人気ブログランキング | 話題のタグを見る

霧氷育つ高見山のエビの尻尾

2011年1月14日(金) 高見山 たかすみ温泉駐車場10:13→登山口10:18→高見杉11:05→平野分岐11:37→国見岩11:59→息子岩12:01→揺岩12:05→笛吹岩12:20→高角神社(山頂)12:35→避難小屋(昼食休憩13:19まで)→再度山頂13:21→笛吹岩13:33→平野分岐13:53→高見杉14:10→登山口14:39→たかすみ温泉駐車場14:45
累積標高差+-850m(時計の高度計記録による計測、時間は写真撮影・休憩を含む時間であくまでも目安です)

今日はモンスター級の霧氷が見たくて高見山に行って来た。人間は欲深い生き物で、霧氷と雪景色であれば今なら金剛山で充分に堪能できる筈であるが、どうしてももっと凄いのを見たくなるのである。と言っても私の場合、全然進歩の無い万年初心者なので本格的な冬山にはとても近づけない。そこで私レベルでもちょっとした冬山気分が味わえるのが高見山と言う訳である。昨シーズン初めて訪れた時は綺麗な霧氷を見る事が出来たが雪はほとんど無く雪深い高見山は未経験である。しかし雪が多いとアクセスに不安があり、ノーマルタイヤの休日ドライバーでは二の足を踏むところで常に天気予報とにらめっこしながら機会を窺うことになる。

木曜日の夜に単身先の神戸から奈良の自宅に戻り、携帯からウェザーニュースをチェック。携帯版ウェザーニュースに有料登録すると登山情報が見られる。これは地域を選択し更に山域を選択すると主要な山の山頂の天気予報が見られる登山者にとって強い味方である。民間の天気予報会社の中でもこのウェザーニュースと言う会社は色々な分野に役立つ濃い情報を提供してくれるトップ企業だ。早速登山情報→近畿→大台ケ原山(以前は台高だったが最近台高山脈の山々は大台ケ原山に分類されている)→高見山をチェック。天気は午前中曇りで午後からは晴れマークが並んでいる。山頂付近の最低気温はマイナス8度となっており午後からの晴れマークに期待を寄せる。午前中曇りでマイナス8度と言う事は霧氷は間違いなくあるはずだ。霧氷の出来る条件は、まず気温が氷点下になる事で、氷点下5度以下が良い条件の一つ。そして空気中の過水分、いわゆるガスが掛かった状態である事。そして最後に風であるが高見山は稜線に出ると凄い風が吹く事で有名で、これが霧氷の名所たる所以だろう。天気予報を以上の3つに当てはめると深夜から早朝に掛けてガスった山頂付近に強風が吹きつけ氷点下8度で大きなエビの尻尾が育っているはずである。さて気になる道路状況であるがここ最近は近畿南部では積雪の情報はなかったので何とかなるだろう。それよりも今週末の土日にかけて第一級の寒波がやってきて近畿平野部でも積雪する恐れがあるとの予報が出ている。こうなると月曜日の休みにはノーマルタイヤでは近づく事が出来そうにないので、今日のタイミングを逃す手はないのである。
午後からの晴れ間に期待して、少し遅めの8時20分頃に自宅を出発した。中和幹線を走って桜井に出て、165号線に合流。外山交差点から166号線に進路を変えて大宇陀道の駅から毛皮で有名な菟田野に入っていく。この辺りから田畑や民家の屋根に雪が見えてくるが道路には全く雪は無い。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22125355.jpg

電光掲示板では、高見トンネル積雪凍結と出ていて少し不安になるがチェーンは勿論携行しているのでいざとなれば何とかなるだろう。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22133665.jpg

更に先へ進めば道路脇の積雪量も増えてきて、新木津トンネル手前では除雪された雪が道路脇を埋めつくしている、大晦日から元旦にかけての大寒波でかなり積雪があったのだろう。但し今現在は、除雪されており道路の通行には全く問題はない。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22144046.jpg

トンネルを抜けて少し走った所から高見山を遠望。山頂付近はガスが掛かり山容ははっきりしないが真っ白になっている様だ。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22153581.jpg

高見トンネル手前から左折し、たかすみ温泉への道を進む。この道は一部細い部分もあるものの大体は片側1車線の道であるが、道路脇の積雪が迫ってきていて対向が難しい状態なのでゆっくりと進む。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2216216.jpg

たかすみ温泉まで何の問題も無く到着。問題があったとすれば駐車場入口横で「とんど焼き」の準備を村の方がされていて、大きな竹で道路を塞いでいたので少し入り難かったが村の方が誘導をして頂いたので事なきを得る。駐車場に車を停めて早速準備を整えて10:13に高見山へ向けて出発する。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22162972.jpg

