2012年10月6日(土)苗場山 かぐらスキー場第2リフト町営駐車場6:13→和田小屋(五合目)6:37→五合半7:04→六合目7:14→六合半7:31→下ノ芝(七合目?)7:50→七合半8:07→中ノ芝8:30(小休憩)→上ノ芝8:53→小松原分岐9:04→神楽ヶ峰(八合目)9:16→富士見坂9:31→雷清水9:34→お花畑9:42→九合目10:01→雲尾坂10:15→苗場山頂三角点10:46→山小屋10:49(昼食休憩・山頂湿原散策)→神楽ヶ峰12:43→上ノ芝13:03→中ノ芝13:15→下ノ芝13:58→和田小屋15:06→駐車場15:29
累積標高差+-1195m(時計の高度計による計測) アプローチが長く結構時間が掛かった、祓川コース(クリックで拡大可) 私が一年で一番好きな季節、それは山が自然に色づき創り出す錦絵のごとき絶妙の色彩を纏う錦秋。 どんなに残暑が厳しくとも多少のズレはあったとしても着実に季節が移っている事を目の当たりに出来る瞬間。 都会では信じられない位に季節が進んでいる現実を、深い山を歩いた者だけが得る事が出来る瞬間。 やはり秋の山が一番好きである。 と言う訳で10月の声を聞くと紅葉の山を探し歩いてしまうのである。昨年は関東に転勤した事もあり10月1週目に日光白根山に登り思いがけず見られた三段紅葉に感動した。 私の中での一番の紅葉は九州大分の九重連山で2007年の三俣山から始まり2009年まで3年連続で秋の紅葉の時期に山行した。 特に2008年は8回九重に出掛けて、10月は3週連続で通いつめた。今でもこの時期になると九重の紅葉を思い出してしまう。 そして残暑の厳しかった今年ようやくもこの季節が巡ってきた。曜日巡りから今年は10月第1週の土曜日は10月6日でありこの時期に紅葉の見られる山を探した。 第一候補は那須岳であったが、この3連休余りにも多く押し寄せる観光客で大渋滞になる為、 通行規制が行われ車の乗り入れが出来ない事が判明。シャトルバスの運行時間を考えると選択肢から外れた。 次に谷川岳であるが、ここはその次の週のほうがよさそうで色々と逡巡した結果、候補に上がったのが苗場山だったのである。 しかし問題は登山口までの距離。自宅から約230km高速フル活用で時間にして3時間半は掛かる。やはりここは車中泊で行くしかあるまいと金曜日の20時半過ぎに家を出る。 順調に関越道を進み群馬県に入った辺りで雨が降り出し途中ワイパーをハイスピードにしなければならない程の豪雨になり思いっきり凹んでしまったが、10分足らずで道路すら濡れていない状態に唖然とする。 しかし時間に余裕を見た事もあり、湯沢ICを24時に出る計画が30分ほど早い様で赤城高原SAで時間調整をする。ちょっと寝るだけのつもりが1時間少し寝てしまって慌てて再出発。 初めて走る10km超の長い関越トンネルを抜けて湯沢ICを24時半頃に出る。国道17号線を南下し少しした場所にあるコンビニに立ち寄る。(ここが登山口までの最終コンビニ) そしてみつまたかぐらスキー場から舗装林道に入り少々悪路もあったが1時過ぎにかぐらスキー場第2駐車場に到着。同じ様な車中泊組みが既に10台弱。 早速布団を被って就寝。しかしエンジンを掛けっぱなしの車が1台あり、エンジン音はさほど気にならないが不規則に回るファンの音が耳障りで中々寝付けない。完全なマナー違反である。 また1時を過ぎても何台か車もやって来てその音にも反応してしまって、いよいよ寝つきが悪くなる。小雨も降ってきて明日の天気を心配しつつウトウトし何とか眠りに就いた。 翌朝5時過ぎに目が覚める。まだ暗いが薄っすらと明るくなりつつある時間だ。車の中でお握りを一つ頬張って簡単な朝食を済ます。車中泊で一番気になるトイレの有無であるが、ここにトイレがあることは事前調査済み。しかしここのトイレには電気がないので夜中や朝の暗いうちはヘッデンが必要である。 トイレ自体は水洗でペーパーも完備で比較的綺麗なトイレである。有り難く使わせて頂いて準備を整えて6時13分スタートである。 この時点での駐車場の状況はほぼ満車状態。しかし続々と車がやって来て駐車場所を探している。 上側にどんどん車の駐車列が伸びていく。 5合目となる和田小屋までは車も通れる林道(和田小屋宿泊客限定通行)を通る道と、それにほぼ平行して少しだけ登山道がありトイレの横から入る登山道を選択。しかし7分ほどの歩きで林道と合流する。 この林道の横には色々な花が咲いており、ヤマハハコが多いがウメバチソウも咲いていた。 約25分のコースタイム通りで和田小屋に到着。 登山道の入口には登山ポストが用意されており、登山届けを出してから入山する。 スキー場を横切って登山道に入る。最初は木段の道である。 程なくして大きなゴロタ石の登山道に変わり少々歩き難い。 30分少しで6合目に到着。(その前に5合半もあった)体が温まり汗も噴出してくる。 ようやく色づき始めた山肌が見えてきた。 ブナの木が綺麗である。 陽が差して来て見事なコントラストの紅葉が輝く。 下ノ芝に7:50に到着。草紅葉が綺麗である。 登山道は木道の整備されている箇所と、そうでない所が入れ替わり出てくるが、元々の登山道は泥濘が多く歩き難い。黄色く色づいた黄葉の中を歩いていく。 リンドウも目に付きだすが、花は開いていない。 ようやく中ノ芝に到着。ここは草紅葉とドウダンツツジの紅葉が見事である。ここでベンチに座って紅葉を眺めながら小休憩。 上ノ芝も過ぎて神楽ヶ峰までの登りはゴロタ石で歩き辛い。 新しく木段が整備された股スリ岩を通過。 この先も綺麗な紅葉を眺めながらの登りとなるが、雲が掛かりお天気は残念である。 