ススキの大海原、関西百名山生石ヶ峰

2010年9月24日 生石ヶ峰 生石高原駐車場10:28→分岐10:44→巻き道→彷徨?→生石ヶ峰山頂11:16→分岐11:31→展望台11:39→生石やまの家→生石ヶ峰山頂12:06→硯水湿原(散策)12:14→笠石12:53(昼食)→駐車場13:39
累積標高差+-185m

暑さ寒さも彼岸までとは本当に良く言ったもので、彼岸中日の雨を境に一気に冷え込んで今日は一足飛びに10月中旬の気温だと言う。9月初旬のハイパー残暑が嘘の様に涼しくなり何処に行こうかと思っていたが、以前より気になっていた和歌山県の生石(おいし)高原へのんびりと出かけることにした。「以前」より気になっていたと言う「以前」とは随分前の話で、おいし(生石)高原という変わった名前を知り、良い所らしいと聞いたのは30年程前の事だと思う。しかしその頃の趣味はバイクでのツーリングで近くを通った事は何度も有り、麓の黒沢牧場には寄った事はあるものの生石高原までは寄り道をした事はなかった。やがてバイクからも離れて和歌山方面に行く機会も殆ど無くなり記憶の中からも消えかけていた。
そして九州に赴任中の4年前から山歩きを始め、昨年近畿に戻ってから近畿百名山の一つとして生石ヶ峰の名前を聞き記憶が甦ってきたのであり、いつか行こうと思っていた。有名なのは曽爾高原か生石高原かと言われているススキの名所だと言う事であり時期的には秋が一番だと思っていた。そして花も多い事で知られており9月下旬にはマツムシソウが咲くと聞いて是非とも訪れてみたくて時期を狙っていたのである。
マツムシソウは九州のくじゅうの山で初めて見てから毎年見ていたが、近畿ではまだ見たことが無く、大和葛城山などは咲いていそうな環境であるが調べても生息していないようで近くで咲いている山を探していたのである。マツムシソウの由来は松虫の鳴く頃に咲く事や、松虫が棲息していそうな場所に咲くから等諸説あるようだが、紫色の綺麗な花である。時期的には今が丁度良い頃だと思い少々遠いが行って来た次第である。
一人なら下から歩いて2時間半程のルートを辿ろうと考えていたが、妻も一緒に行く事になり、生石高原駐車場まで車で上がってのんびりハイクに切り替えた。
香芝の自宅を7時半頃に出て、山麓線から御所へ抜けて京奈和自動車道(無料区間)に乗り終点の高野口で降りる。この自動車道のお陰でかなりの時間短縮ではあるが、それでもここまでで1時間半程掛かった。ここから24号線を走るがこの道は本当に久し振りである。懐かしい道を和歌山方面に進んで打田から左折し国道424号線に入り、あらかわの桃で有名な桃山町を通り抜けて国道370号線に突き当たると表示はもう海南市である。昔このルートを走っていた時は右折ばかりで左折した事はなかったが、今日は初めて左折する。最初の内は広めの道路だったが、途中からは予想通り細い道になり何とか手書きの生石高原16kmの表示を頼りに進む。案内は少なく見難いが生石高原の手書き看板が要所にあり途中より県道180号線に入る。細い道でぐんぐん高度を上げると札立峠で案内に従い右折すると程なく生石高原駐車場である。時間は10時20分過ぎで香芝から約3時間掛かった事になり、地図で見た感じより随分と遠い道程であった。車を降りると風もあり涼しいを通り越して寒いと言う感覚である。駐車場で標高は既に800m程あり24号線を走っている時の国道沿いにあった温度表示が18度だったので気温は13度位だと思われるが、体感的には10度前後である。妻にはウィンドジャケットを羽織らせ、自分はゴアのレインウェアをウィンドブレイカー代わりに着込む。手袋も装着し準備を整えて10:28に出発する。
お天気はどんよりと黒い雲が垂れ込めて今ひとつである。
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駐車場にあった案内板。山頂までは僅か1km約15分である。
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少し上がると山の家「おいし」があり綺麗なトイレも完備されている。天気は悪いが海が見えて良い景色である。
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トイレを済ませて歩き出すとすぐに妻が「この紫の花は何?」と聞くので見てみるとお目当てのマツムシソウである。
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こんなに簡単に見つかるとはこの先が楽しみである。展望台経由ルートと巻くルートがあり右側の巻くルートを選択。奥の方にこんもりとお椀を伏せた様な形をしているのが生石ヶ峰である。
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ハイキングコースの脇には花が沢山咲いており、ツリガネニンジンや
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オミナエシが多い。
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ノコンギクかヨメナ・イナカギクが沢山咲いていたが、リュウノギクも咲いていた。
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ススキはもう見頃で風に揺れるススキの海原が綺麗である。
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程なく分岐があり案内が出ているが、山頂の矢印が折れていた事に気付かず真っ直ぐに進んでしまう。(真っ直ぐは山頂を経由しない巻き道だった。)
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何の疑いもなく、花を観察しながら歩いていく。ヨシノアザミとタムラソウがそれぞれ咲いていた。見比べると葉の形が全然違うので一目瞭然であるが、写真にすると良く似ているので判り辛い。この写真はヨシノアザミ。
