欲張りな金剛山の氷瀑巡り

2011年1月25日(火) 金剛山 水越川公共駐車場10:21→水越峠10:30→金剛の水10:59→カヤンボ橋11:08→モミジ谷入口11:10→第一堰堤11:13→第二堰堤11:17→第三堰堤11:18→第四堰堤11:38→第五堰堤11:44→本流ルート分岐11:47→第六堰堤11:52→旧本流ルート分岐12:08→葛木神社裏ルート出合12:29→裏参道ブナ林12:35→葛木神社12:37→国見城址広場12:45(昼食休憩)13:18→タカハタ谷入口13:21→ツツジ尾谷分岐13:28→二の滝13:46(小休憩)→二の滝滝口14:03→千早本道六合目付近14:12→八合目14:34→九合目14:45→国見城址広場14:52→青崩72番14:59→ワサビ谷自然林散策→セト15:18→青崩登山口16:10→水越川公共駐車場16:24
累積標高差+1065m-1055m(時計の高度計記録による計測値、時間は休憩・写真撮影などを含むゆっくりペースで参考程度です。)

今日は金剛山の氷瀑巡り周回ルートを歩いてきた。モミジ谷の第六堰堤とツツジ尾谷の二ノ滝の氷瀑は、例年だと凍り付く期間が限定され気温が上昇するとすぐに融けてしまうが、今年は厳冬で長い期間氷瀑状態が続いている様である。この二つの氷瀑を同じ日に観ようとすると公共交通機関を利用する方に分があるのだが、マイカー登山の場合は駐車地点に必ず戻ってくる事が大前提であるためルートはおのずと限定される。モミジ谷を下山ルートとされる方も居られるが、私の場合技術的に熟練している訳でもなく(と言うか万年初心者で進歩無く・・)更に単独ゆえに急坂を下るモミジ谷はリスクが高いのでこの時期は出来るだけ避けたいところである。モミジ谷を登りに設定するとなると、ツツジ尾谷を下って黒栂谷をセトまで登り返すルートがあるが今回はもう一ひねりしたい。そこで今回は二ノ滝から千早本道にトラバースし登り返して見ようと思った次第である。本当はこれに霧氷満喫ルートを組み込んだ欲張りルートも考えていた。当初考えていたルートは、モミジ谷本流ルートで葛木神社裏に登り、そこから大日岳に向かう道を歩いて青崩道へ抜ける。そして72番からワサビ谷自然林の霧氷を満喫しカタクリ群生地から左に折れカトラ谷水場の上に出て、クリンソウの谷を登りタカハタ道へ抜け、ツツジ尾谷を下って二ノ滝を観てから千早本道で登り返すと言う何とも欲張りな事を考えていたが、朝起きられなかった時点で単なる妄想に終わった。

