世界一の登山者数の高尾山

2011年3月26日(土)高尾山・小仏城山  京王高尾山口駅11:59→登山口12:03→旭稲荷12:07→稲荷山12:30→高尾山山頂13:03(休憩)→5号路もみじ台13:52→一丁平14:07→小仏城山14:25(城山茶屋休憩)→小仏峠14:53→中峠15:09→登山口15:22→底沢バス停15:42→小原宿本陣屋敷15:50→JR相模湖駅16:07
累積標高差+615m-600m

ルートイメージ(赤はGPS軌跡ではありませんイメージです。)
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関東へ転勤してから2回目の休みでやっと山歩きに行く事が出来た。
3月8日に引越ししてから3日後に地震があり、新しい環境に慣れるまもなく仕事も緊急体制モードとなった。
そんな中でも九州は取り止めになったものの大阪・札幌と出張もあり、休みどころではなかった。
そして混乱に拍車を掛けたのが東京電力の計画停電である。3月14日月曜日から突然それは始まった。輪番停電という耳慣れない言葉を初めて聞き、決定・発表されたのは13日の夜8時である。翌日から始まる計画停電により電車が大混乱するかと思うと、皆の出勤体制などを考えると一睡も出来なかった。
いつもより1時間早い6時の電車に乗ったが、考えることは誰も同じで既に満員電車である。それでも電車が動いているだけマシな方で、遠方からの従業員は電車が運行していなかったり、何とか動いている電車の駅まで自転車や徒歩で1時間ほど掛けて行くと駅には人が溢れて電車に乗るまで2時間近く掛かったりと想像を絶する大混乱であった。
横浜方面から出勤のメンバーは、どうする事も出来ずにタクシーで新横浜まで辿り着き、新幹線に乗って来た者もいた程である。
今は電車の大混乱は収まったものの、運行ダイヤはJR・私鉄・地下鉄の沿線でそれぞれ違いはあるが通常の5~8割運転となっている。100%運行であっても通勤ラッシュは超満員であるのに本数が減るとどれ程の殺人的ラッシュになるかは想像に容易いだろう。
そもそも現在の電力需要に対して供給が大幅に不足しているため、不測の停電を避けるために予め地域を指定して計画的に停電を行う事は、大混乱を避ける為には仕方がないことだと思うが、先が見えない為に夏場の事を考えると気が重くなるのである。
高度経済成長期には、電力需要に供給が追いつかずに停電は頻繁に起こっていた。以前NHKのプロジェクトXと言う番組で黒部第四ダム(いわゆる黒四ダム)建設の苦労を取り上げた内容を放送していた。黒部の太陽というタイトルで映画化もされたのでこのダムの世紀の大事業としての苦労は広く知られているが、当時は高度経済成長に伴う慢性的電力不足を解決するためにはこのダムを作るしかなかったのである。
今、首都圏をカバーする東京電力がこれと同じ危機に面しているのである。それにしても大変なときに東京に転勤してきたものだと嘆いていても仕方がないので前向きに生活していくしかないのである。
長い前振りとなったが、そんな状況の中高尾山に登って来たという話を進めていく事にしよう。
関東でまず最初に何処に登ろうかと考えていたが、ミシュランガイドで三つ星を獲得してから登山者・観光客が更に増えて年間登山者数260万人と世界一の登山者数を誇る高尾山を差し置いて他はないだろうと決定した。
車で行くのが楽ではあるが、前述の地震の影響でガソリンが不足しておりガソリンを入手するのにも一苦労なのである。
電車で行く場合、東京メトロ東西線沿線に住んでいる為意外と便利である。早起きしていく予定であったが、疲れから少し遅くなり、10:02浦安駅から東西線に乗り込む。
本来この時間の電車は快速であるが、計画停電のおかげでこの日快速電車は運行されていなかった。終点の中野まで17駅。大阪で言うとなかもずから新大阪位の感じである。
中野でJR中央線快速に乗り換え高尾駅まで。更に高尾駅で京王線に乗り換えて一駅で高尾山口駅に到着である。所要時間1時間45分。神戸から金剛山に行く様な感じだろうか?
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駅前の蕎麦屋で名物のとろろ蕎麦を食べてから11:59と遅い時間からの登山開始である。
それにしてもさすが世界一の登山者数を誇る高尾山で、この時間でも多くの登山者で一杯である。それも赤ちゃんを背負った若いファミリーや、若いカップルや色とりどりのファッションを身に纏った山ガールのグループ。そして中高年の単独者やグループと様々である。
駅から歩いて2分ほどでケーブルカー高尾山駅に到着する。
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登山ルートは1号路から6号路まであり、それともう一つ稲荷山ルートと言うルートがある。前もって稲荷山ルートを登ろうと決めていたので、駅の左側にある登山口に向かう。
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階段状の登山道を登ると5分足らずで旭稲荷と書かれた祠があった。
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金剛山の千早本道の様な階段の登山道が続く。
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階段が終わると、滑りやすい土質の道に変わる。ケーブルで登って下りに推奨されている道の様だが、金剛山の念仏坂とは違い、足元はあまり良くない。
