咲き乱れるトリカブトの三峰山

2010/8/23(月)三峰山 青少年旅行村入口駐車場8:36→トイレ&避難小屋9:09→山小屋10:09→三畝峠10:23→三峰山頂10:33→八丁平10:37(散策)→三畝峠11:12→登り尾峰11:19→新道峠11:38→新道登山口12:05→青少年旅行村12:38→駐車場12:44
累積標高差+-695m

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久し振りに月曜日も休みが取れて何処に行こうかと考えていて、日曜日の夜何気にパソコンを立ち上げてみるとヤフーニュースのトピックスで「食害で毒草ばかり」とあり、気になってクリックして見ると何と馴染みのある三峰山の事である。記事によると鹿の食害で今まで咲いていた花が姿を消す中、毒性の強い草花が増えているとの事である。草原状の八丁平には毒性の強い花であるバイケイソウ・アセビ・トリカブトが群生しており、今はトリカブトが咲き始めているとの事でトリカブトの群生する写真が掲載されていた。
(三峰山のトリカブトはカワチブシ(河内附子)と言う種類とあり、金剛山に咲くトリカブトと同じ種類だ。)
鹿の食害は全国各地の山で問題になっているが、近畿圏では奈良県内が特に深刻である様だ。だいたい奈良県=鹿と言うイメージがあり、奈良県民は居住地・出身地を聞かれて奈良と答えると決まって「鹿の居る所?」と言われ続けて辟易している。(九州で言われるのは仕方ないとしても同じ関西圏でも言われる事がある)
これは奈良公園の鹿が余りにも有名だから仕方ないとしても、山の中で増え続ける鹿の食害は深刻で県内では4万7000頭~9万3000頭生息していると言われている(かなり巾があるのは実態が掴めないほど急激に増えている為か?)。特に大台ケ原の食害問題は良く取り上げられているのでご存知の方も多いと思うが、食害で毒草が増加すると言う話は初めて聞いた。
記事によると、御杖村職員は三峰山のイメージダウンに繋がりかねないと危惧していると書いてあるが、これはトリカブト=猛毒のイメージが強すぎる為だろう。
バイケイソウも同じ毒性を持つが、バイケイソウで悪いイメージは持たないのが普通である。何故トリカブトのイメージが悪くなったかは、20数年前に起きたトリカブト保険金殺人事件で余りにも有名になったからだろう。しかし20数年前と言うことは、最近の若者は知らない筈だし、そろそろトリカブトの名誉を回復させてやっても良い頃だと思う。
御杖村は、逆手にとってトリカブト群生する三峰山で打ち出しても面白いのではないだろうか?と思いながら早速出かけて見る事にした次第である。
三峰山は2月のはじめに霧氷を見に行って以来2回目であるが、お気に入りの山の一つである。

