竜ヶ岳の羊(シロヤシオ)は緑でした。

5/28(金) 竜ヶ岳 宇賀渓駐車場8:21→裏登山道入口8:42→18番10:24→15番遠足尾根分岐10:44→クラ10:48→治田峠分岐10:51→竜ヶ岳山頂11:10(休憩)→重ね岩11:49→途中昼食休憩ポイント(12:05~12:25)→石榑峠12:49→小峠分岐13:04→長尾滝13:33→五階滝13:53→魚止滝14:14→白竜吊橋14:28→宇賀渓駐車場14:49
累積標高差+-900m

今日は鈴鹿山系の竜ヶ岳に行ってきた。鈴鹿山系の山は3月の藤原岳に続いて2峰目である。鈴鹿山系では昔近鉄が仕掛けた事によりセブンマウンテンと呼ばれる7峰があり、北から藤原岳・竜ヶ岳・釈迦ヶ岳・雨乞岳・御在所岳・鎌ヶ岳・入道ヶ岳となっている。
(鈴鹿山脈では御池岳が最高峰でその他にも山は数多くあるが、セブンマウンテンには入っていない。)
別に全て登ろうとか、北から順番に登ろうとか考えている訳ではないが、たまたま登りたい山がセブンマウンテンの北から順番になっただけの事である。
今回竜ヶ岳に登ろうと思ったきっかけは、シロヤシオが見たくて鈴鹿シロヤシオで検索していると一番多くヒットしたのがこの山だったからである。
シロヤシオ(別名五葉ツツジ)と言う花はまだ見た事がない。昨年は丁度見頃の時期に新型インフルエンザ騒動で会社から週一日の休み返上と、週一の休みも自宅待機を命じられ山にも行けず見る事が出来なかったのである。九州に居るときはシロヤシオと言う名前を聞いた事がなく、調べて見ると東北から近畿・四国に分布となっており多分九州にはないのだと思う。
そして今年は是非とも見てみたいと思った訳だが、どうも今年は超裏年で花つきは良くないらしい。当初2月に登った三峰山に行こうと思っていた所、いつもコメントを頂くSさんから少なかったとの情報を頂き、鈴鹿はどうかと思った次第である。
ネットで検索してみると竜ヶ岳のシロヤシオは竜の羊と呼ばれるくらい、白いモコモコが山に群落するらしい。羊と言えば、北九州のカルスト台地である平尾台は山に点在する石灰石の景色から羊群原と呼ばれ、最高峰の貫山と併せて2度歩いた事がある。
その時の写真がこれであるが、広大な羊群原を歩く人気のコースでとても印象に残っている。
a0122149_22271215.jpg

長い前振りであったが、結論は竜の羊と例えられる景色を見てみたくて今回は竜ヶ岳に行く事にしたのである。
朝5時半過ぎに香芝を出発し途中SAで朝食を摂りつつ順調に亀山JCTまでやって来たが、東名阪自動車道のリフレッシュ工事の事は全く頭になく(と言うより情報不足で知らなかった)鈴鹿ICから四日市ICまで渋滞で45分も掛かるとの電光表示が出ていて驚いた。亀山JCTから東名阪に入った途端、情報通り全く動かない。予定では四日市ICまで行く予定だったが鈴鹿で降りて国道306号線を走る事にした。
しかし考える事は皆んな同じで国道306号線もそれなりの渋滞で中々進まない。しかも途中からこれが国道かと思う程細い道になる。対面通行が困難な国道にも関わらず交通量は多く、すれ違いの退避で時間が掛かり2車線になるまでの区間でかなり時間と神経を費やした。国道477号線の交差を過ぎて漸くスムーズに車は流れて421号線を左折し登山口である宇賀渓入口に着いた時は8時を少し回っていた。
a0122149_22273528.jpg

ここを入るとすぐに大きな駐車場があり、係りの方が出てこられて「登山ですか?」と尋ねられる。「竜ヶ岳に登るのですが、ここからですよね?」と聞くとここで間違いないらしいが、「ここは有料ですよ」と教えてくれる。「無料の駐車場は何処にあるのですか?」と尋ねると少し戻った国道421号線沿いにあるらしい。先程通った時に確かに駐車場はあったが10台ほどのスペースは全て埋まっていた様な気がしたので、親切に教えて頂いた係りの方にも配慮して今回は有料であるがここの駐車場に停める事にした。駐車料金500円を支払うと、判り易い地図を1枚くれて登山届けは必ず出してから気をつけてお登り下さいと、とても親切な方だった。
登山届けを書いてBOXに入れる。ここにも藤原岳と同じ文言が書いてある。
a0122149_22275071.jpg