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急登は長くは続かず、一旦下りになり再び登りに転じると石積みの道に変わる。
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そして再び階段の急登に変わる。
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階段を登り詰めると稲荷山分岐である。
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稲荷山は巻いて進む事も出来るが、見晴らしも良く東屋やトイレもある為に経由する人の方が多いようである。東屋のある稲荷山からは八王子方面の見晴らしが良く、展望台にもなっている。
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新宿副都心のビル群もハッキリと見えている。
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西武ドームも見えている。
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一通り展望を愉しんだ後、稲荷山を辞して先へ進む。途中分岐もあるが案内表示は確実にあり金剛山の様に謎の分岐はないので初めてでも安心である。
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この稲荷山ルートは尾根通しの道で、見晴らしが良いと聞いていたが、分岐を過ぎた辺りから白い丹沢の山々が木々の間隙から望めるようになってきた。
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そして富士山も!但し雲が掛かっていて全容は現さないが、裾野の広さは圧倒的な存在感である。
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駅から登り始めて丁度1時間程で山頂直下にある最後の階段に辿り着いた。
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二百数十段の階段が最後の胸突き八丁か?
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階段を登り詰めると山頂に到着である。
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展望場所からは丹沢の山々が一望できる。丹沢山と一番高く見えるのが蛭ヶ岳である。
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そして右に目を移すと言わずと知れた富士山である。
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高尾山、標高599.2mの二等三角点。
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スカイツリーよりも低い低山であるが、登山者は本当に多く山頂は観光地化されていて茶店が何軒も軒を連ねて営業をしている。
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昼食は登る前に蕎麦を食べてきたので、コーヒーだけを淹れて行動食の菓子を少し食べて休憩する。早起きした場合は縦走して見る予定だったが、昼からの登山となり高尾山だけで帰るつもりだったが、このまま下っては少し早過ぎる様だし、消化不良である。地図を見ながら時間を計算し、小仏城山までは縦走する事にした。山頂散策の5号路を通って奥高尾の方へ進む。
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もみじ台と呼ばれる展望の良い場所には茶店もあり、富士山を見ながら休憩を摂っている方々も多かった。
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そしてこの場所にもトイレがあり、女性でも安心して登れる山である。
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ここからはずっと下って少し登り返すと一丁平に出る。ここにも東屋やベンチ・トイレがあり多くの登山者が休憩していた。
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そのまま通過し登りに転じた道を登って行くと、一丁平から20分足らずで小仏城山に到着した。
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ここにも茶店・トイレがあり登山者の多さを物語る。三角点はポツンと真中に立っている。
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富士山の見える場所でコーヒーを注文しパンも買って休憩する。
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ここまで来たら引き返すよりも相模湖へ下りてJR相模湖駅から戻る事にする。茶店の目の前から東海自然歩道が延びている。全長1600km以上ある東海自然歩道であるが、ここ高尾山が起点となっている。