朝6時に起床し、朝食を摂り準備を整えて7時少し前に自宅を出発。現在香芝市内で延伸工事の続く中和幹線を走って大和高田に出る。いつもの所で右折し抜け道を通るつもりが何と工事が完成し真っ直ぐ進めるようになっている。(春頃に開通したようだが知らなかった)。この中和幹線は待望の道路で(何十年前からの計画である)、香芝・大和高田方面から、八木・桜井方面に行くルートは国道24号線しかなく渋滞も含めて時間が掛かっていた。しかし我々地元の者は裏道・抜け道を通って細い道を抜けて行くので、抜け道に使われる住民の方は堪ったものではなかっただろう。道路開通によりこの少しの区間であっても大幅に時間短縮が出来るのである。順調に車を走らせて桜井市内まで来ると、ここも工事が完了し中和幹線は長谷寺手前まで延伸していた。大幅な時間短縮で、長谷寺まで30分弱で到着した。これで台高北部方面へのアクセスは格段と良くなり、出かける機会が増えそうである。
御杖村役場を過ぎてトンネルを抜け三峰山登山口である旅行村へは分岐があり右に下って行くが、ここも道路が良くなっており非常にスムースである。そして旅行村入口には8:30に到着した。(前回より30分以上時間短縮である)
青少年旅行村ゲート前に三峰山登山者駐車場の看板が出ている。(前は無かったと思う)
ここが登り尾ルート登山口には一番近いのだが、それよりも夏休み中で登山者は旅行村の駐車場を使えないのだろうと判断し、この場所に駐車し準備に取り掛かる。
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車は私の車1台のみで今の所登山者は私一人の様である。準備を整えて8:36出発である。今日も茹だる様な暑さである。舗装路を歩いて日陰に入ると少しは涼しい。今日も登りは前回と同じ登り尾ルートから上がる。この橋を渡って右に入るが、ここで川に降りて首に巻く冷却グッズに川の冷水を含ませる。
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植林の中黙々と登って行くが、早くも汗が噴出してくる。歩く事25分程でトイレと休憩が出来る山小屋に到着する。
前回は素通りしたが、ここでトイレを借りついでに少し休んでいく事にした。
この小屋の施設は郵政簡易保険(かんぽ)の融資施設らしく、プレートが掛かっていた。
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中は綺麗にしてあり、焚き火が出来る様になっているので冬場は有り難い施設だろう。
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10分少し休憩し、再び登り始める。
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階段脇に花が咲いていた。ノコンギクだろうか?
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前回オープン前だった「みつえ森林組合の家三畝山林展望台」の中を覗いてみる。
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2階建てになっており2階は宿泊も十分可能な感じであり非常に綺麗な施設である。
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ここからのルートは前半植林の中を歩いていく。間伐されて手入れの行き届いた植林である。
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やがて自然林豊かな景色に変化してくる。冬場と違い緑が美しい場所だ。
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バンダナを頭に巻いたお洒落なお地蔵さんが出てくる。
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そして山小屋が見えてきた。
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今日は時間もたっぷりあるので休憩しようかと思ったが、中は真っ暗である。窓もあるのだが周りを木々に囲まれてしまって中は本当に暗くて結局休憩せずに歩き出す。
ここから三畝峠までは後少しである、淡々と歩いて三畝峠に10:23到着
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前回霧氷のトンネルだった道を歩く、今気が付くとシロヤシオの木が本当に多いのに改めて驚く。来年は表年で綺麗な花が咲くだろうから早くも来年に期待したい。
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そして山頂手前辺りの足元はシコクママコナの群落である。上手く写真が撮れなかったが結構な数の群生地だ。
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山頂には10:33到着。2時間も掛かっている。雪があった前回よりも20分位遅い。やはり暑いのは堪えるなぁと実感する。
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残念ながら曇っていてと言うか霞んでいて遠望は利かない。
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しかしそれよりも辟易するのは纏わり付く虫である。三畝峠辺りから集中攻撃されて、写真撮影で立ち止まると忽ち餌食となる。山頂でも全くゆっくり出来ずにすぐに八丁平へ降りていく。足元でヤマジノホトトギスを発見。
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八丁平に降りてきた。今日の楽しみはトリカブトと共に大パノラマの写真撮影である。遠望が利かないのは残念だが、開放感抜群の八丁平を満喫する。
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トリカブトは訳も無く見つかった。鳥兜とは上手く言ったものでユニークな形の花である。蜂が花の中に頭を突っ込んで蜜を吸っている。金剛山に咲く品種と同じと言う事だが、花付がよく同じとは思えない見事さである。
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九州に居るときに佐賀県の天山と言う山で初めてトリカブトを見たが、九州に咲くのはタンナトリカブトと言う品種である。天山も山頂一帯は草原状で360度の大展望が素晴らしい山で、三峰山と共通項が多くどことなく似ているのが面白い。(トリカブトの生息に適しているのかも?)
ゆりわれ側に歩いていくと、数はどんどん増えて見事な群生が見られる。まだまだ咲き始めで蕾が鈴なりについていて、これから当分楽しめそうである。(これ程群生している山も余り無いと思うので、御杖村は悪いイメージを払拭して逆に広報活動しても良いのではないだろうか。)
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写真では群生の様子が上手く伝わらないのが残念であるが、本当に沢山咲いていて見事である。金剛山でもカトラ谷辺りに結構見られるが、桁違いの多さである。
そしてトリカブトの足元にはゲンノショウコが多く見られた。
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ツリガネニンジンも一つだけ確認が出来た。
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小ピークまで歩いてトリカブトを堪能してから引き返し、八丁平のシンボルツリーであるシロヤシオの木まで戻ってきて少し休憩する。シロヤシオの片側の一部が赤く色付き紅葉が見られる。紅葉のメカニズムは良く分からないが、少し驚きである。
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本当はここでのんびりと過ごそうと思っていたが、虫たちの攻撃は続いておりとてもゆっくり出来る状態ではない。虫除けスプレーか蚊取り線香でも持って来れば良かったと後悔するが、仕方ない。今日は山の上での昼食は諦めて、そのまま下る事にした。
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山頂をトラバースし三畝峠に向かう道を歩く。途中高見山の展望ポイントがあるが、うっすらとシルエットが見える程度で、関西のマッターホルンの雄姿は残念ながら拝めなかった。
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再び三畝峠に11:12に戻ってきた。今日は直進し新道ルートを歩く。
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新道ルートは稜線特有の軽いアップダウンが何度かあるが、総じてなだらかで歩きやすく正に稜線漫歩である。しかも素晴らしい自然林でとてもいい雰囲気だ。
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白色のホトトギスを見つけるが、ヤマジノホトトギスの亜種だろうか?
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少し登った小ピークに登り尾峰の表示があった。
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しかし新道ルートの自然林は美しい。よく見るとカエデ類が多く、紅葉の季節は素晴らしい紅葉が見られそうである。(ここにも一部紅葉しているカエデがあった。)
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ヒメシャラの木も多く見られたが、途中ヒメシャラ群生地の案内板があった。150mの寄り道であるが、今日は行かなかった。案内板があると言うことは凄い群生なのだろうか?ヒメシャラに花が着く頃なら間違いなく寄り道したくなるのだが・・・。
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新道峠は分岐の案内板が無ければ見過ごしてしまいそうな場所で要注意。ここを11:38に右折して下って行った。
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この辺りは自然林に苔がついて「もののけの森」の様な雰囲気である。
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少し下って行くと沢に当り、雰囲気の良い沢沿いを下って行く。
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下って行くとすぐに鹿避けネットが現れて、自分で開けて閉めして出入りする。
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鹿避けネット沿いに進んでいく。
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室生火山群の展望ポイントがあり、山頂よりは霞が取れてきたようで良く見えている。
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鹿避けネットを越えてからは植林の中の道に変わり、面白くもなんとも無い道を下る事になるが、距離は短く新道峠から30分掛からずに登山口に降り立つ。
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そこからは更に退屈な長い舗装路歩きである。
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舗装路歩きが約40分もあるが、道沿いに咲いている色々な花がせめてもの慰みである。少し湿地になっている所には少しだけキツネノカミソリが咲き残っていた。
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紫色の濃いゲンノショウコも多く見られた。
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やがて滝の音聞こえてきて清涼感を貰う。
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てくてくと歩いて漸く旅行村のキャンプ場に到着。多くのファミリーがオートキャンプを楽しんでいる。
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河原では、子供たちが水着で泳いでいて、川の中に傾斜を利用した滑り台も設置してあり子供達は水しぶきを上げて順番に滑って楽しそうだった。(写真は不審者に間違われそうなので遠慮した。)弁当はどこかキャンプ場のベンチででもと思っていたが、人が多く弁当は持ち帰ることにして温泉で何か食べる事にした。駐車した場所は旅行村の入口の外なのでまだもう少し下らなければいけない。
前回停めた駐車場は案の定、旅行村利用者限定になっていた。多分夏休み期間中、登山者はゲート入口に駐車しなければならないので注意が必要だ。
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ゆっくりと車まで戻って来たが、車は私の車だけで今日の三峰山登山者は私一人だったようだ。登山者が多いと虫たちも分散してくれるのかも知れないが、本日は私一人だったので虫たちの格好の標的になってしまった様である。
虫の事はさておき今日歩いた感想は、自然林の素晴らしさ、八丁平の開放感、トリカブトの群生と大満足で、三峰山は霧氷祭りの期間や、シロヤシオの時だけでは勿体無いと思った。標高差も適度で危険な箇所も無くファミリーハイクにはピッタリの山だと思うのでこれからの季節もお薦め出来る山ある。
当方はアクセスも良くなったので次は紅葉の時期に是非訪れてみたいと思った。