駐車場から道路を少し戻って平野口バス停付近から左折し積雪した橋を渡る。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22165821.jpg

登山口も積雪が多く、早々にアイゼンが必要になりそうだ。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22172782.jpg

登り始めの階段は雪の下が凍結していてツルツル滑るので堰堤の所で早くもアイゼンを装着する事にした。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2218170.jpg

早めのアイゼン装着は正解で、硬く締った雪道をサクサクと登ってく。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22192277.jpg

途中高見山の山頂が見える場所があるが、山頂付近はガスっていて良く見えなかった。登り切って一旦下りになり沢を渡渉(橋が架かっている)すると高見杉は近い。避難小屋のある高見杉には11:05に到着。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22202493.jpg

霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22212478.jpg

休憩もせずそのまま進むともう一つ小屋が出てくるが、これは山林関係者の作業小屋の様である。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2222911.jpg

一気に登って平野・杉谷分岐に11:37に到着。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22223777.jpg

前回の反省からここでアウタージャケットを着る。ここまでは植林の中を歩くので風も無く山シャツ一枚で汗を掻く位の気温だが、この先少し登ると風が出てきて状況は一変するのである。ザックを降ろしてフード付きのソフトシェルのアウターを着込んで防寒対策は万全である。(前回はそのまま登って猛烈な風にさらされて慌ててアウターを出して寒い中着込んだ記憶がある。この場所で衣服の調整をするのが一番良いと思う。)
この先雪深くなってきた道を登って行く。樹木の上にも雪が積もり、ツララが出来ている。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22232533.jpg

積雪量は凄みを増して来て雪の風紋や雪庇も見られる。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22315471.jpg
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22321457.jpg

この辺りから小さな霧氷が見られる様になって来た。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22332511.jpg

国見岩まで来ると霧氷も大きくなってくるがまだまだ子供である。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22343370.jpg

息子岩の辺りでは積雪量も半端ではなくなる。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2235319.jpg

揺岩を12:05に通過。風の威力も凄みを増してきたがまだまだましな方かも知れない。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22355210.jpg

南側の台高山脈方面はまだ視界があるが、北側はガスが掛かり真っ白である。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22365567.jpg

エビの尻尾もだんだんと大きくなってきた。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22374370.jpg

霧氷のトンネルを潜って進む。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22382598.jpg

雲が低く垂れ込めるが、肉眼では特徴有る山容の大普賢岳も見えていた。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2239418.jpg

展望ポイントの笛吹岩に12:20に到着。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22393640.jpg

山頂南斜面の霧氷は綺麗だが、お天気は今ひとつ。天気予報を信じて1時間位後の下山時に青空を期待しよう。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22402242.jpg

ここから先になると本格的な強風が吹いてくる。写真撮影も落ち着いて出来なくなるが風に向かって何枚かシャッターを切る。ガスが晴れてくれれば良いのだが・・・。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22435931.jpg
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22443936.jpg
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22452363.jpg

山頂に近づくとそろそろモンスター級の霧氷(エビの尻尾)が増えてくる。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22471268.jpg
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22475367.jpg
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2248226.jpg

フードを被り強風を避けながら山頂に12:35到着。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22485311.jpg

三峰山方面もスッポリとガスに覆われている。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2249347.jpg

予報通り晴れてくれる事を信じて避難小屋で昼食にする。先客は10名程居られるが席は充分に確保出来た。これが平日登山の良い所である。今日は天ぷらうどんとおにぎりである。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22502827.jpg

食べていると外が明るくなってきた。うどんを食べ終わり慌てて外に出ると北側のガスが晴れて室生火山群も見えている。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22512815.jpg
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22523177.jpg

鍋を濯いでお湯を沸かす。沸騰してコーヒーを飲もうとザックの中を探すが入れ忘れをして来た様で見つからない。仕方ないのでマグカップにお湯を入れてお湯を飲むがこれも結構アリかな?身体は暖まった。そうこうしている内に小屋の中は私だけに・・土日では有得ない状況か?人が居なくなり改めて小屋の中を良く見ると中まで雪が入り込み小屋全体も冷凍庫の様なものだ。風が凌げるだけで暖かいと感じるが実際は小屋の中でも氷点下間違いなしである。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22535854.jpg

もう一度展望台に上がって見ると三峰山も良く見えている。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2255339.jpg

音羽三山越しに金剛山・葛城山もバッチリと見えている。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22562386.jpg

さぁガスが晴れた中を下山しよう。登りでは見えなかった素晴らしい景色を見ながらの下山に足取りも軽い。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22574499.jpg