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これがタムラソウである。
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アキチョウジも咲いている。
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この辺りでどうも右側に見えるのが生石ヶ峰で登って行く気配がなく間違いに気付く。引き返せば良いものを、踏み跡があったので右側の斜面を登ってみる事にした。足元にツルリンドウが一杯で踏まないように登る。
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踏み跡を辿って少々藪漕ぎをして小高い所に出たところで行く手をススキの海原に阻まれる。少し強引に進むが敢無く断念。急がば回れ、やはり近道は無かったのである。
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来た道を下って元の道に降りて来た。ここから分岐に引き返すよりそのまま進んで逆側から山頂に登り返したほうが良いだろうと思って生石神社・札立峠方面に進むと思った通り右側に山頂への道が出てきた。
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少しの登りで一等三角点のある生石ヶ峰山頂に11:16到着である。
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山頂は360度の大展望であるが、お天気が悪く残念。
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花が多い硯水湿原の場所が地図には載っていない為、どこかが判らない。南方面に道があり少し下りて見るが案内が何もなく、雨も降ってきた為一旦引き返すことにした。風も出てきてススキが大きく揺れる。
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振り返ると生石ヶ峰。
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展望台を経由して山の家「おいし」に戻る。展望台から生石ヶ峰を振り返るとすっかりと雨雲の下である。
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耳が痛くなるほどの気温だったが、山の家に入ると薪ストーブが焚いてあり暖かい。ここでご主人に硯水湿原の場所を尋ねると、先程降り掛けた南方面を下って行くと在るとの事である。山頂にもハイキングマップにも案内がないのはわざとなのかも知れないがちょっと不親切な案内だ。天気は悪いが折角遠路はるばるやってきたので再度湿原まで行く事にした。今度は分岐で間違えることもなく一直線に山頂へ向かう。
ススキの間にカワラナデシコがまだ咲き残っていた。
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2度目の山頂は雨・風にガスまで掛かって展望は全くない。
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しかし2度目なので道に迷う事無く南側を下る。少し下るとマツムシソウの群生が見られてこれだけでも戻って来た甲斐があったと言うものだ。
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雨は気にならない程度の小降りでオミナエシとツリガネニンジンの咲く道を下って行く。
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漸く木の桟道がある湿原に着くが、硯水湿原の案内看板は倒れていて訪れる人も少なそうである。(ちなみに山の家近辺のススキ見物の人は結構居たが山頂付近は我々以外誰もいない状況であった)
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ウメバチソウも咲くそうなので探してみたが、あったのはゲンノショウコだった。
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この辺りからは海が良く見えている。これで晴天ならもっと綺麗だろう。
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木の桟道を歩いて行くとやはり花が多くサワギキョウがまだ沢山咲いていた。
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そして探していたアケボノソウが一杯咲いていて本当に戻ってきた甲斐があったと喜ぶ。
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ワレモコウ
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シオガマギク
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サワヒヨドリ
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本当に湿原は色んな花の宝庫である。保護の為、木の桟道以外は歩いてはいけない。貴重な花が見られる大事な場所であるマナーは十分に守りたい。
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ネジバナも見つける事が出来た。
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山頂への戻り道は少し違うルートを選んだが、ここにもマツムシソウの群生があり大正解。