帰りは前回同様「姫石の湯」に向かう。国道369号線沿いの山肌に高砂ユリがあちらこちらで咲いているが、三峰山分岐から「姫石の湯」までの間は特に多く特筆に価する風情であった。姫石の湯では食事と入浴料600円で1時間少しのんびりと身体の疲れを癒して帰途に就いた。
by hawks-oh-muku | 2010-08-23 22:30 | 台高・大峯 | Trackback | Comments(2)
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Commented by 産六 at 2010-08-25 08:17 x
30分の短縮は大きいですね。hawks様の行動範囲も益々広がるのではないでしょうか。8月は大峰詣でが続いていたのでそろそろ近場にシフトしようと思っていましたが、「咲き乱れるトリカブトの三峰山」のコピーに誘惑されて今週末も遠出になりそうな予感です。

新道峠からは月出側に下ったことはありますが、神末側へは沢沿いの道がなんとも奇麗ですね。それと蚊取り線香も必携なのですね。hawks様の2月5日の「霧氷の三峰山」の記事に誘発されてから3回行きましたが、トリカブトも楽しみです。
Commented by hawks-oh-muku at 2010-08-25 22:30
産六様こんばんは。
奈良県は道路事情の悪さで悪評のがありますが、国道の幹線道路ですら片側1車線が当たり前です。
掘り返せば遺跡が出るので道路拡張が出来ないと言う本当なのか単なる都市伝説なのか分からないあやふやな話が奈良県民の中でまかり通っています。
今回の中和幹線は何十年も前からの計画道路で、念願の開通です。これまた古い話ですが、外環状線が富田林から河内長野まで開通した時と同じ感覚かと思います。私が中学生の頃は富田林と金剛ですら道路はありませんでしたから、道路事情に関しては奈良は大阪よりも30年位遅れているのかも知れません。
道路1本で30分の時間短縮なんてどんだけ田舎やねんと、自分で突っ込みたくなる程スムースでした。

ところで「咲き乱れる」は少々誇大表現ですが、八丁平からゆりわれ側に歩いた南斜面はかなりの群生でした。ゆりわれ側から登ると登山道脇にも結構トリカブトは咲いているらしいです。
虫は、アブとブヨがしつこくまとわりついてきます。アブ対策には団扇も有効だと聞きます。万全の体制でお出かけください。
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