この案内地図と全く同じ地図を先程頂いた。登山道に番号が付いていて迷う事は無さそうである。
a0122149_2228634.jpg

もう一つの概念図による案内板。
a0122149_22282672.jpg

ここからホタガ谷入口まで20分ほど林道歩きになる。林道の途中にはトイレや水場があり、左側には大きな渓谷が流れている。
a0122149_2228481.jpg
a0122149_2229011.jpg

ホタガ谷入口には東屋とトイレがあり、
a0122149_22291994.jpg

その右側の裏道登山道と案内が出ている所から登って行く。
a0122149_2229332.jpg

最初のうちは植林の中の尾根歩きになるが、各ポイントに案内地図と現在地確認の番号が付いていて判り易い。
a0122149_2229584.jpg

遭難されると警察や地元の方も大変なのだろう、ここまで親切な表示は始めてである。
やがて道は斜面をトラバースする様な形で進んでいく、傾斜は緩いので歩くのは楽であるが、左側は谷なので足元には注意が必要である。
危険な箇所は木橋が掛けられている。
a0122149_2230223.jpg

やがて谷筋に降りて谷を渡渉する。トラロープが掛かっているが、余り意味はない。(と思っていたが帰りのルートで意味が判る事になる)
a0122149_22303953.jpg

大きな岩を越えながら進むとピンクのタニウツギが綺麗に咲いている。
a0122149_22311788.jpg

そしてヒメレンゲの黄色い花も綺麗である。
a0122149_2231341.jpg

33番がホタガ谷出合となっている。(既に谷を渡渉してきているが、ここからが本流なのだろうか?)
a0122149_22315152.jpg

水量は多く水は驚くほど透き通っている、冬は雪が多いのだろう。この先も何度か渡渉を繰り返すが、木橋が架けてあり足元だけ注意すれば苦労はない。
a0122149_22322625.jpg
a0122149_22325979.jpg
a0122149_22331441.jpg

大きな滝のところは巻き道になり尾根に登るが、再び谷へと合流する。やがて水量が少なくなってくると新緑が一段と綺麗になる。
a0122149_22334031.jpg

別れ滝上部水場を過ぎると一気に視界が拓ける。近畿の山では余り見た事のない景色で感嘆の声を上げてしまった。
a0122149_2234326.jpg

標高は金剛山よりも低い山であるが、樹木がなくなり一面熊笹の山肌は森林限界を越えた高山と錯覚しそうな趣である。九州では火山帯の山が同じ様な雰囲気で、霧島の新燃岳と中岳の鞍部で見た景色を思い出した。
※霧島新燃岳の山裾の写真(鹿が映っています)
a0122149_22342316.jpg

ここから背丈を超える高さの熊笹の中、一筋に延びる少し荒れた道を登って行く。青空に向かって気分は上々である。
a0122149_22343950.jpg

振り返ると伊勢湾が見える。
a0122149_22351556.jpg

稜線に出ると3月に登った藤原岳が見える、しかし凄い風である。
a0122149_22353030.jpg

遠足尾根分岐まで来ると北側の斜面には樹木が青々としているのが判る。南側だけ何故樹木が無いのだろうか?
a0122149_22355312.jpg

そして藤原岳ではガスで望めなかった景色があった。御嶽と乗鞍岳である。感動!
a0122149_22361032.jpg

猛烈な風の中、遠足尾根を進むとお椀を臥せた様な形の竜ヶ岳が見えてきた。
a0122149_22371556.jpg

ピークと言う感じはしないが、地形図のP1042mにはクラと言う名前が付いていた。
a0122149_22375626.jpg

この辺りで漸く目当てのシロヤシオの花を見る事が出来たが本当に花は少ない。しかも烈風で揺れて写真が撮りにくい。
a0122149_22381060.jpg

更に歩くと程なく治田峠分岐である。ここから藤原岳へも縦走が出来る。
a0122149_22382832.jpg

竜ヶ岳が近づいてきた頃には周りはシロヤシオだらけである事に気付く、しかし花の付いているのはやはり少ない。
a0122149_22384772.jpg

そして見たかった竜の羊と形容されるシロヤシオがこれであるが残念ながら花は殆どない。モコモコとした木は全てシロヤシオである。
a0122149_22394836.jpg
a0122149_2240364.jpg
a0122149_22401539.jpg
a0122149_22403032.jpg