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このまま東海自然歩道を下っても良いが、折角なのでもう少し足を伸ばして小仏峠まで進んでそこから相模湖へ下っていく事にした。茶店の裏側から陣場山方面へ進む。
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時間があるときに、陣場山まで縦走をして見たいと思っているが、その場合歩行距離は20kmを超えると思うので早い時間から登らなければならない。
小仏峠の手前にも茶店があるが、こちらは営業している雰囲気はない。しかしここからの見晴らしも良く、相模湖越しに富士山を望むことが出来る。
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そこから少し下ったところが小仏峠である。明治天皇が休憩をされた場所には石碑が立っている。
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本当の峠はもう少し先にあった。
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地図で見る限り、下山自体は40分程で下れそうであるが、そこから道路を歩いてJR相模湖駅まではまだまだ長い距離を歩かなければならない様だ。少し戻ったところから甲州古道を下っていく。中峠にはかつて茶店が有ったらしいが今は面影も無い。
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ずっと下って行くと中央自動車道が見えてきた。
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小仏峠から30分足らずで舗装路に下りてきた。
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ここから相模湖駅までは3.7kmの舗装路歩きになる。舗装路を歩いて行くと中央自動車道の下に梅が綺麗に咲いていた。
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舗装路を淡々と歩いて行くと、道端にスミレが咲いていて気持ちが和む。
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底沢バス停のある国道20号線に出ると日帰り入浴「天下茶屋」の看板があった。
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普通に読むと「てんか、ちゃや」となるのだろうが、関西人は「てんがちゃや」又は「てん、がちゃや」と呼んでしまう。多分この看板にこんなツッコミを入れるのは大阪人だけだろう。しかし今回は事前調べで温泉情報が無く、着替えも入浴準備もしてこなかったので残念ながら素通りする。底沢バス停では始めから乗る予定が無かったので時刻表もろくすっぽ見ずに歩いて進んだが、2分後くらいにバスが追い抜いていった。「あっ」と思ったがもう遅い。当初の予定通り国道20号線を淡々と歩く。途中国道沿いに甲州古道の小原宿本陣屋敷があった。
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漸く相模湖が見えてきた。
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道路標識であと少しで相模湖駅である事が確認できた。
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登山靴での舗装路歩きは少し疲れたが、16:07JR相模湖駅に到着した。
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駅について見ると電光掲示板で計画停電の影響で運行本数が減っている旨の内容が流れていて、20分程待って到着した電車に乗り込んだ。一駅先の高尾山で東京行き快速に乗り換え、更に中野で東西線に乗り換えて自宅に戻った。
約1ヶ月振りの山歩きは公共交通機関を利用しての山歩きとなり、結構疲れた。3月の山歩きは1回のみとなり、3ヶ月で11回の山歩きと今年は目標50回という回数に早くも黄色信号である。しかし回数のとらわれず、安全に山歩きを楽しみたいと思っている。
by hawks-oh-muku | 2011-03-26 22:27 | 奥多摩・高尾山 | Trackback | Comments(8)
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Commented by kazu at 2011-03-27 21:07 x
こんばんは。久しぶりの記事を見、元気そうで安心しました
流石 登山者日本一の高尾山綺麗な山ですね
眺望も最高のようで、なにより富士山が見えるのは感動です
これからも関東の山情報宜しくお願いします。
Commented by hawks-oh-muku at 2011-03-27 23:13
kazu様こんばんは。
東京も少し郊外に行くと自然が一杯で安心しました。
ただ千葉からだと東京都内を通らないと、高尾山や奥多摩や丹沢には行けません。
電車にしても車にしてもいずれにせよそれが一番のネックかと思っています。
その内地理も判って来るのかと思いますが、今は右も左も良く判らない状態です。