霧氷越しに金剛・葛城の山並みを遠望する。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_22593319.jpg

ガスが無くなるだけで風は強くても気分が良く写真撮影も苦にならない。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_231448.jpg
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2315860.jpg
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2323521.jpg

霧氷の額縁に鎧・兜を入れて撮影。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2331642.jpg

もう一度笛吹岩に立ち寄る。やっぱり青空がいい!
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_234788.jpg

パノラマ撮影にスイング!
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2343981.jpg

強風に煽られて雪煙が上がる。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2351836.jpg
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2354514.jpg

こういうのを動画で撮れば臨場感が出るのだろが、咄嗟の時に操作が出来るほど慣れていないので残念!結構綺麗でした。

下りはWストックでスキーの様に足を滑らせながらグングン飛ばして降りる。スノーシューがあれば楽しいだろうと思う。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2371296.jpg

やっぱり霧氷には青空が映える。これ以上贅沢を言う必要があろう筈がない。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2375914.jpg

平野分岐に13:53到着。ここでアウタージャケットを脱いでザックに納める。ここからは山シャツ一枚で充分だ。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2384893.jpg

高見杉を14:10通過。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2391449.jpg

東側が開けた展望ポイントで高見山山頂を振り返る。(ズーム撮影)
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2394488.jpg

登山口に下りて来て、たかすみ温泉へ向かう道路に出ると「とんど焼き」が行われていて竹が弾ける爆音が響いている。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_23104184.jpg
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2311587.jpg

14:45たかすみ温泉駐車場に到着。今日も一日楽しい山歩きが出来たので、お楽しみのたかすみ温泉に直行する。温泉入口で屋根に積もった雪とツララが出迎えてくれた。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_23113467.jpg

温泉にゆっくり浸かって疲れを癒して帰路に着く。新木津トンネル手前から高見山を振り返る。本当に関西のマッターホルンに相応しい秀麗な山容である。
霧氷育つ高見山のエビの尻尾_a0122149_2312465.jpg

麓まで真っ白な姿も見てみたいが、その為にはスタッドレスタイヤが必要だろう。先週車検に出したばかりの愛車であるが、もう13年のロートル車で次の車検までには乗り換えたいと思っている(あわよくば4WD)。それならば今タイヤを買う事は無駄になってしまうのでスタッドレスタイヤは二の足を踏んでしまう。これが今一番悩ましいところである。

※余談:今回の車検は神戸で出した。前回は福岡、前々回は宮崎、その前は兵庫県たつの市、車屋も呆れていた・・・。
by hawks-oh-muku | 2011-01-15 23:12 | 台高・大峯 | Comments(4)
Commented by 産六 at 2011-01-16 09:14 x
ノーマルタイヤ組にとってはこれ以上は無いという絶好のコンディションの時に行かれましたね!(道路も山も)
やはり青空があるとないでは大違いです。輝きといい展望といい、うっとりするような写真の数々です。避難小屋はさらに進化していますね。5日前は足下には土が見えていましたから。
Commented by hawks-oh-muku at 2011-01-16 23:29
産六様こんばんは。
ノーマルタイヤではこの時期行動範囲が限られて本当に苦労します。
明日月曜日は休みなのですが、雪の予報にビビッてしまって奈良に帰るのを諦めました(笑)
明日は車に乗らずに久々の六甲山でも歩こうかと思っています。何と言っても自宅が登山口ですから・・!?。
Commented by yas94086 at 2011-01-19 22:18 x
始めましてyas94086と申します。産六さんのブログから拝見させていただきました。私もノーマルタイヤなので、14日(土)は、平地でも雪が降るかもしれないの予報で、霧氷号を利用しました。スタッドレスも高いし...車そのものは12月に車検を通したばかりで買い替えは100%無いし...行きたいところは、いろりろあるのに...これからも拝見させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
Commented by hawks-oh-muku at 2011-01-19 23:08
yas94086様はじめまして。ご訪問頂きまして有難うございます。
車での雪道は慣れていないので本当にビビッてしまいます。私の場合休みが平日なもので霧氷号とは無縁なのです。
昨年初めて高見山に行く時に、路線バスも調べて準備しましたが、最終的には車で行きました。
三峰山に行った時は、御杖村役場に電話で道路状況を確認したところとても親切に教えて頂き、安心してノーマルタイヤで行きました。
本当に行きたい所はいっぱいあっても制約されるのが辛いところです。
こちらこそどうぞ宜しくお願い致します。
<< 六甲山で霧氷・氷瀑三昧 霧氷満喫、雪のモミジ谷 >>