凄い風の中を進んで山頂に近づいて来た所で、何とガスが湧いて来て回りの景色は全く見えない状態に・・・。
山頂に着いたときには回りは真っ白、風は飛ばされそうなくらい吹き荒れている。そして体温をどんどん奪っていくので寒くて仕方が無い。レインジャケットをウィンドブレーカー代わりに着込んで帽子も飛ばされそうなので、薄手のニットキャップを被る。
「山は天候が急変します」鈴鹿の山はなかなか私を受け入れてくれないようである。
a0122149_2241443.jpg

山頂には単独の青年が一人風を避けるように熊笹の影に寝そべっていた。ガスが晴れるのを待っているようである。少し話しを交わすと同じルートを登って来た様である。青年はおにぎりを食べだしたが、私はこの風に辟易してこのまま下山して、途中で食べる事にした。石榑峠に向かって降りていくと結構な急斜面である。しかしこの急斜面はシロヤシオの中を通るので、シロヤシオのトンネルになるのだが花は殆ど付いていない。
a0122149_22415014.jpg

重ね石まで降りてきた。この岩の天辺に登れるらしいがまだ風がきついので断念する。
a0122149_224267.jpg
a0122149_22422286.jpg

岩の下にイワカガミが咲いている。イワカガミとの対面もくじゅうの大船山以来2年振りである。
a0122149_22424498.jpg

重ね石を過ぎると樹木が増えて風を遮るのか風も弱まり、少し平で広くなった所を見つけて昼食にする。時間は丁度12時である。ここで20分ばかり昼食休憩をしてレインジャケットも脱いで下山に掛かる。弱まったとは言え風があるのでコーヒータイムは無しである。ミズナラの木に花が付いている。ミズナラの実はいわゆるドングリでこの花が実に成るのだろうか?花は初めて見た。
a0122149_22433720.jpg

ドウダンツツジが増えてきた。シロヤシオも含めて秋の紅葉の季節の綺麗な山だと思う。
a0122149_22435829.jpg

イワカガミも可愛い花を咲かせている。
a0122149_22441564.jpg

12:49に石榑峠に降り立つ。三重県側からは崖崩れの為通行止めになっているが滋賀県側からは登ってこれるようで車が1台停まっていた。
a0122149_22443636.jpg

釈迦ヶ岳へはこの峠から縦走出来る様で道標がある。
a0122149_22445569.jpg

ここから小峠までは国道歩きになるが、通行止めになっている為車は通らずかなり荒れている。15分程歩いて左に長尾滝へ降りる案内に従い谷に降りていく。
a0122149_22451389.jpg

ここからは水量の多い谷に沿って降りていくが、何度も渡渉を繰り返す。山頂であった青年は増水した時には渡渉出来なくなると聞いた。以前来た時に増水して靴を脱いで渡った事があると言っていた。その時流された登山者もいたとの事で、気をつけて下る。
a0122149_22453886.jpg

途中に堰堤があり左岸を巻いて降りるが、水は驚くほど透き通って綺麗である。
a0122149_22455458.jpg

最初のうちは渡渉も難しくなかったが、途中から増水したら危険の意味が判った。水流が激しい上に飛び石もない。ジャンプして渡るしかないのである。ロープは靴を脱いで渡る時の命綱の役目を果たすもので、沢登の装備がなければ意味が無いロープである。
a0122149_22464070.jpg
a0122149_22465487.jpg

こんな激流の中を何度も渡渉する。案内表示はあるので迷う事はないが、ジャンプして渡る時は覚悟が必要である。
a0122149_22471332.jpg

長尾滝を巻く道にはほぼ垂直の鉄梯子が掛かっている。
a0122149_22473237.jpg

この梯子を降りると見事な長尾滝が現れる。
a0122149_22475098.jpg

その先に竜ヶ岳に登る中道と宇賀渓駐車場に戻る山沿いコースと谷沿いコースの3つに分かれる。谷沿いコースに行くにはここを渡る必要がある。
a0122149_22482324.jpg
a0122149_22484310.jpg

ビビリながら慎重に足元を選んで渡り切るとまたすぐに渡渉である。
a0122149_2249771.jpg

この先に分岐があり、五階滝を見るために山沿いコースに入る。朝貰った地図によるとこの先谷沿いコースは危険マークが3つも付いているので山沿いコースのほうが賢明だと思った。
a0122149_22494461.jpg