3時間掛かってようやく神楽ヶ峰に到着。苗場山までの8合目と言うことだが少し上に三角点もちゃんとあった。 神楽ヶ峰からは一旦標高差で100mほど下っていく。途中に雷清水がありここでペットボトルに水を補充。冷たくておいしい水だ。 下りきった所がお花畑であるが、ここから先登山道の整備工事が行われていて、工事の人の小屋が設置されている。 そして山と高原地図を用いて工事区間の説明がされていた。 ここからはガスが掛かって苗場山も見えず残念だがガスの切れ目から見事な紅葉が垣間見られて思わず息を飲む美しさである。 黙々と登りながらガスが切れる瞬間を捉えて何度もシャッターを切る。 九合目を過ぎて胸突き八丁の急登になるが、振り返りながら紅葉を堪能する。 登山道の整備をされている中を恐縮しながら通させて頂く。しかし工事の方々も心得たもので非常に感じの良い方ばかりで快く通してくれる。 登ってきた稜線を振り返る。10月6日でこれだけの紅葉が見られたらガスに文句を言う必要はあるまい。 最後の急登。ロープ場が1箇所だけあったが、ここは岩が滑って登りにくかった。 息を弾ませヘロヘロになりながら飛び出したのが4km四方と言われる広大な湿原帯の山頂で一気に疲れが吹き飛ぶ。 この草紅葉と池塘が見たかったのだ。大満足! まずは三角点へ向かう。 しかし本当に広大な山頂である。これが2000m以上の山の上にあるのだから自然の驚異である。 リンドウが沢山あるがどれも蕾ばかりでちょっと残念である。 苗場山の山頂三角点の場所はちょっと判りにくい場所にあった。時間は10:46で実に4時間20分程掛かった。 三角点から山小屋の方に回りこんで横のテーブルを借りて昼食にする。 座ると掻いた汗が冷えて寒く、アウターを着込んで弁当を食べるが、手が痛くなるほど冷たくて久し振りの感覚である。余りゆっくりもしておられず、早々に辞する事にして湿原帯散策に出掛ける。 もっとのんびりと散策したいところであるが、登りに4時間20分を要しており、下りの事も考えると余りゆっくりも出来ない。遅くなると帰りの関越道の渋滞に巻き込まれることは間違いないのである。 最近は下りで左膝が痛み出すので登りよりも下りの方が辛く、飛ばして降りる事もままならない。ゆっくりと下ることにする。下りの時間になってもガスが晴れることはなく、時折垣間見える紅葉を見るのだけが楽しみである。 お花畑を過ぎて神楽ヶ峰までの標高差100mの登り返し。ゆっくりと登って雷清水まで来た所でガスが流れて苗場山が姿を現す。 完全にガスが取れるかと期待して少し休憩を兼ねて待機する。 しかし完全に取れることは無く逆に下からガスが湧いてきて山を隠してしまう。仕方なく再びゆっくりと登りだす。そして少し登ってから振り返ると苗場山が再び姿を現した。 神楽ヶ峰の登り返しを終えて後は下るだけであるが、案の定左の膝が痛み出して休み休み降りていく。上ノ芝で小休憩。そして中ノ芝でも小休憩である。中ノ芝の紅葉は本当に綺麗だ。 下ノ芝からの景色も中々見事である。これでガスが晴れていたら・・・・と思うが今日はそれなりに十分満足した。 痛む膝を騙し騙し降りてきてようやく和田小屋まで到着したのは15時を少し回ってしまっていた。 そこからは林道をゆっくりと下って駐車場に戻ったのは15時29分。久し振りに歩いた長距離でクタクタに疲れてしまった。帰りに街道の湯に立ち寄りゆっくりと疲れを癒して帰路に就く。しかし予期した渋滞はそうでもなさそうで大泉JCTから練馬1kmの表示で喜んで走っていたら途中から外環で事故渋滞、大泉JCTから浦和まで90分!!ぞっとしながら近くのSAに立ち寄って迂回路を探し、何とか渋滞を回避したものの、首都高の常態化した渋滞は避けようが無く、自宅にたどり着いたのは20時半過ぎ。昨晩出た時間と同じで24時間耐久山行となってしまった。
by hawks-oh-muku
| 2012-10-07 07:50
| 新潟の山
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Comments(2)
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産六
at 2012-10-15 07:45
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苗場と言えばスキー場のイメージしかなかったですが
色鮮やかで『見事な紅葉』が見られるのですね。 特に山頂が広大な湿原になって池塘が多く点在している風景は素晴らしいです。 長距離お疲れさまでしたが充実した山行でしたね。 近畿もそろそろ色付き始めましたよ。
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hawks-oh-muku at 2012-10-15 21:58
産六様こんばんは。
私も苗場山と言えばスキー場のイメージしかなく、百名山と言われてもピンと来ませんでした。 しかし良く調べてみるとスキー場で有名な苗場山スキー場とはかなり離れていてほぼ別物とわかりました。 この時期の紅葉の綺麗な山と言うことで行って来ましたが、何せ新潟県なので登山口も遠く 登山口から山頂までも思ったより遠かったです。ガスが残念でしたが紅葉を満喫する事が出来て行った甲斐はありました。 近畿の山も大峯辺りから鈴鹿の山など紅葉のピークを迎える頃でしょうか?ブログでのご報告を楽しみにしております。
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