と言う訳で朝起きたのは8時であり、遅れついでに朝食を摂りゆっくり準備をして香芝の自宅出発は9:20頃。天気予報では曇りのはずだったが小雨がぱらついておりテンションは下がるが、金剛山では多分雪だろうと良い方に気持ちを切り替えて山麓線を走っていく。ところが雪に切り替わったのは金剛山どころではなく御所を過ぎた辺りでミゾレから雪に変わり、名柄交差点を右折し309号線で水越トンネルに向かっていくとトンネル手前では道路脇は白くなり始めている。この先の道路状況に不安を感じつつトンネルを抜けると雪はパワーアップしており、旧道は路面も真っ白になっている。
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上の写真を撮るために坂道で一旦止まると言う愚行を犯し、再発進にビビリながら何とか水越川公共駐車場に車を停める。今日は平日にもかかわらず登山者は多いようで、トイレ付近の路駐スペースは車が溢れており、水越川公共駐車場も半分くらい埋まっていた。
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雪は降り続いており、上だけゴアのレインウェアを着込んで10:21に出発。風は無いものの雪の降り方はかなりのもので帰りの車の事が心配になる程だ。
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水越峠からダイトレに入ると既に真っ白で、早すぎるがここの東屋でアイゼンを装着する事にした。
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越口まで来ると、伐採された木材が積み上げられている。1/7に妻と歩いたときにユンボが除雪作業をしていたのは木材を搬出する為だったのだろうと合点がいった。
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年輪を数えるほど暇ではないが、植林をして出荷できるまでに大体50年掛かるらしい。
(ざっと数えるとやはり50年ものの様に見える)
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高度経済成長の時期に建築用木材が不足する事から沢山の植林が行われたので、全国各地の山林で伐採・出荷の時期を迎えているらしい。しかしその後輸入木材に押されて価格も下がり現在の林業が置かれている状況は非常に厳しく、先代から引き継いだ山林を売らざるを得ない方も増えて来て中国人が買い漁っていると先日TVで報道されていた。今年の冬は雪が多くこの伐採作業も大幅に遅れているのではないだろうか?更に経費がかさみ厳しい状況が容易に想像される。無神経に立ち入り禁止の場所に入ると山主さんの神経を逆なでする様なもので無闇な立ち入りは気をつけるべきだろう。
さてそんな事を考えながら金剛の水まで来た所でレインウェアが暑くて汗を掻いて来た。幸い雪も小降りになってきたのでここでレインウェアを脱いでザックにしまう。山シャツ一枚になり(勿論ベースレイヤーのアンダーウェアは着ているが)モミジ谷入渓ポイントにやってきた。積雪量は更に増えている様だ。
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第一堰堤のところでも水流の横に大きな氷柱が出来ており、第六堰堤の氷瀑に期待が膨らむ。
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第四堰堤の少し手前にある小滝にも氷柱がぶら下がっている。その上にベテラン風の女性2名の登山者がなにやら話しこんで休憩中であった。
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ここで先行させて貰い大きな氷柱をつけた第四堰堤を越えると積雪量は更に増える。
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第五堰堤を越えて本流ルートとの分岐に11:47到着。この時期にモミジ谷を歩かれる方の目的は間違いなく第六堰堤の氷瀑なので、左側には一切の足跡はなく右の本流ルートに進んでいる。
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毎度の美しい本流ルートへのV字渓谷。
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分岐からものの5分で第一目的の第六堰堤に到着。完全に凍結し氷の中を水が流れている。
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下まで行って見ると凄い迫力を感じる。まずは充分満足点である。
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ここから今日の踏み跡は、通常のルートにはなく、堰堤の左側(右岸)の急坂を直登している。雪の多いこの時期限定かもしれないが、今日はこの踏み跡を辿って直登する。ズルズルと滑る箇所もあり慎重に登り切って振り返る。
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堰堤の上の広くなった所で、小休憩。ステンレスマグボトルに容れて来た熱いチャイミルクティを飲む。この場所はどの季節でも好きな場所である。
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ここで再び雪が激しくなるが、この先の急登を考えると汗を掻きのそうなのでそのまま進み美しい沢筋を登る。
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しかしこれはちょっと失敗だったか、容赦なく雪が山シャツを覆っていく。
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旧本流ルートと本流ルートの分岐に着いて見ると、なんと今日は旧本流ルートにしか踏み跡が無い。旧本流ルートはまだ歩いた事が無く、踏み跡を辿って行って見ようかとも思ったが、この積雪量で初めてのルートを単独で行く事には一抹の不安があり思い留まる。
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一人本流ルートに今日初の足跡を付けていく。
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本当に今年の積雪量は半端ではない。私が行く山では6本爪の軽アイゼンで充分だと思っていたが、今年は本格的なアイゼンが欲しくなる位だ。軽アイゼンの限界を感じつつ滑らないように慎重に足を進める。
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ブナの木も必死で雪の重みに耐えている様だ。
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漸く葛木神社裏のルートに出て、神社に向かう。丁度餌場のところから単独の男性が登ってきた所で、旧本流ルートを登られた様だ。餌場のところでは野鳥が驚きながら様子を窺っていた。
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ブナ林にも霧氷が着き美しいが、それを打ち消すようなガスである。
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いつもの定点観測は一面のガスに覆われ全く見えない。
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葛木神社の積雪もどんどん増えて雪下ろしをしなくても大丈夫なのだろうかと心配になる。
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なにやら黄色い歓声が響き渡っており何事かと思ったら、今日は東大谷高校の耐寒登山の様だ。東大谷高校は1958年から金剛山の耐寒登山を続けている事で有名で山頂売店横に並ぶベンチもこの高校からの寄贈品である。みんな楽しそうに登っている、何事も継続は力なりでこの学校の伝統行事なのだろう。
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山頂の気温はマイナス3度。寒さはマシな方だ。
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巨大化したカマクラは裾野を広げてトイレ前は離合できない狭さである。