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天気はまた悪くなってきて小雨が降ってきた。西側はススキ越しに海が見えて、22日の十五夜の時にここから月見が出来たら最高だったろう。
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ぐるっと回り込んで山の家のすぐ上にある笠石に戻ってきた。
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山の家の横に東屋があり、そこで用意してきたうどんを作って少し遅くなった昼食を摂った。食べていると山の家から女の人が出てきて、どうぞ持ち込みもOKなので中で食べて下さいと大変親切にお声を掛けていただいた。しかしガスバーナーを持ち込むわけにも行かず御礼だけ述べてそそくさと弁当と共に食べて、食後のコーヒーは中で頂く事にした。山の家「おいし」では、食事メニューも揃っていて薪ストーブもあり良い雰囲気である。コーヒーを注文し冷えた身体をストーブで暖めながら、ご主人と会話をする。最近「ススキの状況はどうか?」と電話での問い合わせが多いが、写真愛好家の方の望まれる見頃と我々の見頃が違うので返答に困ってしまうと仰られていた。花は咲いていましたか?と尋ねられたので、アケボノソウやサワギキョウ・マツムシソウ等沢山見られて戻った甲斐がありましたと話す。10月初旬にはムラサキセンブリが沢山咲くそうで、丁度体育の日辺りは駐車場も一杯になるそうだ。少し遠いので今年は無理だが、来年はその頃に訪れてみたいと思う。
さて、ここからもう一つ訪れてみたい場所に向かう。ここから20分程の480号線沿いにある「あらぎ島棚田」である。ここは良くテレビなどでも紹介される不思議な形をした棚田で一度は見てみたいと思っていたのである。札立峠から南に下って480号線に突き当たり左折し道の駅「あらぎの里」の横を左に入って行く。あらぎ島棚田展望所の100m手前に大きな無料駐車場がありそこに車を停めて歩く。前からお洒落なバスが走ってきた。
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駐車場がバス停になっており、このバスは有田川町内の巡回バスである。
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ほんの少し歩いただけでいきなりコスモス越しに棚田が姿を現した。
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テレビで見たとおり不思議な形の奇観である。そこから少し進むと写真撮影でも通行の邪魔にならない様に設置された展望所がある。
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そこからの景色がこれである。本当に帆立貝の様な形をした奇観であり訪れる人も多いようだ。
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案山子をズームで寄ってみると彼岸花も咲き風情がある。
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近くの温泉にでも一泊してゆっくりしたい気分であるがそうも行かず、何度も振り返って景色を目に焼き付けて棚田を後にした。
今日は晩秋を思わせる気候の中ススキの海原と沢山の山野草、そして奇観あらぎ島棚田を見られて充分に満足の行く一日となった。帰りは高野山を経由して帰ることにしたが、細い酷道で神経を費やしながらの運転となり大門に着いた時はホッとした。
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時間的に遅くなりそうなので高野山は車で奥の院まで進んで雰囲気だけを味わい、土産物屋さんで焼餅だけ買って家路を急いだ。
by hawks-oh-muku | 2010-09-26 00:17 | Trackback | Comments(4)
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Commented by anikobe at 2010-09-26 16:33 x
生石高原、良いところですね。
秋の山の花沢山見られ、いえ、拝見させていただき嬉しいです。
珍しい形の棚田、鮎つりに行く人のブログで何回か見たことがありましたが、自分ではいけないものと諦めていました。
久しぶりの棚田風景に感激です。
Commented by 産六 at 2010-09-26 18:01 x
生石ヶ峰は私も以前から気になっていました。すすきヶ原と湿原と紀伊水道の眺望が素晴らしいですね。参考になりました。いつか行ってみたいです。
さすがにhawks様で、雨の中を再度引き返されましたか。とても真似が出来そうもありません。そのご褒美はとてつもなく良かったようで、お裾分けありがとうございます。

「あらぎ島棚田」ユニークな形で、もう刈入れも大分と済んでいるようですね。今日は定番の飛鳥・稲渕の棚田に行ってきましたが彼岸花は盛りの初めといった感じでした。
Commented by hawks-oh-muku at 2010-09-28 05:46
anikobe様お早うございます。
初めて訪れましたが生憎のお天気でしたが生石高原はとても良い所でした。
あらぎ島棚田も写真や映像で見たことはありましたが実際に自分の目で見るのは初めてでした。
香芝からは3時間程掛かりましたが、五條からだと2時間位の道程でしょうか?
但し道路事情は余り良いとは言えませんが・・・。
Commented by hawks-oh-muku at 2010-09-28 05:50
産六様お早うございます。
湿原の場所が分からず2度も往復してしまいました。ただ駐車場から山頂までの標高差は100m足らずで、2往復しても全然疲れはありませんでした。
昨日は、郵便道から金剛山でした。葛城の道の彼岸花も漸く満開で、コスモスも漸く見頃の感じでした。
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