五階滝の全容は写真には収まらなかったが、上部より5段になっている。
a0122149_22593182.jpg

谷の斜面にトラバース気味に付けられた山沿いコースを下ると魚止滝の手前で谷沿いコースと合流する。
a0122149_22595339.jpg

魚止滝へ寄り道し岩の上でコーヒータイムにした。奥に見えているのが魚止滝である。
a0122149_2252865.jpg

マイナスイオンたっぷりの岩場でゆっくりした後、魚止滝から見えていた鉄製の橋を渡り下って行く。
a0122149_22532944.jpg

次に白竜吊橋であるが、ここは危険とのロープが張ってある。
a0122149_22534194.jpg

渡って見るとすごく揺れる。良く見ると通常下に張ってあるワイヤーが全て飛んでいて本当の吊橋になっているのでグループの場合一人づつ渡る方が賢明である。
この橋を渡り切ると朝登った東屋のある裏道登山道の入口である。
a0122149_2254126.jpg

ここからは林道を20分弱下って無事14:49に駐車場に戻ってきた。登山BOXに入れた登山届けに下山時刻を記入し帰途に就いた。
帰りは湯の山温泉に立ち寄る事にして477号線を鈴鹿スカイラインに向かって走っていると御在所岳ロープウェイ強風の為運休の案内が出ていた。思わず納得の強風であった。
湯の山温泉の入口にある一番近い片岡温泉に立ち寄る。料金は600円で加水加温一切なしの100%源泉掛け流しの良い温泉であった。特に露天風呂は加温もしていない為ぬるめで20分浸かっても逆上せる事はなく疲れを癒すにはもってこいの温泉である。
a0122149_22542197.jpg

帰りは477号線を直進し四日市ICより東名阪に乗ったがこれが大失敗。鈴鹿まで7kmの距離で55分も掛かる大渋滞で朝よりも酷かった。しかし工事の終わる亀山からは順調に流れて19時に自宅に戻った。鈴鹿の竜ヶ岳は谷の厳しさと美しさ、山頂付近の熊笹の大パノラマととても良い山であった。夏場は山ヒルが出るので駄目であるが、シロヤシオが紅葉する秋にもう一度登ってみたいと思った。
by hawks-oh-muku | 2010-05-28 22:24 | 鈴鹿 | Trackback | Comments(4)
トラックバックURL : http://hawksoh.exblog.jp/tb/10730366
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by 産六 at 2010-06-02 16:29 x
竜ヶ岳の白い羊の群れは残念でしたが、大展望とスリル溢れる渡渉と鉄梯子に大満足の山行となられたようですね(私は写真を見ているだけでお尻がムズムズしてきます)。広々とした笹原と青空と新緑の樹々が何とも言えず奇麗で気持ち良さそうに見えます。

今年のシロヤシオは全くダメみたいですね。私も今年が初めてなもので、未練たらしく日曜日に明神平から桧塚に行ってきましたが、咲いているのは数本でした。オニに笑われても来年に期待です!
Commented by hawks-oh-muku at 2010-06-02 22:07
産六様こんばんは。
目的のシロヤシオは見れませんでしたが、竜ヶ岳はとても良い山でした。羊は来年に期待して、秋の紅葉の時期にもう一度訪れて見ようと思いました。

明神平・桧塚に行かれたのですか!私も一度行きたいと思っている山域です。良かったら詳しく教えて頂きたいです。特に登山口までの道路状況が良く判らず、つい二の足を踏んでいます。
Commented by 産六 at 2010-06-03 08:22 x
明神平は初めてでした。日曜日の早朝で、水越トンネルを越えた所から1時間半足らずで着きました。166を右折して東吉野村役場手前を「やはた温泉」「ふるさと村」の標識に従って左折。あと1,2ヶ所分岐がありますが「やはた温泉」「ふるさと村」の標識があるので安心です。「やはた温泉」までは整備された道と旧道が交互に現れますが、おおむね走り易いです。
「やはた温泉」を過ぎると直進して大又の集落を抜けます。左手にバスストップがあってその辺りから林道の始まりです。ここからは狭い道は苦手なので車が来たらどうしようと思うような道でした(退避場所が少ない)。路面は荒れているということはなく、狭い道が苦にならないと全く問題ないと思います。行き止まりの左手に20〜30台ほど停められる広いスペースがあります。そこからしばらく舗装林道を歩きますが昨年欠損した道は奇麗になっています。明神平までは渡渉4回と橋の崩壊場所がありますが、それほど危険ではありません。
明神平から桧塚までは山の深さと大展望、開放感を味わえる自然公園の中の散策路のようでした。要領を得ない報告ですが、少しでもお役に立てれば嬉しいです。
Commented by hawks-oh-muku at 2010-06-03 21:57
産六様こんばんは。
知りたかった情報が全て詰まった詳細なご説明有難うございます。
色々調べても登山口までの大又林道の状況が良く分からず二の足を踏んでいましたので、心配がなくなりました。
近々行って見ようと思います。有難うございました。
<< 金剛山にクリンソウ鑑賞登山 金剛葛城、8の字縦走。 >>