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すっぽりとガスに包まれた国見城址広場には12:45の到着である。
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雪は降り続いており、少し戻った回数掲示板前の屋根つきベンチで昼食にした。おにぎりと春雨ヌードルの質素な食事の後、コーヒーを淹れて寛ぐ。マイナス3度なら食事中に身体が冷え切る事はない。30分少し休憩をして第二目的のツツジ尾谷に向かう。タカハタ道の霧氷が綺麗である。
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タオルを被せてもらっているがお地蔵さんも雪に覆われて寒そうだ。
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ツツジ尾谷分岐から植林の道を下っていく。植林を抜けて谷筋に出るが積雪が多く慎重に降りていく。
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二ノ滝の巻き道は、下りは危険な箇所が2つあり木の根っこを掴んで一層慎重に降りる。
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そして二ノ滝はと見ると見事な氷瀑になっている。
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下まで降りていき間近で観るとこれまた迫力満点である。
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平日でこの時間になると誰も居らず、ザックを降ろしてチャイを飲みながらゆっくりと氷瀑見物が出来た。
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10分少し休憩をして、もう一度巻き道を登り返す。登りの方が危険度は遥かに少ない。巻き道を登り切り右に曲がって滝口へ降りていく。
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滝口から二ノ滝を見下ろす。滑ったら一巻の終わりか?
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ここから千早本道へは高低差のないトラバースになる。雪が深いので滑らないように進む。
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天候が回復してきたようで、途中の展望ポイントから大阪側の景色が一望できた。
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難儀したポイントが1箇所だけ。この倒木の下は四つん這いになって何とか潜り抜ける事が出来る感じだった。
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千早本道に出てきた。二ノ滝の滝口から僅か8分のトラバースだった。
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振り返るとこんな感じで、この左側に道がある。千早本道の6合目と6.5合目の中間くらいである。
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この時点で14時過ぎであり、登ってくる人は少ないが当方は疲れもありゆっくり登っていると、後ろから追い越される。私は普通にどう見ても千早本道を登って来た登山者にしか思われないだろう。これしきの登山道で疲れ切った軟弱物と思われている様だが、釈明のしようも無くゆっくりと歩を進めて漸く8合目である。
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どちらを進むか?当然ブナの木が美しい右の通称自衛隊道を進む。(距離は延びるけど・・)でもこの選択は正解で、美しい霧氷を堪能できた。
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美しい霧氷を見ながらなので疲れも感じず九合目に到着。以前にもブログに書いた気になる表示。
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近道の方の表記を改めるべきだと思う。千早本道は耐寒登山で一番使われる道である。人生に近道も楽な道もないと教育すべき所なのに、近道と楽な道しかないのは如何なものか?近道の方が距離は短いが傾斜はキツイ、だったら本道とすべきだろう。
楽な方は歩かずに本道を上がると回数掲示板に出る。時間は既に14:49である。
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天気の回復した国見城址広場に直行する。登り返しが正解の展望が得られた。
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ワサビ谷上部の自然林に着いた霧氷が美しく輝いている。
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太尾東尾根で降りるつもりだったが、これを見て考えが変わる。青崩道で降りて途中で寄り道をしよう。自然と足が青崩道へ向いてしまった。
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青崩道から見るだけでも美しい霧氷が楽しめる。
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止せばいいのに72番の電柱からフラフラと自然林に入っていく。どんどん下って美しい霧氷を満喫する。青空でないのが残念だが・・・。
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もっと下って行きたいが時間は既に15時を回っており理性が働いて適当な所から登り返す。青崩道に戻って植林帯に突入。お昼過ぎまでガスに覆われていたので、植林にも新たに霧氷が着いたのだろう、ヒノキの植林も美しい霧氷に覆われていた。
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セトには15:18到着。ここで最後の休憩を摂る。僅かに残ったチャイを飲み干し一服である。
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ブナ林からは全く見えなかった大和葛城山であるが、ガスが晴れて良く見えている。
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大阪側も良く晴れている様だ。
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この辺りまで来ると雪が無くなりアイゼンを外す。良く考えるとスッピンの土の上を歩くのは久し振りの事である。(12/20以来)
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青崩登山口に下りてきたのは16:10と遅くなり、欲張りなルートを歩くのならもっと早出しないと駄目であると今日も反省する。
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ここから旧道を歩いて水越川公共駐車場に戻った。積雪・凍結があると帰りが怖いと思っていたが、路面の雪は完全に融けていて単なる杞憂に終わった。
帰りはいつものかもきみの湯に寄りゆっくりと温まってから帰宅した。少し欲張ると金剛山でも累積標高差が1000mを超えて行動時間も6時間と充実した山歩きであった。
by hawks-oh-muku | 2011-01-25 21:39 | 金剛・葛城山 | Trackback | Comments(6)
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Commented by おの@あびこ at 2011-01-27 07:46 x
千早本道から二ノ滝に向かうトラバース道はどこだろう?と常々思っていましたが、
写真を見せていただく限り、
たぶんあそこではないかなと目星をつけていた場所のようです。
詳しいレポ、ありがとうございます。