山から富士山を望むのは初めてでした。残念ながら雲が掛かっていましたが、感動しました。
冬の空気が澄んだ時期が待ち遠しいです。
Commented by おの@あびこ at 2011-03-28 01:29 x
多くの山に登ったご経験をベースにした文章と豊富な写真。
紙媒体の雑誌のお手軽解説よりもよほど高尾山の質感がよく伝わってきます。
僕も東京に移り住むことがあったら真っ先に登ってみたいですね。
着任早々の地震でご苦労なさったようですが、
登山を再開できるくらいまでには落ち着いたようで何よりです。

地震についてのレポートも拝読いたしました。
土地勘も醸成されない段階でのことですのでさぞやタイヘンだったのではないかと推察いたしますが、
山で鍛えたルートファインディング能力が活きたようですね。
早くも丹沢の山々を射程に収めておられるようで、
hawksさんのレポが楽しみです。
その意味でも、物流の混乱状況や原発をとりまく不穏な状況が、
早く解消されることを願ってやみません。
Commented by yas94086 at 2011-03-28 15:06 x
ブログ再開おめでとう?ございます。思わずうれしくなりました。

震災のコメントも拝読しました。ちょうど地震が発生した際、千代田区の営業所とTV会議システムで会議中でした。TV画面でも大きく揺れている姿とみんなが対応している姿が映し出されていました。その後しばらくして、京都でもゆっくりと大きく揺れました。私の肉親も関東におり、余震・品不足・停電と大変なようです。

山行記録は、いつものように疑似登山体験が出来ている様で、本当に臨場感があり、あこがれます。私が関東の山を登ることはないと思いますが、これからも楽しみにさせていただきます。
Commented by hawks-oh-muku at 2011-03-28 23:02
おの@あびこ様こんばんは。
お気遣い有難うございます。1ヶ月振りの山歩きで少々不安でしたが、いざ歩き出すとストレス疲れや不安な気持ちも忘れて相模湖まで歩いてしまいました。
丹沢や奥多摩も歩いて見たいのですが、まだまだ残雪があるようで、こちらはもう少し先になりそうです。

原発の影響は遠い話だと思っていたら、私の住むところも水道水から乳幼児の基準を超える放射性物質が検出されました。
スーパーやコンビニからは水が消え、計画停電の影響で電池も無い状態が続いていたり中々元通りの生活環境には戻りそうにありません。
今は、通勤時のカバンに登山用のヘッドランプを忍ばせて通っています。
Commented by hawks-oh-muku at 2011-03-28 23:25
yas94086様こんばんは。
大変ご無沙汰をし申し訳ありませんでした。引越し後のネットの工事が中々出来ずにいましたが、漸く再開できるようになりました。

地震発生時はTV会議のモニターでリアルタイムで見られていたのですね。
阪神大震災のときは、下から突き上げられる様な直下型の大きな縦揺れが一撃で来ましたが、今回は最初ゆっくりと横に揺れ出したのが徐々に大きくなり、かなり長い時間揺れて結構恐怖感がありました。
余震は少し落ち着いてきましたが、品不足は解消しません。
欲しいものはいつでも買えるのが当たり前の様に思っていましたが、
必要なものが買えない事がこんなにも不便だとは思ってもいませんでした。
水は一旦落ち着いていたのに放射性物質が検出されてからは、スーパー・コンビニはもとより
自販機の水もなくなり、この日の山行きの水にも困ってしまいました。
500mのPETボトルが1本家にあったので、これだけで登りましたが、
山頂の茶店で売っていましたので、何とか補給が出来ました。
さすがに山の上まで買占めには来ませんよね。しかも1本200円ですから(笑)
Commented by 産六 at 2011-04-09 09:02 x
ご無沙汰しております。
昨日久しぶりにブログを拝見しました。大震災と重なった時期に東京転勤で心配しておりましたが、その後の大変不自由な状況の中でも山歩きを再開されたことにとても元気をいただきました。
またそんな中にも拘らず私のブログにコメントをいただいて大変嬉しく思いました。私も時が経つにつれ少しは山へ行く余裕も生まれてきました。

高尾山は行ったことはありませんが、中央線の赤い(今は何色なんでしょうか?)高尾行きは毎日乗っていましたのでとても懐かしい気分になれました。富士山がこんなに間近に見えるのなら一度は行っておけばよかったです。これからの東京近辺の山の記事が楽しみです。
Commented by hawks-oh-muku at 2011-04-09 22:04
産六様こんばんは。
お久し振りでございます。少し落ち着かれた様でコメントを頂いて嬉しい気持ちで一杯です。
こちらももここ10日間程計画停電がなく通常の生活に落ち着きつつあります。
但し相変わらず余震があり、揺れるたびにビクビクしています。

今日は休みだったのですが、雨で何処にも行けず車でウロウロしましたが、地理が判らず迷ってばかりです。
産六様は東京に居られた事がお有りなのですね。中央線の電車の色は何色か全然記憶にありません。
電車に乗り間違えないようにするだけで余裕が無かったです(笑)
次は何処に登ろうかと計画はしていますが、なかなか休みが上手くいきません。
関東の山の情報では余りお役には立てませんが、ぼちぼち更新をして参りますので今後とも宜しくお願いします。
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