歩いた軌跡を当日を思い出しながら指でなぞるのが今の楽しみでもある。 避難小屋の東屋部分で食事とコーヒーを飲み40分ほど休憩し下山する。今日は寒さもあるのかも知れないが左膝が痛み出す。ゆっくりと降りていくが、時間が早いので結構な数の登山者が登ってきて岩場のところでは待ち時間が多く逆に助かった。鋏岩修験道場跡も過ぎて綺麗な紅葉に癒されながら降りていく。 途中で振り返ると、平坦な甲板からちょこっと三角に尖がった経塚山が見えた。写真の経塚山から左側が甲板部分だ。 見上げるとグラデーションの黄葉。 木の高さと陽の当たり具合からグラデーションの様な色づきになるのだろうか? 朝はちょうど陽が指して逆光で上手く撮影できなかった艫岩絶壁部分を登山道から撮影する。 今日のルート、距離は9.5kmなので先週の瑞牆山周回コースと同じ距離であるが、全工程の半分弱にあたる艫岩から経塚山までは平坦なので行動時間は5時間15分で休憩を除いた純粋な歩行時間だけなら4時間半もあれば十分な山である。 帰りは荒船の湯でゆっくりと疲れを癒して帰路に就く。下仁田ICまでの道路沿いではあちらこちらで名産品の下仁田ネギが10本~20本位の大束が袋に入れて500円程で売られており、同じく名産品の下仁田こんにゃくと共に観光客の多くが吸い寄せられていた。 今日は時間が早いので渋滞は確実に回避できる予定だったが、こんなときに限って事故渋滞!!!これさえなければ・・・・・。千葉からは関東の山は遠い!
by hawks-oh-muku
| 2012-11-08 22:00
| 群馬の山
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Comments(2)
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段平
at 2012-11-29 20:36
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千葉から遠いとおっしゃいますが、魅力的な山ばかりで羨ましい限りです。
グーグルアースで見ると危険な所を歩いていますねぇ。 この山も有名ですが、方位板の山も全部有名な所、良いですね~。
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hawks-oh-muku at 2012-11-30 06:16
段平様おはようございます。
仰るとおり足を延ばせば魅力的な山が一杯なのですが、往復6時間程の時間と高速代+燃料代そして渋滞に耐える忍耐力が必要です(笑) 行きたい山は沢山あるのですが、これから冬山の季節になり私の技量では行ける山が限定されてしまいます。 この先は展望の良い低山を探して出掛けたいと思います。
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