モミジ谷。秋に一度行ったきりですが、
本流のV字の切れ込みはほんとうに綺麗だなと思っていました。
雪景色になるとさらにすばらしいですね。
いつも綺麗な写真をありがとうございます。
山欲を喚起させられます。
Commented by kazu at 2011-01-27 08:22 x
お早うございます
同じモミジ谷の氷漠とは思えないほどの迫力ですね、写真の綺麗さに驚きです
三峰山、高見山、私も行きましたが、こちらも私の写真と比べ物にならない位綺麗です(涙)
これからも、お邪魔しますので宜しくお願いします。
Commented by 産六 at 2011-01-27 09:17 x
二つの氷瀑巡りと霧氷の美しいコースが見事に繋がりましたね。しんどいところがいっぱいでとても真似できません。もみじ谷も半端じゃなく雪が深くなっているようで、今年は長い期間楽しめそうです。氷瀑横を直登できるとは驚きでした。

耐寒登山といえば、中学校の時にイヤイヤ連れて行かれました。アイゼンを借りるのにかけずり回ったのが一番の思い出です。
Commented by hawks-oh-muku at 2011-01-27 21:55
おの@あびこ様こんばんは。
千早本道から二ノ滝へのトラバース道は私もこの日に初めて通りました。
金剛山へは水越峠から登る事が殆どで、千早本道そのものが余り歩いた事が無いのですが、この道の存在は知っていました。
二ノ滝の巻き道を上がった所から滝口に向かう道がある事も知っていましたのでルート設定上歩いてみた次第です。
そしてトラバース道を出たところが6合目と6.5合目の間くらいでした。
金剛山は本当に奥が広くまだまだ未踏の道が沢山あり、春夏秋冬それぞれの季節に色々と組み合わせることで楽しく新鮮な山歩きが出来ます。
色々ルートを考える時も楽しいのですよね。
Commented by hawks-oh-muku at 2011-01-27 22:04
kazu様ご訪問有難うございます。
やはり餌場で旧本流ルートを上がられて来られたのはkazu様だったのですね。
大和葛城山を天狗谷・ダイトレと周回されたあとにモミジ谷とは凄い健脚ですね。

写真、お褒め頂き有難うございます。ほんと下手の横好きで何枚も撮ってしまうのですが、中々思うように撮れていない事が多いんです。

こちらこそ宜しくお願いいたします。
Commented by hawks-oh-muku at 2011-01-27 22:16
産六様こんばんは。
ブログでワサビ谷の霧氷の美しさを教えて頂いたので、欲張りルートを思いつきました。ありがとうございます。
>しんどいところがいっぱいでとても真似できません。
いえいえ河内長野から歩いて金剛山に登るよりは楽だと思いますョ(笑)

耐寒登山、私も小学生から20代前半まで狭山に住んでいましたので小学校高学年から中学まで毎年登っていました。
アイゼンが無ければ荒縄を使うと説明があり、アイゼンを買いに行った事を思い出しました。
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